【14.04.15】「質の向上」に逆行 准保育士制度で田村議員
日本共産党の田村智子議員は14日の参院決算委員会で、保育士不足が指摘されるもとで政府の産業競争力会議の民間議員が提案した「准保育士」制度について、保育の質の低下を招くとして撤回を求めました。
田村氏は、2013年に厚生労働省がまとめた保育施設における事故報告書によると19件の死亡事故のうち15件が無資格者のいる認可外施設だったことを示し、保育士資格の取得を簡易化する提案は「政府が掲げる『量も質も保障された保育』とは矛盾しないか」とただしました。
甘利明経済再生担当相は「保育の質の確保には十分留意する」と答弁しました。
田村氏は、保育中の「うつぶせ寝」による事故が原因で生後5カ月の娘を亡くした母親が「子どもを亡くして、一時的な預かりでさえ専門知識が必要だと痛感した」と語っていることを紹介。保育中の死亡事故が相次ぐ中での准保育士の導入は「保育の質の向上と逆行することになる」と指摘しました。准保育士の導入で賃金格差が生じることは「保育士の処遇の改善にも結びつかない」と強調し、撤回を迫りました。
甘利氏は「ご指摘の危惧にあたることも考えられるが、制度設計次第で(待機児童解消に)有効に活用できる可能性も生まれてくる」と述べました。
(2014年4月15日「しんぶん赤旗」より)