【12.08.28】高齢者雇用法案を可決/選別の抜け穴批判
定年後の継続雇用を義務付けた高年齢者雇用安定法の改定案が28日の参院厚生労働委員会で、民主、自民、公明、みんな、みどりの賛成で可決されました。日本共産党と社民党は反対しました。
日本共産党の田村智子議員は反対討論で、高年齢者の雇用継続は憲法が定める勤労の権利であり、必要な施策を講じることは国の責務だと強調しました。
そのうえで、改定案は60歳定年後も希望者全員を雇用することを原則としながら、衆院の修正で、厚労相が定める「指針」を使用者が恣意(しい)的に運用して事実上の選別を行いうる抜け穴をつくったと指摘。継続雇用の例外として「心身の故障など」を明記したことは、病気や障害をもつ労働者への差別につながりかねないと批判しました。
田村氏はさらに、高年齢者を継続雇用する企業をグループ企業にまで広げたことは、賃金の大幅ダウン、労働者の心身への負担、親企業の雇用責任回避につながる危険があると強調。継続雇用の対象者を選別できる「基準」の廃止に12年間もの経過措置を設けたことは、現行制度の問題点を温存するものだと批判しました。
同委員会ではまた、カネミ油症患者を救済する法案が全会一致で可決されました。
(2012年8月30日(木)「しんぶん赤旗」より)