日本共産党 田村智子
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【12.08.03】子育て新システム/市町村の義務後退/滞納すれば保育所退所

3日の参院社会保障・税特別委員会で、子ども子育て新システム関連法案の問題点をただした日本共産党の田村智子議員。市町村の保育実施義務が後退し、保育所への入所手続きにも重大な問題があることが浮き彫りになりました。


 
 児童福祉法24条は市町村による保育実施義務を定めています。田村氏は、認可保育所では、滞納を理由に子どもの退所はできないが、直接契約となる認定こども園などでは可能になるとただしました。

 田村 政府のQ&Aでは滞納を理由とした契約解除を可能としている。児童福祉の視点を欠くものだ。

 小宮山洋子厚労相 具体的な運用は今後、制度の施行までに検討する。

 田村 このままでいいとは思っていないということだ。施設側も滞納で運営に支障をきたすことがないようすべきだ。

 田村氏は、親が滞納を苦に自主的に退所させる事例などをあげ、市町村が積極的に実施義務を果たすよう求めました。小宮山厚労相は虐待などを想定した保育の実施義務規定などをあげ、「(保育所入所の)措置が可能になる」と述べました。

 さらに田村氏は、改定児童福祉法では、認可保育所の保育の実施と、その他の施設での保育の確保が並列に置かれていることを指摘し、「待機児対策は認可保育所の増設を基本として行うべきだ」と追及しました。

 田村 認可保育所を増やす努力なしに解決できない。

 自民・田村憲久議員(法案提出者) 保育所(の増設)が基本だ。

 厚労相 保育所等の一定規模をもつ施設による対応が基本。

 田村氏は「認可保育所への入所を希望する声を反映した(保育所の)整備計画を作るべきだ」と主張。小宮山厚労相は「それは当然のこと。見えない(潜在的なニーズの)部分にも対応したい」と述べました。

 新しい制度で保護者は、市町村から「短時間」と「1日」の2段階の保育の必要量の認定を受けることになります。

 田村氏の質問に小宮山厚労相は、「1日」とは「現在の11時間に対応するものを考えている」、「短時間」は「個々の状況に応じて柔軟に使えるようにしたい」と述べました。

 田村 “バラバラ保育”になる危惧が生じる。子どもにとっての保育の必要性をもっと考慮すべきだ。

 厚労相 子どもにとってどういう形が一番良いのかが第一だ。国としても参考になるものを示したい。

 自民・田村憲久議員 保育園もこま切れ時間では預かれない。コアタイムは子どもたちを(全員)預かることになる。

 田村氏は、新しい制度で、認可保育所以外の地域型保育の利用料がどうなるのかが重要だと指摘しました。

 田村 認可保育所以外も所得に応じた負担となるのか。

 厚労相 利用料は現在と同様、応能負担の考えた方にもとづく。地域型保育給付も同様の水準にする。

 田村氏は、「国の保育料の基準そのものが高い」と指摘し、その見直しを求めました。