日本共産党 田村智子
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【12.08.03】社会保障と税の一体改革特別委員会――子ども・子育て新システムについて

児童福祉法24条、市町村の保育実施義務について

○田村智子 日本共産党の田村智子です。
 今日は50分の質問時間をいただきまして、子ども・子育て関係の法案をしっかり審議をしたいと思います。
 まず、7月26日の質問の続きで、児童福祉法24条、市町村の保育実施義務に関連してお聞きをいたします。
 昨年来私がこの市町村の保育実施義務の削除、これは絶対許されないと、この規定の後退も許されないということをこだわって取り上げてきましたが、これは保育現場での子供への対応に重要な意味を持つからです。その一つが、保育料の滞納があった場合に子供の扱いがどうなるかということです。修正案の24条第1項では、市町村は、保育所において保育をしなければならないと、この規定を削除させなかった。これは前回も強調しましたけれども、やはり保育現場や保護者の皆さんの強い要求にこたえての修正だと私も理解をしております。
 この市町村の保育実施義務、これは具体的にいえば認可保育所での保育ということになります。この場合、保育料の滞納をもって、それを理由として子供が退所させられるということはないと思いますが、発議者に確認をいたします。

○江端貴子 衆議院議員 お答えいたします。
 委員御指摘のとおり、悪質な滞納であっても子供には責任はございません。また、今回の修正案で、市町村は児童福祉法第24条第1項に基づき保育所における保育の実施義務を負うことになり、また保育料についても、現行制度と同様に市町村が保護者から徴収する仕組みとなりました。
 ということで、今回、滞納があったからといって直ちに保育所を退所させるような取扱いはなされないと考えます。

○田村智子 これは現行法も同じ規定なんですね。たとえ公立であろうとも民間の認可保育所であろうとも、これは保育料の滞納をもって子供を退所させることはできないし、今丁寧に御説明あったとおり、保育料の徴収も、滞納分についてもこれは市町村が徴収を行うということになります。
 それでは、認可保育所以外、修正法案でいえば24条第2項に定める保育施設ではどうなるかと。これらの保育施設や保育事業は保護者と保育事業者との直接契約になります。言わば民民、民間と民間の契約です。
 そこで、まず法務省にお聞きをいたします。保育契約のように継続的にサービスの提供が行われ、サービスに対して定期的に対価、料金ですね、これを支払うというように双方に義務が生じる契約では、一方に債務不履行があった場合、相当の期間を定めて履行の催告を行い、その期間中にも債務の履行がない場合、これは契約解除が可能となるかどうか、お答えください。

○萩本修 法務大臣官房審議官 債務不履行を理由とする契約の解除につきましては、民法の541条がその原則を定めておりまして、今委員からも御紹介がありましたが、契約の当事者の一方が債務を履行しない場合には、その相手方は相当の期間を定めて履行の催告をした上で、その期間内に債務の履行がないときは契約を解除することができるとされております。この民法の原則は、他の法令に特段の定めがない限り広く契約一般に適用されるものですので、今委員御指摘のような継続的な契約についても適用されることになります。
 ただ、継続的な契約につきましては、その継続性に配慮するという観点から解除が制限されることがありますので、具体的に契約の解除が認められるかどうかは最終的には個別事案ごとの裁判所の判断に委ねられているところでございますが、債務不履行を理由とする解除が認められるということは言えるだろうと考えております。

○田村智子 これ、他の法律で何らかの制約を課さない限りは、民間と民間の契約については解除が可能ということです。
 法務省の方は、答弁、これだけを求めていますので、委員長のお許しがあれば御退席いただいて構いません。

○高橋千秋 委員長 じゃ、審議官は退席してください。

○田村智子 続けます。
 現に、保護者との直接契約である私立の認定こども園については文部科学省と厚生労働省が連名でQアンドAを出していて、この中では、利用料の滞納を理由とした契約解除は可能だと、こういうふうに書いています。私、これ自体も児童福祉という視点を欠くものだと思っています。
 それでは、新法である子ども・子育て支援法案では、保育所以外の特定教育・保育を行う施設あるいは地域保育を行う事業者、これは24条の第2項に定めるものとイコールになると思うんですけれども、ここは保育料滞納を理由に契約の解除ができるとするのかどうか。これは少子化大臣になるんでしょうか、大臣、お答えいただきたいと、これ政府案も一緒ですので。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 それはQアンドAで出しているとおりでございます。

○田村智子 そうなんですね。これは契約解除ができてしまうということなんです。
 それで、これ、ただ、このままでいいと私はとても思っていなくて、例えば、厚生労働省に聞きましたら、子ども・子育て支援法の第33条や第45条には、認可保育所以外での保育契約についても正当な理由がなければ拒んではならないと、応諾義務を課していると、これが保育料滞納を理由とした退所への歯止めになるかもしれないというような説明を私も受けていましたが、条文上は契約解除を禁止するようなものではないわけなんです。
 もう一点お聞きします。
 今私が紹介した応諾義務の中には、正当な理由がなければ拒んではならない、逆に言うと、正当な理由があると保育施設の側が主張すれば保育契約を拒むことができるというふうにもこれ読めるわけです。そうすると、私は、保育料を滞納していると、そのことを理由に、どうもこの保護者は信用できない、だからうちのところでは、受け入れてくれと言われているけれども、保育契約はどうもこれ結ぶわけにはいかないぞと、これを正当な理由というふうにすることができるかどうか。これお答えください。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 新しい制度の下では正当な理由がない限り施設には応諾義務が課されるというのは委員がおっしゃったとおりです。この場合の正当な理由というのは、定員に空きがない場合ですとか、定員以上のオーバーがある場合などを想定をしています。
 具体的な運用の詳細に関しましては、今後、制度の施行までに子ども・子育て会議の意見を聞きながら検討をいたします。ただ、一般論を申し上げれば、御指摘のような過去に保育料を滞納したことがあることをもって直ちに受入れを拒む正当な理由に該当するものではないというふうに考えます。ただ、それぞれのケースごとに事情が異なりますので、一概にお答えするのは難しいということはあります。
 いずれにしましても、滞納に対しましては、先ほども言われたように、児童福祉法に設けられている代行徴収制度の活用などの対応をまずは考えるべきだというふうに考えています。

○田村智子 今、代行徴収のお話がありました。私もそのことも聞きたいと思っていたんです。もちろんこれ、前提としては保育料を納める責任や義務というのが保護者にあると、これは私もそう思います。ただ、保育料の滞納の責任を乳幼児に問うわけには絶対にいかないわけですね。まして、子供が不利益を被るようなことがあってはならないと思うんです。
 一方で、だけど、保育を行う側にとっては、市町村が代理徴収していない保育所にとってはこれは苦しい選択で、滞納額が大きくなれば運営に支障を来しかねないと。市町村保育実施義務の削除というのが最初言われたときに、大変保育関係者は心配をしました。保育料徴収は市町村の責任で行うべきだと、保育する側は最後まで子供の利益を守るという側の仕事に徹するべきなんだと、こういう強い意見が出された。それで、先ほど大臣が説明いただいた、改正児童福祉法の第56条11項、保護者が保育料を滞納し、保育に支障を起こしている、あるいは支障を起こすおそれがある場合、設置者の請求に基づいて市町村が滞納処分できると、こういう条項が入ってきたのかなというふうに私も理解をしています。
 ただ、ここでお聞きしたいんです。それでは、市町村が滞納を徴収すると、徴収するんだからこの子を保育所から退所させてはならないよと、保育所から退所をさせてはならない、それを前提として滞納処分を行うのかどうか、確認したいと思います。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 新しい制度の下では、市町村は保育所での保育の実施義務のほか、認定こども園や小規模な保育により必要な保育を確保する措置を講じなければなりません。保育に関して極めて強い責任を負っているということです。
 保育料の滞納が発生した場合、施設の運営に影響が生じるおそれがあります。また、滞納を理由に直ちに契約が解除されることになれば、子供が必要な保育を受けられないで安定的な制度の運営に支障が生じるおそれもあります。このため、子供が必要な保育を受けることができ、ひいては市町村としての責任を果たせるように、この児童福祉法に基づく代行徴収制度、これを設けることといたしました。

○田村智子 ちょっと確認なんですけど、そうすると、退所をさせないということを前提と考えてよろしいのかどうか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 それは、子供にとっては、そういうことで、子供自身が責任のあることでないと先ほどから委員がおっしゃっているとおり、そういう事情で退所をさせられるということがあってはならないと。ただ、一方で、制度の運営に支障を来してはいけないということで、今回この代行徴収の制度を設けたということでございます。

○田村智子 そうすると、いろいろ聞きますと、その民法で契約解除ができるというものを縛るような法文上の規定というのは、やっぱりこれは作ったとは言えないんですね。今、発議者の方もうなずいておられますけれど、そうなんです。
 そうすると、冒頭で私確認しましたように、市町村の保育実施義務に基づいて行われる認可保育所での保育というのは、退所はやってはならないんですよ。できないんですよ。一方で、その他の保育施設では、子供の利益を守り切るという法律上の保障がないということになってしまうんです。そうすると、修正案の児童福祉法24条の1項と2項、これ並列なのかどうなのかというのを前回議論させていただきましたけれども、これはやっぱり大きな差があるんです、子供にとって。
 これ、前回お答えいただいた田村憲久議員にお聞きをしたいんですけれども、市町村はやはり一項に基づく、つまり認可保育所における保育を希望者については可能な限り保障すると。法文上、これ並列と読めるように書いてしまったというのは、私はこれはどうかなというふうに思っているんですけど、しかし、実際の運営をしていく上では、やはり第一項、これに基づいて、可能な限り市町村の保育実施義務を果たすんだと、これは是非確認したいと思うんですけれども、いかがですか。

○田村憲久 衆議院議員 前回も先生とここは議論をさせていただいたんですが、並列だとかどちらが一義的だとか、法律上どう言っていいのかよく分かりませんが、ただ、基本はやっぱり保育所であることは間違いないわけでありまして、保育所を基本にやはりこの保育というのをしっかり進めてまいると。
 ただ、前回もお答えいたしました。どうしても都市部で土地が手に入らないでありますとか、地方で子供の数が集まらない、それから家庭的保育に関しましては、例えばゼロ歳児のお子さんはそちらの方が合うというような、そういうような家庭もあるのかも分かりません。ただ、やはり3歳以上の部分も含めて連携が大事でございますので、そう考えると、ゼロ、1、2が中心の地域型保育事業というものを、今先生おっしゃられました小規模保育でありますとか家庭的保育事業というものが、これを中心にという話ではなくて、やはり保育所を中心として、待機児童の解消も含めて保育をやっていくという意味ではおっしゃるとおりだというふうに思っております。

○田村智子 これは私、是非確認したかったことなんです。今後の保育行政にとても重要なところだと思います。
 私は、24条に定める市町村保育実施義務、これ残したということではなく、削除させなかったということだけでなく、やっぱり今こそ子供たちを守るためにもっと活用しなければいけないというふうに思っています。
 修正案では、児童福祉法24条6項に、市町村があっせん又は要請、支援をしても、なお保育を受けることが著しく困難であると認めるときは、公立の保育所又は幼保連携型認定こども園に入所させるか、民間の保育所又は幼保連携型こども園に入所を委託して市町村が保育を行うことができると、こういう新しい条項を加えています。例えば、先ほどから私が紹介しているような、保育料の滞納が悪質だと言われてしまって、保護者に信用がないと言われてしまって、これは退所だけでなくて他の保育施設でもなかなか受入れが決まらないという場合が皆無かと言われれば、これはなかなか難しい状況、現に起こり得ると思うんですね。
 そうすると、これは先ほど来言っているとおり、やっぱり子供に責任を負わせるわけにいかないし、悪質なんて言われるケースだとやっぱりその家庭に何らかの問題がある、一層そういう子供の保護ということを考えなければいけない。そうすると、このような場合、やはり先ほど挙げた24条の6項に該当するとして、市町村が子供の保育をつなぐということで一歩踏み出して措置をするということもできると思うんですけれども、発議者の方にお聞きした方がいいんじゃないでしょうか。

○江端貴子 衆議院議員 お答えいたします。
 それぞれのケースごとに個別具体的な事実関係を踏まえた対応が必要ですので一概にお答えするのは難しいかと思いますけれども、一般的にお答えいたしますと、滞納が発生した事由あるいは保護者や子供が置かれている状況、そして市町村による保育料の徴収状況などを踏まえ、御指摘のとおり、この改正後の児童福祉法第24条第6項に規定する保育を受けることが著しく困難である場合として措置の対象となることもあり得ると考えます。
 以上です。

○田村智子君 私これにこだわりますのは、実は、保育料の滞納が要因となって子供が保育所からいなくなる、年度が変わったら名簿から名前がなくなっていたと、こういうケースというのは決してレアケースではないんですね。悪質じゃなくたって、保護者の方が自分で申し訳ないなと思って滞納を苦にして次の年の保育を申し込まないというような事例があるわけです。
 私たちの機関紙である赤旗が子供の貧困を取材したときにも、広島で現にそういう例が私立の保育園でありました。そして、この保育園では保育士さんがすぐにその家庭を訪問して、訪ねてみたら小学校低学年のお姉さんと5歳の女の子が二人だけで日中過ごしていたと。台所を見てみたら空の弁当箱がいっぱいあったと。これは保育士さんが発見をして園長先生がすぐに福祉事務所にも連絡を取ってその保育所での保育を継続するという措置をすぐにとることができたんですけれども、これ氷山の一角ではないかと思っています。
 政府案で提案した中にも、24条第5項に、これは虐待などを想定したものだと思うんですけれども、児童相談所や福祉事務所からの通知や報告を受けた児童、その他優先的に保育を行う必要がある子供について、保護者に勧奨や支援をしてもなお保育が行われない場合には市町村の保育義務があるんだというふうに定めています。
 これ、児童相談所とか福祉事務所というのは、そうはいってもなかなかに手いっぱいで、こういうケースをつかむということが困難だと思います。そうすると、今取り上げたような例、保育士さんが、保育園に子供今年いないじゃないかと、あるいは途中で退所しちゃったじゃないかということで訪問をする、で、発見をする、保育士さんがすぐに市町村と連携を取って市町村に保育の実施義務を果たさせると、こういうようなこともこれ24条5項を根拠にして行えることができるんじゃないかと思いますけれども、虐待とまでは至らなくても。いかがでしょうか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 それは5項による措置ということで対応ができると考えます。
 先ほどからおっしゃっている滞納があってという場合も、これはこの24条の6項による措置が可能だというふうに考えます。

○田村智子 今、幼児の事故というのが本当に、報道で聞いていても、何でこんな事故がと思うことがあるわけですね。一人でお留守番をしていて、お母さん探していてベランダから落っこっちゃったとかね。
 やっぱりこういうことに対して市町村が、そういう子供、保育の申込みがあった子供だけじゃなくて、まさに保育を必要としている、客観的に、そういう子供たちに踏み込んで、自ら保育の実施義務を果たすんだという役割が今こそ求められていると思います。そう思って、今日こだわってこの問題を取り上げてお聞きをいたしました。

待機児童対策は認可保育所の増設を基本とするか

○田村智子 次に、待機児童の対策で、先ほど発議者の田村議員からもあったんですけど、もう一度確認をしたいと思うんですね。
 やはり、児童福祉法24条の書きぶりで、私はやっぱりそれは、認可保育所の保育とその他の保育の確保措置というのが法律上並列に書かれてしまったというのは、これはもう事実なんですよ。それから、もう一つ私が心配しているのは、社会保障制度改革推進法案の中で、待機児童問題の解消は即効性のある施策等の推進、これで対応するという、これ書き込まれてしまっているんです。そうすると、これは一体どういう施策が進むことになるんだろうかと、こういう危惧が生じてしまうんですね。
 先ほども田村議員から御答弁いただきましたけれども、やはり修正案の趣旨というのは、待機児童対策も、小規模保育や家庭的保育も活用するけれど、やはり認可保育所などの増設が基本であると、これは確認できると思いますが、いかがでしょうか、認可保育所の増設。

○田村憲久 衆議院議員 認可保育所の増設、保育所がやはり基本であるというのは先ほど申し上げたとおりでありまして、多様なニーズがあるし、いろんな制約もある中で、他に、今委員並列とおっしゃられましたけれども、地域型の保育事業というものも位置付けてあるわけであります。
 ただ、一方で、それだけでは待機児童というのはなかなか解消できない。つまり、もう委員も御承知のとおり、潜在的なニーズをどう顕在化するか。これが出てこないことには、そもそも保育所、認可保育所も含めてですね、これもなかなかつくられていかないわけでありますから、いかにして今隠れている潜在的なニーズを顕在化するようなそんな仕組みをつくっていくか、これが最も重要だと私は考えております。

○田村智子 認可保育所の増設がというのはちょっとよく分からなかったんですが、増設はやっぱり必要だということでよろしいわけですよね。
 同じ質問を厚生労働省というか少子化大臣にもしたいと思うんですね。やはり認可保育所を基本とし、待機児童対策を行うということでよろしいですか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 地域の保育需要に対しましては、委員がおっしゃるように、保育所等の一定以上の規模を持つ施設による対応が基本だと厚生労働省としても考えています。現在も保育需要の多くの部分に保育所などで対応している以上、今後整備されるものも保育所等が多くなるとは想定をしています。
 ただ、修正案提出者からもお話があったように、土地の確保が難しい大都市ですとかそれから子供の数が少ない過疎地などでは保育所などだけでは地域の需要にこたえられない地域もあるので、実情に応じて家庭的保育などを含む多様な、質は必ず確保いたしますので、質の確保された方法を組み合わせていくことが必要だと考えています。

○田村智子 それを認可保育所を基本ということで、私、一点確認をしたいんですけれども、今、小規模な認可保育所もこれ建設できるようになっている、認可できるようになっていると。ところが、なかなか、自治体に行きますと、誤解もあるんですよ。60人以上でなければ認可保育所にできないとか、あるいは5歳児クラスまで全部そろっていないとこれ認可じゃないんだみたいな誤解があるんですね。これ、今そうじゃないと思うんです。20人以上で認可は可能であるというふうに思いますが、確認をしたいと思います。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 それはしっかりと周知をしたいと思います。
 今、20人以上とおっしゃいましたけど、20人以下、20人以下の小規模保育、それから5人以下を家庭的保育といっていますけれども、そうした仕組みも可能であるということは全国にしっかりと周知をしたいと思います。

○田村智子 今の、認可の基準として、認可保育所として小規模な認可保育所も認めるということでよろしいですよね。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 失礼しました。
 先ほど申し上げたのは、今回、財政支援の対象とするということで、今は認可は20人以上ということでございます。訂正をいたします。

○田村智子 私は、認可保育所をやっぱり抜本的に増やすという努力なしに待機児童の問題は解決できないということをいま一度強調したいと思うんです。
 保護者が認可保育所の増設を求めてネットワークを立ち上げた足立区なんですけれども、足立区の方に聞いてみましたら、平成の時代に入ってからで見ると、実は平成18年まで認可保育所の増設ゼロという年がずっと続くわけです、18年間。で、2007年、平成19年にやっと3か所増設と。これ、私たちも与党になった革新区政が誕生して、やっと3か所できるわけなんですね。ところが、翌年、また新設はゼロと。で、2009年にやっと1か所。翌年からまた2年続けてゼロになってしまう。その一方で、ビルの一室などの認証保育所はどんどん増やしたわけなんです。認可保育所の増設はしないと、認証はつくるが認可はつくらないと区が明言をして政策を取り続けた、これが足立区などでも爆発的に待機児童を増やしてしまった大きな要因なんです。
 東京都の中あるいは大都市部見てみますと、やはり小泉政権下で公立保育所への建設費や運営費の直接補助制度を廃止したと、このこととも相まって、少なくない自治体が認可保育所増設に歯止めを掛けたという時期がやっぱりあるわけですね。現在、こうした自治体も保護者の強い要望でやっと認可保育所増設に政策転換をしてきましたけれども、これ、同じ過ちを繰り返すわけにはいかないんですね。自治体にこういう態度を取らせてはいけないと思っています。
 大体、先ほどから保育のニーズをつかむというふうに言っていますけれども、そもそも現在カウントされている待機児童というのは、元々は認可保育所への入所を申し込んで、だけども入れなかった、申し込んだ方の人数が反映しているわけです、認可保育所を。東京都練馬区で見てみますと、今年の4月、待機児童だとして公表された数字は523人ですけれども、実際に認可保育所に申し込んで、だけど入れなかったという子供は1041人と。公表された数字の2倍なわけですね。
 これは、市町村、より正確に保育ニーズつかむ、整備計画立てると、これが市町村の責務を強めることになるんだということ、大臣も答弁をされてきていましたので、であるならば、確かに土地の問題とかあります、だけれども、やっぱり市町村が努力すべきは、認可保育所への入所を希望するという声にこたえたような、それを反映したような整備計画、これを作るべきだと思いますが、いかがでしょうか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 本当に潜在的なニーズも含めて、ニーズがどれだけあるかということを正確につかむことが基本だと思っています。
 今回の制度でも、とにかく申込みしたい人の数はしっかりと受け入れると。これまでは、申込みをした人をきちんと施設に入れられるかどうか、そちらの施設がいっぱいかどうかとか財政事情とかで市町村の裁量だった部分があるので正確につかめませんでした。今回はそこを切り離す形を取り、しっかりとニーズを把握をするということ、それに基づいて計画を作って、そこに財政支援をして、多様な形式の施設を組み合わせて、必ずそこに入れるようにするという仕組みを取りましたので、そういう意味では、ニーズを把握をして必要な対応が取れるような仕組みにしていきたいと考えています。

○田村智子 聞いたことに真っすぐに答えていただいていないんですね。
 潜在的なニーズつかむのはそうなんですけれど、今顕在しているニーズが認可保育所に入りたいという申込みの数なんですよ。これは潜在じゃないんです。既に見えているニーズなんです。となれば、市町村はその見えているニーズにできるだけこたえると、そういう努力をした市町村保育の整備の計画を立てるべきじゃないかと思うんですけど、いかがですか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 それは当然のことです。その見えているもの以外に、今まで見えないようにしてきた部分にも今回は対応したいということを申し上げました。

○田村智子 ここは是非市町村にもちゃんと徹底をしていただきたいんですね。やっぱり即効性も求められる、そのとおりなんです。いろんな小規模保育で待機児童をすぐに受け入れられるようにすると。だけど、そちらに力を入れたがばっかりに認可保育所が後回しなことになると、これは待機児童の解消というのは絶対できないと思うんですね。やはり、認可保育所に入りたいという保護者の要求は既に顕在化している、それに対して市町村はこたえる努力をすべきだということが今日審議の中では確認をできたと思います。

新システムで保育の申し込み・保育料はどうなるか

○田村智子 次に、この法案によって、保育所への入所の申込み、入所決定、これ具体的にどう進んでいくのか、大変保育の現場からも保護者からも不安の声、どうなるのという声、寄せられているんですね。
 児童福祉法24条3項、これは附則の第73条によって読み替えられて、当分の間、全ての市町村で保育所等の利用の調整を行うということが義務付けをされました。保護者は市町村に保育の希望を提出をして、それを基にしてどの保育施設を利用してもらうのかを市町村が調整するという仕組みだろうと私は理解をしています。
 ただ、現行の24条には保護者からの保育の申込みという規定があるんです。それから、申込書の提出という規定もあります。市町村による公正な方法での選考も定めています。ところが、改正案の方では、こうした保育を申し込むとか、公正な選考とかという規定がないんですね、保育にかかわって。
 一方で、子ども・子育て支援法の第20条を見ると、保育の必要量の認定を受けるための申請、これは保護者が行うとなっているんですよ。保育所に申し込むんじゃなくて、私の子供の保育の必要量を認定してくださいという、こういう申請は行うとなっている。これが保育の申込みとどういう関係にあるのか。現在は省令で保護者は希望する保育施設やサービスを明記して申し込むということになっています、省令に基づいて。
 この保育を申し込むという行為がどこでどう行われるのか、発議者にお聞きをいたします。

○田村憲久 衆議院議員 今先生おっしゃられましたとおり、要は、保育の必要量というものを測るという行為とそれから保育自体を申し込むという行為は、これは法律の基となっておるところが違うわけでありますから、一つの法律でそれが進んでいくというわけではありません。
 ただ、これはやっぱり窓口で一体的に運営されるのが一番利便性が高いわけでありますから、そういう意味では、もちろん保育の必要量を申し込む、これを認定をするという行為とそれから保育を申し込むという行為が一体的に行われるように行政の方で対応していただくよう、政府の方でこの基本指針等々で定めていただけることを期待をいたしております。

○田村智子 私も、一体的に行われなければこれは保護者にとっても市町村にとっても大変な負担が大きくなりますので、是非一体的に運用するということを求めたいと思います。
 同時に、現行法では24条第2項に申込書の提出ということが規定されて、この規定があるから省令でどういう申込みの記載を行うのかということも定めているわけですね。また、24条の第3項ではこの公正な方法での選考というのを規定しているので、選考の基準を公表している自治体がほとんどだと思います。
 では、新しい仕組みではそれがどうなるのか。これ、認可保育所への入所決定というのが今の市町村のやり方ですけれども、今度は違うんですよね。認可保育所の、あなたはここに入所決定しましたという通知ではなくて、あなたはここの保育所を利用していただくように調整を行いましたというのが、認可保育所だったり保育ママさんだったりその他無認可の保育所だったりというのが恐らくその人の手元に届くような、そういう仕組みになるのかなと。調整というのは、認可保育所を決めるというだけじゃなくて、あなたは保育ママさんとか、そういうところまで調整するということだと思うんですけれども、違うのかな。

○田村憲久 衆議院議員 無認可の保育所ということにはならないんだと思います。認可の保育所でありますとか地域型の保育施設等々に対して今言われるような調整を掛けるという話になると……

○田村智子 地域型も含まれるわけですね、地域型保育も含めた調整ですね。

○田村憲久 衆議院議員 はい、そうでございます。

○田村智子 私の言い方が悪かったです。認可保育所以外の地域型保育についても調整を行って、あなたはここの入所をしてはいかがでしょうかというような指定を恐らく市町村の方がされるということになると思うんですね。
 そうすると、私は何で認可ではなくてこっちなのという、やっぱりそういうことが起こってくると思うんですよ。だから、選考の基準というのがちゃんと保護者にも透明性を持って示されることが必要だというふうに思いますし、それは基準を行政手続法の観点からもやっぱり具体的に定めて公表すべきだと思うんですけど、いかがでしょうか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 それはおっしゃるとおりです。市町村による利用調整については、保護者が市町村に対して保育の必要性の認定を申請する際などに合わせて入所希望を聴取するということが考えられます。
 具体的な保育の必要性の認定、利用調整の手続や方法については、今後、実務的な観点も併せて検討して定めていくということになりますが、認定や利用調整を行うに当たりましては、当然のことながら、保育の必要度などに基づいて公正な方法によって行われる必要があります。また、透明性の観点から、その基準についてもオープンなものにすることが必要だというふうに考えています。

○田村智子 是非、公正な基準が示されて、しかも保護者が分かるというものを示していただきたいと思います。
 やっぱり保護者の希望に可能な限りこたえる調整になるためには、やはり今の保育所の申込みの状況を見てみれば、認可保育所の増設がどこまで進んでいるかということが問われるし、お話あったそれ以外の地域型の保育についても、質の向上がどこまで進んでいるか、あるいはその地域型の保育の利用料はどうなっているかと、こういうことが非常に重要になってくると思うんですね、認可保育所に入りたいというその要求の中には、保育料がその他の保育所と大きく違っているという現実があるので。
 そこで、お聞きをしたいんですけれども、この利用料、中でも切実です。認可保育所と同じように、地域型の保育所もその他の保育施設やら保育サービスも所得に応じた負担ということが規定をされるのか、また、その所得に応じたというその基準は認可保育所の基準と同程度のものになるのかどうか、お答えください。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 新たな制度での利用者負担の額につきましては、現在の保育制度と同様に、応能負担の考え方に基づいて、現在の利用者負担の水準を基本に、所得階層ごと、認定時間、利用時間ですね、その長短の区分ごとに負担を設定することにしています。
 利用者負担額の設定方法についての基本的な考え方は、施設型給付と地域型保育給付で同様で、原則として同様の水準にすることを基礎として検討いたします。
 国が定める利用者負担に関する具体的な水準については、現在の利用者負担の水準を基本にして子ども・子育て会議の御意見も伺いながら今後検討することにしています。これを基にした利用者負担の水準について各市町村で検討されるという、そういう手順になっていくというふうに考えます。

○田村智子 是非、国の基準そのものが本当に保育料が高いという基準になっているので、その見直しも求めたいというふうに思いますが。
 また、調整については、例えば調整を受けたけれども不服だという場合に一体どうなるんだと、再調整が行われるのかなど、多々不安な点というのは残っているんですけれども、恐らく、聞いても、今後の検討ということになると思いますので、今日は、次に保育の必要量の認定のその中身についてお聞きをしたいと思います。

保育時間認定で危惧される「ばらばら保育」

○田村智子 子ども・子育て支援法が定めるこの新しい仕組みについては、保育現場から大変危惧の声が出されているんですね。だけど、修正案でも政府案の骨組みがそのまま残りました。
 これまでの答弁をお聞きしていますと、保育の必要量は2段階、短時間と1日というふうに認定されるだろうということが示されています。その認定の基準とか、短時間が何時間になるのか、1日という保育が一体何時間になるのか、これは子ども・子育て会議の議論で詰めるんだという答弁なんですが、ここは大変重要な問題なんです。ですから、もうちょっとその方向性を具体的に示してもらわなければならないと思っています。
 例えばです。現在、保育は8時間を基本だとしていますけれども、保育所の開設時間は11時間が基本です。この11時間を超えたときに延長保育という扱いになって、その費用は市町村の延長保育事業とか保護者の延長保育料と、こういうことによって負担をされています。
 ということは、1日という認定時間が例えば8時間ということになってしまうと、恒常的に延長保育料の負担が新たに生じてしまうということになっちゃうんですね。更に延長の時間が長くなっちゃう。11時間以上でなければ市町村や保護者に新たな負担が生じてしまうということになると思います。8時間の勤務の方が保育時間も8時間ということはまずあり得ないわけですから、これは当然、1日という保育は11時間以上、これが基準になると思いますが、いかがでしょうか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 新しい制度の下での保育を必要とする子供の保育の必要量については、月単位で長時間と短時間の2区分設けることにしています。
 今言われたように、制度の詳細については子ども・子育て会議での議論も受けて具体的に検討していきますが、長時間利用については、主に今言われたフルタイムでの就労を想定していますので、現在の11時間の開所時間に対応するものを考えています。

○田村智子 それは是非約束していただきたいと思います。
 その短時間の場合についてもお聞きをいたします。
 これはまだ4時間とか6時間とかいろんなことが言われているんですけれども、今言われたとおり、保育の必要量の設定は1か月ごと、月を単位として行うと。そうすると、例えば短時間になったと、仮に短時間は1日4時間というふうにすると、月25日の開設日、月100時間という認定になると。仮に4時間にしています、今。これを毎日4時間の保育で利用してもいいし、週3日、1日8時間というふうに利用してもよい、あるいは保護者が仕事が午後からという場合には午後からの4時間でもいいと、そういうことになるんでしょうか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 一言で言えばそういうことです。
 もう少し詳しく説明しますと、新しい制度の下での保育を必要とする子供に対する保育量、これは、先ほど申し上げたように、月単位で長時間、短時間の2区分設けます。短時間の認定区分については、主としてパートタイム就労を想定していますが、例えば1日4時間、週5日就労する人もいれば、1日5時間で4日就労する人もいるなど、就労の状況というのは個々によって異なると考えられますので、月を単位として認定された必要量、これについては個々の状況に応じて柔軟に使える仕組みにしていきたいと考えています。

○田村智子 ここにばらばら保育になるんじゃないかという危惧がどうしても生じてしまうわけです。
 確かに、就労時間、勤務形態、病気の家族がいるとか、家族の介護が必要だとか、保護者の状況から保育の必要量というのがどうしても測られることになるんですね。しかし、それは子供にとってどういう保育が必要かということと必ずしもイコールではないと私は思うんです。
 例えば、ほとんどの保育所では、朝の集まりってまずやっています。一人一人のお名前を呼んで、小さい子供でもはいと返事をして、そのことでみんなが、子供も一緒になってみんなで子供の出欠を確認をするわけですね。それが終わると、例えば保育士さんが読み聞かせの時間を持ったり、一緒に手遊びで遊んだりして、こういうコミュニケーションの中で保育士さんたちは子供一人一人の状況を恐らく確認しているんだと思います。今日はどうも調子が悪いなとか、今日は何か元気がないなとか、そういうことを含めて保育士さんというのは確認をしているんだと思います。こういう朝の集まりが終わると、大体、午前中はお散歩とか、こういう時期だったら水遊びとか、みんなでやるわけですね。それで、お昼御飯をみんなで食べて、お昼寝をして、それからおやつ食べて、また午後の保育、こういう1日の大きな流れの中で保育というのは行われています。
 この朝から夕方までの生活のリズムというのは、私は、子供の安定した生活のリズムになっていくし、保育所での子供の安心感を培うこれ土台になるものだというふうに思うんですね。こうした子供にとっての保育の必要性、もっと考慮されるべきだと思うんですけれども、いかがでしょうか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 それはもちろん子供にとってどういう形が一番いいかということが第一だと思います。ただ、保護者の方の御都合で、1日4時間でその後は子供と過ごしたいと、そうなったときに、子供にとって何が良いかというのはなかなか難しいところだと思うんですね。
 今の1日の日課というかスケジュール、それからまた行事があるという場合もあると思いますけれども、その施設の個々の運営については、既に在園時間が異なる子供を受け入れている認定こども園などの実践例も参考にしながら、子供たちにとって一番良い形というのはどうなるのか、それをそれぞれ工夫をしていただきたいと思いますし、何かその目安になるようなこと、参考になるようなことは国としてもお示しをしていきたいというふうに考えています。

○田村智子 これは今も、お母さんが早めにお迎えに来て、それで家でゆっくり過ごすというのは、朝から預けてパートの方が早めにお迎えに来てと、これは個々でやられていることなんですね。短時間で、例えば4時間なり6時間というふうになったら、自分の仕事の時間と合わせると朝の集まりからは参加できないというお母さんが、子供が出てきちゃうということだと。私はそれが、保育のこの一体感とか生活のリズムとか、そういうこととの関係でどうなんだろうかという疑問を持って、何か田村議員が話したそうにしているんですけれども、どうでしょう、保育の、もっと子供にとっての保育がどういうものが必要かということを十分考慮すべきだというふうに思うんですけれども、いかがですか。

○田村憲久 衆議院議員 大臣がかなり踏み込んで御答弁されたんですけれども、余りばらばらな保育というのは事実上無理だと思います。対応する保育園側もそんな細切れで預かれないというふうに私は思いますので、正直申し上げて、ある程度のコアタイムは子供たちを預かるという形になると思いますし、朝という話なのか昼という話なのか分かりませんけれども、一定のやはり教育というものを共に学ばなければいけないという部分がございますから、そこは共通部分が入ってくるんだと思います。
 ただ、じゃ夜、先生おっしゃるみたいに夜預かるかどうかというのは、そういうような保育所の対応ができるかどうかという問題もございますので、全ての保育所が全てのニーズにこたえられるというような、そういう状況にはなかなかならないんであろうな。そのニーズに対してこたえられる保育所はあるかも分かりませんけれども、それは各自治体が調整をするという話になってくるんだというふうに思います。

○田村智子 これ、例えば3歳以上になるともっと複雑になってきちゃうんですね。例えば3歳以上の子供の場合は教育と保育なんですよ。短時間でお母さんが午後からの仕事だった場合、だけど、ほとんどの教育・保育施設は恐らく午前中が教育という時間になると思うんですよ。そうすると、これ、どういうふうにこの方は預けることになるのという問題も生じてくるんですけれども、この辺、何かお考えになっていますか。朝からやっぱり教育、保育だから朝から預けると、それで午後も見るというふうになるんですか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 先ほども申し上げたように、既に幼保連携型の認定こども園、これが先駆的な取組だということで、今回それを拡充しようというふうに言っているわけですけれども、そういうところでは、やはり幼稚園型の子供たちがいるところをコアなみんながいる時間ということで、既に時間のずれのある子供の保育、教育をしていますので、そうしたところで、幼保連携型を含めて認定こども園に預けている保護者の方も施設の側もこういう形がいいとおっしゃっているということは、そこで柔軟な対応ができているということだと思いますので、そうした実践例なども参考にしながら、より子供たちにとって良い形を考えていきたいというふうに思います。

○田村智子 短時間保育をつくるということで、行事の問題というのは確かに議論になりました。クリスマス会とかに出られないということのないようにするのは当然だという答弁もあって、そのとおりだと私も思いました。
 ただ問題は、それでは、短時間保育でやっている方がその時間を超えて行事に参加をした場合、その分の費用負担は一体どこが負うことになるのかということになるんですけれども、いかがですか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 先ほど申し上げたように、月単位で長時間と短時間という分け方をしていますので、1回あるいは2回行事に数時間参加したからといってその認定が崩れるという話ではないと思いますので、追加の費用負担ということは生じないというふうに考えます。

○田村智子 行事のあるときだけその時間をどこかから持ってくるって、まあそう美しくいく場合があればいいんですけれども、そうならなかった場合ってこれ出てくると思いますよ。例えばクリスマス会だって、その練習とかやっていますからね。練習に参加させてくださいと言われたら、やっぱりそれをやっていけば行事のときだけなんというふうにならなくなるんですよ、現場ではね。だから、短時間の保育の方がそれを超えた場合はどこの負担になるのか、これ起こり得ることですからちゃんとお答えいただきたいと思います、費用の負担はどこがするのか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 今は、その認定された短時間の保育の量ということがある程度のキャパシティーを持っていますので、そこをはるかに超えるということはないというふうに思っていますけれども、御指摘でもございますので、そういうケースどうするかということも子ども・子育て会議などで、子ども・子育て会議には本当に多様な関係者に入っていただくようにいたしますので、そうした中で現実的な対応が検討できればと思います。

○田村智子 では、もう一点お聞きしたいんですけれども、短時間のお子さんと長時間のお子さんの場合、やはり給付される額というのは違ってくると思うんですよ。施設が受け取る額も違ってくると思います。じゃ、仮に短時間の方が結構多くなっちゃったという保育所が出た場合、これ保育所にとっては運営にかかわる問題なんですね。その場合も、やはり今よりも運営が厳しくなるようなことは生じさせないということはお約束いただけるんでしょうか。

○小宮山洋子 厚生労働大臣 主にフルタイムの利用を想定した長時間利用に対しまして、主にパートタイムの就労を想定した短時間利用の具体的な認定時間の区分ですとか単価の設定については、保育所などの運営の実態に配慮をして、子ども・子育て会議の意見を聞いた上で、新たな制度の本格施行に向けた予算編成過程の中で具体的に検討をすることにしています。
 単価設定に当たりましては、固定費の存在ですとか、直接保育を行っている時間以外で職員が勤務している時間があることなども考慮をして、施設が安定的、継続的に運営していくことが可能となるように検討をしていきたいというふうに考えています。

○田村智子 これは、大切な点が結構後からの検討というふうになってしまうんですね。
 私、保育の必要量はこれだけだと親の就労の条件から測ってしまって短時間と長時間というふうに分けると、これはやっぱり保育現場には様々な問題が生じてしまうと思うんです。今だって、8時間の保育の中で早く迎えに行かれる条件のお母さんは迎えに行っているんです。これは基本は、8時間を、1日の保育をやっぱり全ての子供に、保育が必要な子供については保障すべきだというように思うんですね。
 特に、コアの時間ということも今議論になりましたけれども、私は、自分自身も子供を預けてみて、朝からの保育というのは本当に大切だと思うんです。朝にどう子供たちが集中するか、朝にみんなそろう時間があるか、これ、子供たちの安心感をつくっていくやっぱり土台になっているというように思うんですね。これは保育現場での事故を減らしていくということの上でも大切なことだと思うんです。だから、その点は、やっぱり1日の保育量8時間、今のような規定を崩すようなやり方というのはいかがなものかという意見は改めて指摘をしたいと思います。
 時間になってしまいましたので、施設整備費のことについてお聞きをしたかったんですけれども、後に譲りたいと思います、次の機会に譲りたいと思います。
 この子ども・子育て新システムの法案は、私も自民党の議員の皆さんとも何度か保育関係者の皆さんの集会にも参加をして、廃案を目指すというお言葉もいろんな方からお聞きをいたしました。残念ながら、廃案ではなくて修正という形で出されてしまった。もちろん、保育の実施義務というのを削除させなかったということとかはありますけれども、私は、一旦保育の関係者や国民の皆さんにもう一度問題を提起して、これからの保育の仕組みどうあるべきかということをちゃんと議論すべきだったというように思うんですね。
 今は、今日この委員会見ても分かるとおり、消費税議論したり保育議論したりしているわけですよ。消費税増税やるためには……

○高橋千秋 委員長 おまとめください。

○田村智子 保育が良くなるということを示さなきゃいけないというような口実に使われているような取扱いになっているんじゃないかと。こういうやり方では子供たちの保育の充実というのはできないんじゃないかと。
 徹底審議、拙速な採決は行うべきではないということを主張して、質問を終わります。