日本共産党 田村智子
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【12.02.15】共生社会・地域活性化に関する調査会

○直嶋正行 会長 共生社会・地域活性化に関する調査を議題といたします。
 「地域活力の向上と共生社会の実現」のうち、「活力ある共生・共助の地域社会・まちづくり―被災地の復興に向けて―」について調査を行うに当たって、本日は「地域を担うひとづくりの視点」について参考人から意見を聴取いたします。
 御出席いただいております参考人は、飯田市長牧野光朗君、株式会社マイスター60取締役会長平野茂夫君及び特定非営利活動法人NPOカタリバ代表理事今村久美君の三名でございます。(以下、中略)

註――参考人の方々の意見陳述は国会図書館の国会会議録検索からお読みください。


○田村智子君 日本共産党の田村智子です。どうもありがとうございました。
 まず、牧野参考人にお聞きします。
 私も長野県人なんですが、飯田のりんご並木は存じ上げませんで、大変不勉強で申し訳なかったなと思うんですけれども、このりんご並木の歴史が本当に今も市民の皆さんの中に語り継がれているというのは、やっぱり子供さんも含めてまちづくりにかかわってきたと、これが歴史的に地域の誇りになっているんだなということを感じながらお聞きをしたんですけれども、これをやっぱりこれからのまちづくりにもこういう視点を生かしていくという取組をされているかと思うんですが、一方でこのまちづくりカンパニー、大変ユニークな取組だなと思ったんですが、これは株式会社という形式で民間の企業と。
 そうすると、こういう民間企業にも大いに頑張ってもらうんだけれども、そういうまちづくりの計画や実施の中に市民参加、子供さんも含めてというようなのはどのような工夫や、何というか、取組があるのか、お聞かせください。

○参考人(牧野光朗君) ありがとうございます。
 りんご並木のまちづくりの考え方というのは私どもの地域にとって非常に重要でありまして、町の真ん中にりんご並木があるということによりまして一つの、まちづくりに一本の軸が通っている、そういったように考えていただければいいと思うんですね。そういった、それが例えば環境の取組にも、あるいは教育の取組にも、あるいは中心市街地の活性化にも、全部つながってきているわけですね。まさに、まちづくりの精神というものを共有できているというところが非常に重要だというふうに私は思います。
 今お話がありましたように、そこに民間の株式会社、これがまちづくりとして参加しているということでありますが、これはもちろん全体のコーディネート、再開発のコーディネートという形で参加しているところでございまして、実は市民の皆さん方、NPOやあるいは各種団体、あるいは一般の市民の皆さん方、いろんな形でこのまちづくりに参加をしてきております。
 そうした中で、その土壌になっておりますのは、私どもはよく公民館活動と申しておりますけれども、公民館ということで、地域の活動の場というものを非常に大切にしてやってきております。行政も若手の職員をその公民館の主事として地域に送り出しておりまして、例えばそうしたところで五年、六年といった長い期間地域づくりに特化してかかわるようにという形でやってきておりますので、まさにその中で地域を自分たちでつくっていくという考え方を学んでくると、そういう形でやっていまして、先ほどプレゼンにも出させていただきましたが、多様な主体による協働という考え方がその中から醸成されているというふうにお考えいただければと思います。

○田村智子君 ありがとうございました。
 次に、平野参考人になんですけれども、先ほど変わり者だからというお話があったんですけれども、しかし、皆さんの取組、このマイスター60の取組というのは、やっぱり一般的な企業の中でも大いに学び生かすべき点があるんじゃないだろうかというふうに思っているんです。特異な事例で終わらせてしまったらもったいない。特に、今いろんな職場を見ていますと、会社の中だけでなく、同じ職場と言われるフロアの中でも、言われていた老、壮、青の共生というのが危うくなっているような、そういう事態も見受けられると思うんですね。あるいは、お一人の方の人生に即して仕事をどんどん提供していくという視点もちょっと弱くなっているんじゃないだろうかと、こういう点はもっと一般的な民間の企業の中でも生かすべきではないかというふうにお考えになっていることありましたらお聞かせください。

○参考人(平野茂夫君) お答えいたします。
 先生の御指摘のように、そういうふうな企業が働きたいという方をずっと働けるようなということをつくるには、先ほど申し上げたような仕事の能力と賃金というふうなことなんかが特にやっぱり経済、企業経営の中での大きなテーマですから、そういうものを延長で、定年、六十から、若いときからずっと来る中で、じゃ、六十五で賃金がいかなる賃金であるかというふうなことをがらっと変えていくというみたいなことがその関係者の中で合意がするならば、これはやれるんですよね。しかしながら、当社の中にお越しいただく方の中では、一流会社に勤めておったけれども、再雇用で是非あなたいらっしゃいと言われておるんだけれども、俺はやっぱりもうこの際辞めて新規まき直しで気分転換したいということもあるんですね。あの若い人に俺使われるわけにいかないなという、そういうふうな人間関係のこれは自然な気持ちで、言葉を飾らない人間の自然な気持ちの中のやり取りの整理のために、俺はマイスター60に入って、派遣で行けば契約社員だから、請負で会社が違うんだからということで襟を改めて正してお仕えするという、こういうふうなことも、皆さんの働くというふうな心情からすればそういう仕組みもまた必要なんです。
 ですから、子会社じゃなくて、私どものようなこういう会社が、技術系だけじゃなくて、例えば金融それから流通、全てのそういうふうなメーカーとかいろいろ、あるいは市長さんのような飯田市とか、様々な部門でそういう会社が起きたらいいのかなと、そういう仕組みをつくれば、仕組みを通じて自分自身の人生というものを割り切って、僕は働きたいんだという仕組みづくりが句読点を打つ上で大事なのかと思います。

○田村智子君 最後に、今村参考人にお願いします。
 お話聞いていて、自己肯定感が少なくて、そういう子供たちに自己肯定感持ってもらって、社会を構築する力を誰もが持っている、あなたも持っている、それを育てる活動をしてくださっているんだなということがよく分かりました。本来は、それは中学や高校の教育システムの中で、あなたの能力はここにあってこれをもっと伸ばしていくんだよという教育システムに本来はなっていかなきゃいけないことだと思うんですけれども、そういう皆さんの取組をもっと学校教育のこういうところに取り入れてほしい、ここは学校教育の問題点があるんじゃないかと、こうお感じになっていることがありましたらお聞かせください。