日本共産党 田村智子
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【11.06.17】自治体判断の基金必要 / 参院復興委参考人質疑

 参院東日本大震災復興特別委員会は16日に参考人質疑を行い、日本共産党の大門実紀史、田村智子両議員が質問に立ちました。午前の質疑で福島県相馬市の立谷秀清市長は、災害公営住宅の安価な払い下げや加工工場の誘致策を要望。日本政策投資銀行地域振興グループの藻谷浩介参事役は、「特区」や新しい補助金を提案。法政大大学院の小峰隆夫教授は復興財源として経費の見直しや増税について言及しました。

 大門氏は、「自治体が自分の判断で使える基金や一括交付金は必要だ。そうしないと復興のスピードが間に合わない」と指摘し、参考人に意見を求めました。

 藻谷氏は「一括交付金は個人として賛成。特区ではなくてもできる」と答弁。立谷氏は「ある程度、(目的を)限定して一括交付という形でいただいた方が整理がしやすい」と答えました。

 また、大門氏が福島県の復興ビジョン検討委員会で脱原発が打ち出されたことをたずねたのに対し、立谷氏は「(原発は)ありがたくないことは確か」と述べました。

 午後の質疑では、東日本大震災支援全国ネットワークの栗田暢之代表世話人が、登録していない人を含めるとこれまで40万人規模がボランティアとして参加したと述べ、「やることはいまだ山積している。被災6カ月を経たらボランティアが減らないかと懸念している」と発言。NPO法人「難民を助ける会」の長有紀枝理事長は、「被災者は家を失っただけではなく収入が途絶えている。(政府は)抜本的に考え方を転換すべきだ」と強調しました。

 質問に立った田村氏は、「復興は、被災者が失った暮らしや生業を取り戻す、そのために行政は何ができるのかという考えを土台にすえるべきだ」と主張。外部からの資本投入や復興特区導入など、復興構想会議が示す青写真には違和感があるとたずねました。

 京都大学の藤井聡教授は、「これを機会に外資を呼び込むだの、部品を良いものに変えるなど、復興構想会議の議論は社会機械論だと感じざるをえない」「TPP(環太平洋連携協定)参加は、病人(=被災者)にカンフル剤をうってマラソンに出させるようなものだ」と批判しました。

 また、田村氏が、復興財源に消費税増税をあてる問題について質問したのに対し、藤井教授は、「震災デフレを何とか食い止めなければいけないときに、増税などしたら日本はめちゃくちゃになる。増税はぜひやめてほしい」と答えました。

(2011年6月17日(金)「しんぶん赤旗」より)