【11.06.16】障害者虐待防止法など可決
体制整備が課題
参院厚生労働委員会で16日、「障害者虐待防止法案」と、一般社団法人の都道府県医師会に人工妊娠中絶ができる医師の指定を行わせる「母体保護法改正案」が、全会一致で可決されました。
採決に先立つ質疑で日本共産党の田村智子議員は、障害者虐待防止法案について、虐待防止施策をすすめる根拠法が必要だとした上で、障害者制度改革推進会議などで議論されていた経緯から、当事者から意見聴取を行った上で採決するのが望ましかったと指摘しました。
田村氏は、実効性をもつためには体制整備が課題だとして、一昨年から予算化された、自治体の相談体制整備や一時保護のための居室確保などに対する支援事業の実施状況をただしました。
厚労省は、「取り組まれている事例はない」と報告。
田村氏は、体制整備を急ぐべきだが、法案では体制整備に対する費用負担の規定がないと指摘。国の支援がないと自治体間格差が広がることも危惧されるとして、専門職員の確保や市町村障害者虐待防止センター、都道府県障害者権利擁護センターの確立などのために、国の支援を求めました。
大塚耕平厚労副大臣は、「地方に(虐待防止の)対応を課すわけで、しっかり自治体を支援していくべきだと考える」と答えました。
(2011年6月17日(金)「しんぶん赤旗」より)