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【11.04.12】雇用能力機構廃止法案を可決
田村氏「国の責任後退
」参院厚生労働委員会で12日、公的な職業訓練を担う独立行政法人雇用・能力開発機構の廃止法案が、民主、自民、公明の賛成多数で可決しました。日本共産党は反対しました。
日本共産党の田村智子参院議員は反対討論で、震災で雇用確保が求められるときに機構を廃止することは、憲法27条で国民の勤労権を保障し、ILO条約で公的職業訓練の発展が要請されている、公共職業訓練への国の責任を後退させると批判。機構職員を全員解雇し選別採用することは、雇用を守るべき労働行政が解雇を強行することであり、認められないと指摘しました。
質問で田村氏は、すでに地方移管し、大震災で被害を受けた地域職業訓練センターなどの機能回復を、国の責任で行うよう求めるとともに、大震災の被害を受けているなかで職業能力開発大学校を地方に移管することを批判しました。小宮山洋子厚労副大臣は、「地域職業訓練センターなどの修繕は国が全額負担する」と述べましたが、地方移管の問題については答えませんでした。
田村氏は、職業能力開発センター(一部地方移管などを検討しているが未定)では、国が責任を負っているからこそ、設備が整備され、指導員も研さんを積んで、高い就職率を確保していることを紹介。同機構廃止は「職業能力開発に対する国の責任を後退させ、歴史的に蓄積されてきた国の財産を掘りくずす」と主張しました。
細川律夫厚労相は、「私のしごと館」などに対する批判があったから同機構の「解体的出直し」を行うので、同機構職員の雇用継承はないと問題をすりかえましたが、「雇用問題は十分配慮しなければならない」と述べました。みんなの党は、地方への移管どころか全廃を主張する立場から反対しました。
(2011年4月13日「しんぶん赤旗」)