日本共産党 田村智子
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【11.03.31】厚生労働委員会――子ども手当て法案 賛成討論

子どもの貧困の解決へ、総合的な子育て支援策を

○田村智子君 私は、日本共産党を代表して、国民生活等の混乱を回避するための平成二十二年度における子ども手当の支給に関する法律の一部改正法案に賛成する立場で討論を行います。
 非正規雇用の急増、子育て世代の収入減などを背景に、子供の貧困は深刻さを増しています。日本共産党は、国際的に見ても低い現金給付の引上げ、保育所の増設など、子育て支援の総合的な施策の充実を求め、二〇一〇年度の子ども手当法案についてもこの立場から賛成しました。
 しかし、二〇一一年度の子ども手当法案については、支給額の引上げではなく恒久的な制度設計が必要である、認可保育所の大幅増設など、総合的な子育て施策の充実に充てること、年少扶養控除の廃止によって負担増となる世帯が出ないよう税制上の措置を講ずること等を求め、そのための修正案も提案してきました。残念ながら、こうした修正協議も含めた審議が行われないままに年度末を迎えてしまいました。
 本法案が廃案になり児童手当に戻れば、中学生への支給はなくなり、給付額も大幅減額となります。現に、この手当を前提に子育てを進めている家庭に打撃と混乱をもたらすことになります。何より、子供の貧困問題の解消に逆行することとなります。また、児童手当に戻ることは自治体の給付事務に大きな混乱をもたらします。三月十一日に起こった東北関東大震災の災害対応を最優先させるべき時期に、現に復旧に全力を挙げている自治体に更なる負担を掛けることは絶対に避けなければなりません。
 子育て施策の充実、制度の安定性、継続性の観点からも、様々な混乱を避ける意味でも、我が党が提案した修正を行った上で、年度内に新しい子ども手当を成立させることが望ましいと考えますが、現に政府案を修正して成立させることは困難であり、緊急避難として今年度の子ども手当法の六か月延長は必要と考えます。
 震災復興の財源にすべきとの議論がありますが、我が党は、復興支援と子育て支援を対立させるのではなく、在日米軍への思いやり予算を含む五兆円規模の軍事費や不要不急の大型公共事業の見直し、大企業が抱える内部留保の活用こそ検討すべきと考えます。
 以上、賛成の理由を申し上げて、討論を終わります。