日本共産党 田村智子
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【11.03.31】厚生労働委員会――被災地の保育所に運営費支給を

○田村智子君 日本共産党の田村智子です。
 子ども手当が経年で安定した制度となるよう、また保育、学童保育など条件整備との両立が図られるよう、今後私たちも積極的な提案をしてまいります。そのことを申し上げまして、この場では被災地の保育所について急ぎ改善が求められている点について質問いたします。
 被災地支援に当たっている全国保育団体連絡会からお聞きした事例ですけれども、宮城県石巻市のなかよし保育園、併設している支援センターに園長、職員三人が寝泊まりをして保育所の再開に努力をしています。ここに先日、避難所生活をしている母親がゼロ歳、二歳の子供を連れて訪ねてきた、職員がしばらく子供と遊んだら無表情だった子供が笑顔になり、翌日、母親から震災後初めて子供がぐっすり眠ったと伝えられたと、こうあるんですね。たとえ保育所がすぐに運営できない状況でも、保育士が大変重要な役割を担っていると思います。
 ところが、厚生労働省が三月二十五日に示した事務連絡では、保育所運営費について、被災地では三月中に保育を再開した施設には支給すると、このことしか記されていません。気仙沼市のある民間保育所では、三月中再開のめどが立たずに保育士全員を解雇するという事態も起きています。保育士の雇用の確保がなければ保育再開の仕事もできません。避難所での保育士の役割を果たすこともできません。
 本日がこの三月中再開というその期限を迎えているわけですけれども、本日までに保育所の運営ができない保育所、運営費をどうするおつもりなのか、お聞きいたします。

○副大臣(小宮山洋子君) 平成七年の阪神大震災のときにも、保育所の再開が難しくなったり子供の数が著しく減った保育所につきまして、その保育所の職員の雇用保障ということも含めまして、保育所運営費の交付のルールに基づいた特例措置というものを講じてまいりました。
 今委員がおっしゃったように、今日再開できないと運営費が出ないということではなくて、阪神の大震災のときのように、今日中にしっかりと特例措置を作りまして維持ができるようにしてまいりたいと思っております。

○田村智子君 被災地の保育所は本当に混乱をしたんですね。三月十一日までの日割りしか運営費が出ないんじゃないかと、こういう動揺も広がりました。先ほどお話ししたように、実際に解雇をしてしまった保育所もあります。是非、そういうことにならないんだということを徹底していただきたいし、阪神・淡路大震災のときには三か月間特例の措置をとっていますので、これを下回るようなことは絶対やらないということをお約束いただきたいと思います。
 実は、この運営費の問題は障害者施設も同じ要件になっています。どちらも職員の雇用が保障されてこそ事業の再開に向かうことができると、心ある措置を、阪神・淡路大震災のときを上回るような措置を行うということ、これ是非お約束をしていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。

○副大臣(小宮山洋子君) 障害福祉サービスにつきまして、その避難所でサービスを提供する場合、あるいは利用者とともに別の施設に避難して必要な支援を行う場合でも柔軟に報酬の対象とするように、各自治体に通知を示しているところです。
 また、障害福祉サービス事業者等が報酬を請求するに当たりまして、これは医療保険の場合と同じように、そのサービスの提供記録などがなくなってしまった場合でもこれまでの実績を踏まえた概算での請求ができるようにするなど、柔軟な対応を極力してまいりたいと思っております。

避難所での食事や介護の提供など改善を

○田村智子君 事務連絡が幾つも出される問題は以前にも指摘をいたしましたが、最初から心ある措置ということをとるように、是非厚生労働省に改善を求めたいと思います。
 もう一つ、急いで改善求められる点をお聞きしたいんですけれども、被災地外の自治体による支援について一点お聞きいたします。
 昨日も双葉町の住民を支える埼玉県での取組がニュースでも大きく報じられていて、心の通う支援ということに本当に努力に敬意を表したいと思います。しかし、残念なことに、まあ一部の自治体かとは思いますけれども、これでよいのかと思えるような対応が見受けられます。
 例えば神奈川県、これ三月二十七日現在の避難所のリストを見ますと、ほとんどが介護等の必要がなく自立して生活できることを条件として、食事の提供なしとなっています。これでは初めから障害者や高齢者は受け入れないと宣言しているのと同じではないかと。東京都でも、避難所設置の当初は食事の提供がなく、また自立ということを条件にしたためか、車椅子の高齢者が現に東京武道館にいらしたんですけれども、ほかの方と同じマットレス一枚の提供と、介護のニーズの聞き取りもされていませんでした。
 私たち日本共産党も、それぞれの自治体で支援の内容については改善を求めていますけれども、国としても、災害弱者への配慮、食事の提供など、避難所環境を整えるべく、現在の事務連絡よりも踏み込んで具体的に自治体に求めていくことが必要ではないかと思いますが、いかがでしょうか。

○副大臣(大塚耕平君) 御指摘、ありがとうございます。
 もちろん私どもも委員と同じ気持ちで今回臨んでおりますので、例えば避難所においても居宅介護サービスが受けられるような措置もしております。その一方で、御指摘をいただいて神奈川県のホームページを見ましたら、おっしゃるように、介護等の必要がなく自立して生活できる方という記述があってびっくりしております。
 若干神奈川県の気持ちをおもんぱかれば、財政的なことも気にしているのかもしれませんけれども、そういったことも被災地外の自治体に極力御迷惑を掛けないような財政的措置も財務省に御相談しながらとっておりますので、何らかの誤解でこういう条件を付けているということであれば、改善を求めるよう神奈川県と話をさせていただきたいと思います。

○田村智子君 これは神奈川県だけでなく東京都でも同じような事例が見受けられます。是非全国的に目配りをいただいて、それぞれの自治体がやっぱり我が事として心ある支援ができるよう、是非踏み込んで改善を行っていただきたいと思います。
 もう一つ、これも急ぎの問題なんです。雇用の問題です。
 震災で事業の縮小や休業を余儀なくされている中小企業には雇用調整助成金を活用して雇用の確保をと、これは先日の委員会でも確認をいたしました。しかし、この制度は、通常は、あらかじめ休業の計画を提出をすると、それで雇用調整助成金を受給するというふうになっているんですね。
 三月十一日に遡るというこの緩和措置は、青森、岩手、宮城、福島、茨城の五県に限定するというふうに今厚生労働省の方では通知出されていると思います。津波被害を受けた旭市、液状化被害の浦安市など七市一町が被災した千葉県や全半壊の住宅が一千二百棟にも上る栃木県、これは災害救助法の適用地域にされていますが、この雇用調整助成金の緩和措置の対象となっていません。現に千葉のハローワークには、なぜ私たちのところでは雇用調整助成金を受けられないのかと、こういう問合せが来ているといいます。
 対象地域を大幅に拡大すべき、これも早急に行う手だてだと思いますが、いかがでしょうか。

○副大臣(小宮山洋子君) 今委員がおっしゃいましたように、三月十七日に災害救助法を適用されたこの五つの県について、最初、スタートとしてここから始めました。これから様々なニーズをしっかり把握をいたしまして、更にこれをどう拡大をしていくのか、検討させていただきたいと思います。

○田村智子君 終わります。