【13.05.17】橋下氏のいう風俗産業とは？

寄せられた疑問に答えます

私のフェイスブックのなかで、橋下発言をめぐる意見交流が続いています。
その中で、風営法に規定された風俗産業、橋下氏のいう合法的風俗産業をどう考えるか、という質問がよせられました。
少し調べてみましたので、私なりの解説と意見を書いてみます。

そもそも風営法とは何か。風俗営業等の規制及び業務の適正化に関する法律。
ここで、いわゆる風俗産業の種類、営業のルールを定めています。

風俗産業の種類は大きく二つです。
一つは風俗営業。接待飲食等営業として、キャバレー、クラブ・ホストクラブ、カップル喫茶などを定めていますが、ここにダンスホールや、ダンスを楽しめるクラブも入っています。今、若者たちがダンスは風俗産業ではなく文化であると、風営法から除外することを求めていて、日本共産党もこの運動を応援しています。また、その他遊技場として麻雀店、パチンコ店、ゲームセンターも入っています。
風俗営業は、公安委員会で営業許可を得なければなりません。また深夜０時（地域によっては深夜１時）を過ぎての営業も禁じられています。

風営法に定める産業はもう一つあって、性風俗関連特殊営業。これが橋下氏のいう「合法的風俗」なのでしょう。ソープランド、ファッションヘルス、ストリップ、ポルノ映画館、ラブホテル、アダルトショップ、出会い喫茶など、性的欲求を満たすことを目的とする産業と呼んでいいでしょう。
法律を読んで驚いたのは、こちらは許可ではなく届け出をすれば営業ができるということ。
これまで、暴力団の稼ぎのもとになったり、裏で人身売買、売買春などが行われていたなど、何度も摘発されたり、社会問題になってきた産業なのに、届け出さえすればよいとは！

日本共産党は「性の商品化」に反対する立場ですし、過去の国会議事録を調べると、わが党議員が、性風俗関連特殊営業の禁止へ法改正が必要だと述べています。
私も、性風俗関連特殊営業は、産業としてふさわしくない、近い将来禁止する方向にすべきだと考えます。

橋下氏のいう風俗産業というのは、どう考えても「性風俗」の方です。
この産業が性犯罪を抑止するとは到底思えません。逆に、生身の女性（場合によっては男性）を商品として扱うことに慣れてしまえば、女性観（男性観）はゆがめられ、異性に対するリスペクトの精神が失われかねません。
「性のはけ口」としてこの産業がどんどん利用されれば、性犯罪はなくなるどころか、むしろ広がりかねないのでは。
どこから見ても、橋下発言は人権尊重の精神の欠如を示していますね。