日本共産党 田村智子
コラム

【13.02.26】「1週間の食費7000〜1万円」を削れというのか

予算委で生活保護引き下げ中止を求める

生活保護の保護費が今年8月から減らされる――
国会には当事者の方、反貧困の運動をする方、毎日のようにかけつけての集会や行動が続いています。

私も質問でとりあげなければと、その機会をうかがって準備をしていました。
参議院予算委員会での質問が正式決まったのは25日夕方。
翌26日の午前中が審議。質問時間は片道4分(答弁時間を含まず)。
なんとも短い! どう凝縮して質問するか。

厚生労働省が示した資料では、子育て世帯の引き下げ幅が一番大きい。
子どもの貧困がこんなに問題になっている時に…。
そこで、母子世帯の生活実態をききとって、総理にも他の大臣にもぶつけることにしました。

紹介した事例は、静岡のお母さん。小学4年生の娘さん、中学2年生の息子さんがいます。
パートで働いていますが、収入の足りない分を生活保護費で補っているのです。

――娘さんには、この2年、服を買っていない。知人からもらっている。
この一例だけでも胸に突き刺さります。
いまどきの女の子はおしゃれにも敏感。小学中学年になれば、好きな服を着たがる頃です。

――息子さんは発達障害があるため、進学できる高校は限定される。制服は高い、定期代も今よりかかるから「高校へは行かない」と言っている。

――食費は1週間で7000円前後。育ち盛りの子どもたちに栄養のバランスのとれたものをと思うが、安さと量が最優先。

「こうした生活実態を承知のうえでの引き下げなのか」
「保護費が減らされたら、食費を削るしかないというのがお母さんたちの声。1週間に7000〜1万円の食費をさらに削れというのか」
4分の発言時間で、このことを厚生労働大臣、総理大臣にぶつけました。

短い質問だからこそ、答弁の想定が必要です。
ごまかしがあれば反論しなければなりません。
いくつもの答弁を想定しました。ところが厚生労大臣の答弁は、またも想定外。

なんと私が紹介した事例は、お母さんに何か特別の問題があるかのような答弁だったのです。
これは聞き取りに協力していただいた方の尊厳にもかかわります。

「私は特別なケースを紹介したのではない。
何人ものお母さんたちが同じような生活状態だと話している。
だいたい実態も調査していないではないか。」

こんなレベルなのかと、大臣の認識、冷たさ、政治姿勢を思い知らされました。
実情を知れば、こんな引き下げ案を示すことなどできないでしょうから。
それならば、子どもの貧困の現実をどんどん知らしめていかなければ。
生活困窮の苦しさ、切なさに連帯できる世論をつくらなければ。