コラム
【13.02.15】予防接種、妊婦検診の予算はどうなるか
厚生労働省の2013年度予算案について
2013年度の予算案、厚生労働省から説明を受けました(2月13日)。
内容を何回かにわけてお知らせしたいと思っています。
生活保護の生活扶助基準の引き下げなど、重大問題をふくんだ予算案ですが、今回は、子どもの予防接種、妊婦検診について。
各自治体の来年度予算にかかわる問題でもあります。
○ヒブ、肺炎球菌(小児用)、子宮けいがんのワクチンについて
これら3ワクチンは、保護者のみなさんや医療関係者の運動で、接種費用の9割を公費負担とする仕組みがつくられました。公費負担の2分の1は、「子宮頸がん等ワクチン接種緊急促進臨時特例基金」による国の直接補助、残る2分の1は地方交付税で措置。
ところが、「基金」は2012年度で終了。公費負担をどうするのか、保護者の負担があらたに生じることのないような施策を行うべきと、私も質問主意書でただしてきました。
予算案は、接種費用の9割分を地方交付税で措置するとしています。
それだけでなく、これまで接種費用の2割の交付税措置だった、ポリオや麻疹等の予防接種(予防接種法で一類定期接種としているもの)についても、9割措置に引き上げる方向も示されました。
○妊婦検診について
妊婦検診についても、自治体からの要望、少子化対策を求める運動によって、この間、14回分が公費負担の対象へと拡充されてきました。
地方交付税措置で5回分、妊婦健康診査支援基金による公費負担の上積み分が9回分(費用の2分の1は「基金」による補助、残りの2分の1は交付税措置)。
この「基金」も2012年度で終了となるため、やはり質問主意書で施策を後退させないよう求めていました。
2013年度予算案では、14回分を地方交付税措置としています。
○各自治体での運動が大切に
一方で、地方交付税の算定では、公務員人件費の7%カットを求めています。
地方財政の状況によっては、国の「基金」からの直接補助がなくなることを理由に、保護者にあらたな負担を求める可能性もあります。
さらに問題になるのは、東京23区など、地方交付税が交付されていない自治体です。これまで国からの直接補助だった予算分も自治体負担となります。
23区では、今でもヒブワクチンなどで保護者負担を求めている自治体が少なくありません。千葉県では全自治体が無料で接種ができますから、現在でも東京都の自治体は、公費負担が遅れているのです。
来年度、国庫負担分がなくなれば、さらに保護者負担を求める自治体が広がりかねません。
東京都による予算措置を求めるなど、私も子育て世帯のみなさん、地方議員のみなさんと取り組みを強めたいと考えています。