日本共産党 田村智子
コラム

【13.01.28】安倍総理の本会議演説に唖然

消費税、社会保障、原発、TPP、一言も出てこないとは!

 
通常国会が始まりました。
国会周辺は、朝から終日、いろんな音が鳴り響いていました。
議員会館前でアピールする人たち、デモ行進、本会議の始まりを告げるベル…。
休会中の静けさから一転して、あわただしい日々の始まりです。

この通常国会から、私は議院運営委員会のオブザーバーになりました。
朝9時40分前、少し緊張しながら初めて議長応接室へ。
応接室の壁には、開会式の様子を詳細にかきとめた絵画が何枚も飾られています。そばまでいって見てみたい衝動をおさえて、静かに座って委員会が始まるのを待ちました。

午前10時、参議院本会議。
議長にむかって一番左側にあった日本共産党の議席が、正反対の議長席に向かって一番右に変更になりました。議場の光景が違って見えます。

昼休み。国民大運動実行委員会のみなさんが国会請願デモ。
オスプレイ、賃上げ、軍事費、社会保障切り下げ、TPPなど、私達の今のくらしと日本の近い将来に関わる重大問題すべてに要求の声をあげました。
デモの皆さんに手を振り、声をかけ、握手をかわしあい、私も闘志がわいてきます。

この請願デモと、道路をはさんだ反対側には、日の丸をかかげたみなさんの野太い声が相当に響いていました。
何を求めているのかはよくわからないのですが、安倍首相のもとで「右翼」と呼ばれる人たちが勢いづいている感じは否めません。
領土をめぐっての主張など、他国への排斥的主張ではなく、理性的な対話が喫緊に求められているのは間違いないと思うのですが。

午後3時、衆議院に続いて参議院本会議で安倍総理の所信表明演説。
どんな演説をするのかと、構えて聞いていたのですが…。
「なんだこれは」というのが率直な感想。
こんなに具体性にかける演説は聞いたことがありません。

消費税、原発、TPP、社会保障、オスプレイ・沖縄基地問題――これら喫緊の課題について単語さえ出てこない。
経済対策を強調して、「強い経済」「世界一をめざす」「自信をとりもどす」という言葉が踊っているけれど、具体的な政策は皆無。驚きました。

これでは、不規則発言(いわゆる野次)もやりようがない。
それでも、思わず声をあげてしまったのが、「額に汗して働くものが報われる社会」をつくろうとよびかけた箇所。
働いてもまともな収入に結び付かない不安定雇用、劣悪な雇用を規制緩和でつくってきたのは自民党・公明党政権ではないか!

本会議場から議員会館にもどり途中、山下よしき議員と感想をかわしていて、たどりついた結論は…。
参議院選挙まで「牙を隠そう」とすると、語るべき政策がなにもなくなるということか。

総選挙でも語らず、参議院選挙でもしらをきり、衆参の多数の独占してから一気に新たな増税と社会保障切捨てをスタートさせるつもりなのでしょうか。
原発再稼動、憲法改定、TPP参加表明も夏まで我慢ということでしょうか。
そんなやり方は通用しません。
まずは論戦で暴く、私たち議員団の本領発揮といきましょう。

(写真は友人Yさん撮影。フェイスブックに載せてもらったものです。)