日本共産党 田村智子
コラム

【12.11.29】都知事選挙がスタート!

一有権者、1人の母親として切望すること

都知事選挙が始まりました。
こんなに報道されない都知事選挙はこれまでになかったのでは?
総選挙にむけて政党の離合集散がつづき、マスコミは「第3極」探しに熱中。
石原都政のまともな検証は、総選挙での有権者の選択にも関わると思うですが。

宇都宮けんじさんを、幅広い市民、団体、そして政党が一致して支持する
――83年の都知事選挙以来の共同は、政治史のなかでも特筆すべきことです。
(マスコミは、こうした変化には全く注目していませんが。)

今度の都知事選挙、私は1人の東京都民として、本当に都政を変えてほしいと願っています。
東京の教育をここまで崩した石原都政に、悔しさと怒りを抑えられないのです。
思春期突入の子どもたちのことを詳しく書くことは、子どもの人権に関わるので控えていますが、少しだけ許してもらいましょう。

東京都は、全国の学力調査に先駆けて、公立小中学校での学力テストをスタートさせました。
今、高校2年生の息子が小学校5年生のときでした。
これが、学校をどう変えたか。
子ども、先生、保護者、学校と行政の関わりをどう変えていったか。

平均点と言う怪物に学校が比べられ、自治体が比べられ、子どもたちの成長はおきざりにされていったのではないでしょうか。

「学力向上」=「テストでの平均点アップ」
授業時間を増やす、小テストの繰り返し、そして点数別のクラス編成(算数・数学など)。

この10年で、学校がどう変わったか、子どもたちの学力が本当にあがったのか、もういい加減現実を冷静に分析し、総括する時だと思います。

娘は小学校低学年から算数がテストの点数別でした。
新しい単元に入る前には、必ずテストがあって、その点数でクラス分けが行われました。

「難しいクラスに行きたくない」と、わざと間違った解答を書くこともあったという娘。
中学に入学するころには、「面倒くさいから難しい問題はやらない」という態度が見えるようになりました。

「自分はカメさんコースだからいいの」
「あの子は頭いいクラスだから」
「大丈夫、まだ一番バカのクラスじゃないから」
「なんでこんな問題解かないといけないの」
こんな言葉を、この数年、何度聞いたことか。

残念ながら先生方から聞こえるてくる言葉も、悲しい言葉が次第に増えていったように思います。
「この学校の子どもたちは…」
「これまでで最低の学年」

子どもたちの生き生きした姿を、先生から学校から聞く機会がどんどん減っていく。
テストの点数や成績以外のことは、個別の問題になって、クラスで話し合う機会も、先生とじっくり相談する機会も減っていく。

東京の教育改革で、子どもたちは自信をつけましたか?
成績別クラス編成で、子どもたちの能力や個性は本当にのびたのですか?
連帯し、何かを達成する喜び、人間関係を自ら築いていく力をのばすことはできましたか?

子どもたちを実験材料にしないでほしい。
先生や学校を非難し貶めるような行政をやめてほしい。

「この子の力はどこに秘められているんだろう」と、宝探しのように先生たちが1人ひとりの子どもと向き合う学校になってほしい。

保護者のかかえる問題、苦しみ、悩みを「家庭の問題」とせずに、一緒になって悩んだり考えたりする、そんな力と物理的な時間がもてる学校になってほしい。

先生たちの子どもたちに伝えたい思いがあふれるような、きらきらした時間がいっぱいつまった学校になってほしい。

「劇場に行くように」「恋人に会うように」、子どもたちがわくわくして学校に通えるようにしてほしい。

これが都政転換への私の心からの期待です。