コラム
【12.11.22】とうとう「国防軍創設」まで!
右へ右へと突き進む新党と自民党
総選挙の政策検討がすすんでいると、ニュースで毎日のように流れます。
驚いたのは、自民党が「国防軍の設置」「集団的自衛権の行使」を掲げるという報道。
ついにここまできたか…。
「維新の会」は、総選挙政策として「憲法96条の改定」をあげました。
憲法96条は、憲法の改正についての条文。
衆議院・参議院それぞれ3分の2以上の賛成で、改正案を発議する、という内容です。
これを「2分の1以上の賛成」に改定しようというのです。
自衛隊を国防軍にするには、9条2項を変えなければなりません。
「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」
集団的自衛権の行使は、「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段しては、永久にこれを放棄する」ことを放棄しなければなりません。
憲法9条を変えることで自民党と維新の会が手を結び、選挙にのぞもうとしている。
議会の過半数を狙っている。
民主党への国民の幻滅を利用して、戦後政治の出発点を崩そうというのです。
ところが、ニュースでは、民主党の鳩山氏が出馬断念とか、どこの選挙区に誰が立候補するとか、政党の選挙協力がどうなるかということばかり。
どうなっているんだ!と、思わず声をあげてしまいます。
国防軍の創設の先にはなにがあるのか、徴兵制、軍事費の増大、武力行使への参加…。
領土問題をけん制する軍事演習から、本当の軍事衝突さえおきかねない。
「戦争」という言葉がこんなに現実味をおびて迫っているのです。
「集団的自衛権の行使」――ベトナム戦争も「自衛のための戦争」として始まりました。
イラク戦争も同じです。
英国がイラクの弾道ミサイルの射程距離にある、同盟国である英国の自衛はアメリカの自衛である、アメリカがイラク攻撃を開始した理由もまた「集団的自衛権」だったのです。
「戦争できる国にしていいのか」、情緒的な意味ではなく、政策的に問われる選挙になりました。
私達大人の一票が、こんなに重く問われる選挙があっただろうか。
今年夏のロンドンオリンピック。その直前のニュース映像を思い出します。
オリンピックスタジアムのすぐそばに置かれたミサイル。
軍隊を持ち、武力攻撃を実際に行い、集団的自衛権を行使した国が、どれほど平安を脅かされるのか。
9・11後のアメリカの混乱と重なります。
日本をそういう国にしたいのか、国民の1人ひとりの選択が問われています。