コラム
【12.11.16】年金も児童扶養手当も削減とは
厚生労働委員会で25分間の質問
14日午後6時頃に突然、委員会開会が決まり、それから質問準備スタート。
厚生労働省に、質問項目を通告したのが今日15日の昼過ぎ。
3時開会の見込みにぎりぎりで間に合った、と思っていたら、開会が大幅に遅れそうだという連絡。
もう何が起きても驚きません。
午後6時、ようやく委員会開会。
実はこの直前の衆議院本会議で、年金法案が可決され、午後6時ぎりぎりまで参議院厚生労働委員会に付託されていなかったのです。
法案がきていないのに、委員会開会を決め、採決も決める――あってはならないことです。
基礎年金国庫負担2分の1の財源は赤字国債、その国債は消費税増税で償還する。
年金支給額を来年度から3年間かけて2.5%減らす。
児童扶養手当や障害者、被爆者への手当額も同じく1.7%減らす。
消費税10%の負担軽減として、一部の低年金の方の年金額を少し底上げする。
――国民生活に直接関わる大事な法案が、わずか1時間40分の質疑で採決されるのです。
みんなの党に続いて、私の質問。
2004年に国庫負担2分1を法律で決めながら、財源が確保できないからと、先送りされてきた。
その経緯をあらためて、厚生労働大臣にぶつけました。
*2004年 所得税の配偶者特別控除の上乗せ部分の廃止、
*2005年 65歳以上の所得税の老年者控除廃止と公的年金等控除の引き下げ、住民税の配偶者控除の上乗せ部分廃止、
*2006年 所得税と住民税の定率減税半減、翌2007年、定率減税廃止。
これらはすべて年金の国庫負担2分の1ためだと言われました。
「年金100年安心」のキャッチコピー、よく覚えています。
ところが、いつまでたっても2分の1財源にはならず、今度は、消費税10%にしなければ不可能だという。
大臣は、この経緯をどう思われるのか。
原稿をつくりながら、老年者控除の廃止、定率減税の廃止の時のことが思い出されて仕方ありませんでした。
街頭宣伝や「赤旗」読者拡大で対話をすれば、どこでも「住民税が驚くほどあがった」等々、怒りの声をぶつけられました。
こうした増税への怒りが、後期高齢者医療制度への怒りにつながり、自民・公明政権は崩壊したのではなかったのか。
政権交代した大臣なのですから、定率減税しても財源確保しなかった経緯を厳しく批判してもいいはずです。
ところが、「安定財源確保が新たに必要」というだけ。
問題を指摘する発言すら出てこない。
年金支給額削減――この間のマスコミ報道は、政府の宣伝のままに、まるで本来受け取れるはずのない年金が不当に支給されていたかのように、この問題をとりあげていました。
「物価が下がっていたのに、年金の支給額は下げていなかった。それによって総額7兆円が多く支給された」
「物価」には生鮮食料品は入りません。もっとも値上げされたともいえる社会保険料、税金も入りません。
夫婦二人で25万円ほどの年金収入の世帯で、この10年間、増税・保険料負担増は年額およそ28万円。率にして9.4%を超えます。物価下落の率は4.7%。
それでも「物価下落」を理由に支給額を減らすのか。
児童扶養手当、ひとり親家庭にとって「命綱」です。
母子家庭の貯蓄分布をみれば、貯蓄ゼロが約3割。それでも手当を減額するのか。
年金手取り額はこれまでも大幅に減ってきたでしょう?
子どもの貧困に対策が必要でしょう?
そう質問すれば、その通りと答弁が返ってくる。
では削減なんてできないでしょう?と質問すると、制度の説明が繰り返される。
言っていることとやっていることが違う!
反対会派の質問が続き、討論が続く。
賛成する会派からは、一言も発言がない。
採決の時に賛成で手をあげるだけ。
委員会が終わったのは8時をまわってからでした。
聞けば、9時過ぎまで同じような経過で行われた委員会があるとのこと。
国会のなかでの私がいだいた怒りの数々は、いよいよ国会の外に大きく知らせる時がきました。
さあ、解散総選挙です。