日本共産党 田村智子
コラム

【12.11.14】党首討論での「解散」うけて異常な国会運営

「3党合意」で委員会審議も軽視する暴挙

14日の党首討論で、よもやの「16日解散」が合意され、ここから国会は蜂の巣をつついたような事態になりました。
もちろん、国民の信を失っている民主党政権に私達も解散を求めてきました。
けれど、「比例定数削減法案を通すなら」と選挙制度を解散の駆け引きにするとは、あまりにもひどすぎます。

国会議員を何人、どのように選ぶのかは、国民の参政権に直接関わる問題です。
とくに比例代表は、民意の反映をもっとも重視した選挙制度。
選挙権だけでなく、被選挙権で考えても、政治的な力を歴史的にもちえなかった女性の政治参加を広げるうえでとても重要な意味をもってきました。
少数意見をいかに議会に反映させるか、民主主義の発展にとって大切な課題です。
そんな議論は皆無、「国会議員=予算の無駄遣い」と自ら宣伝して比例定数を削減する――政治家が自らの存在を否定するのと同じではないでしょうか。

暴挙ともいえる事態は、これにとどまりません。
党首討論が終わってしばらくすると、「明日、厚生労働委員会で年金法案を審議したいので理事懇談会をこれから開きたい」――突然の連絡です。
時刻は午後5時を回っています。
「まだ連絡のついていない議員もいる」とのこと。

「これから始めたい」、あらためての連絡に理事懇の会場へ向かったのは5時半過ぎ。
ところが部屋には、委員長と民主党の理事の2人だけ。
5分、10分と時間がたつなかでだんだんに集まってきましたが、国会の外に出ていて物理的に理事懇に参加できない議員もるというのです。

「こういう事態ですので、明日、委員会で法案の主旨説明、質疑、採決までやらせていただきたい」と民主党の提案。
自民・公明は了解するとのこと。
私は、社民党、みどりの風の議員とあまりにも乱暴なやり方で認められないと強く主張。
残念ながら、正式の理事メンバーは3党の議員ですから、私達の意見は参考に聞くという扱いです。

質問時間をどうするか、民主・自民・公明は「質問しない」「少数会派で時間をつかっていい」。
質問時間の確保は、理事懇協議の中で、私も力を入れてきたことですが、こんな形で質問時間を増やされるとは!

15日の委員会開会を決め、質問時間も確定したのは、午後6時を過ぎてのことです。
質問は来週になるだろうと想定していたので、突然の質問準備です。
法案はまだ衆議院を通過していません。法案の説明も、審議のための資料も、衆議院を通過してから配られるのが通常ですから、手元に何もないという状態。

法案そのものも来年度からの年金支給額の削減。
いろんな怒りが胸の内をうずまくなかでの質問準備に突入。
いったい国会審議をどう考えているのか、議会とは別の場で政党が合意すれば、あとは「消化試合」なのか。
解散総選挙では、こうした民主主義破壊を許さないたたかいにしなければ!