コラム
【12.10.30】最近、ちょっと嬉しかったこと
国会の合間をぬっての出来事をひとつ
国会の会議の日程が決まらない――これが私にはかなりのストレスです。
質問に追われて忙しい日々は、準備、本番、「やり遂げた」という緩急があるので、あまりストレスを感じません。
この国会がストレスとの闘いにならないように、ちょっと気分転換のコラムを書いてみます。
日比谷で映画を観た時のこと。
「ソハの地下水道」――ポーランドのホロコーストをめぐる映画です。
いっせい検挙を逃れるために、下水道に逃げ込んだユダヤ人たちを、ポーランド人の下水道工ソハが支援するという、実話にもとづく映画。
いっせい検挙のすさまじさ、初めて映画で観たのは「シンドラーのリスト」でした。
「黄色い星の子どもたち」「サラの鍵」そして「ソハの地下水道」と、何度観ても、背筋が凍りつきます。
なぜここまで人間が残酷になりえたのか、考えずにいられません。
映画のラストに、地下水道での生活が14カ月続いたことが字幕で流れたときには、驚きのため息がでました。
そんなに長く…、と思わず声に出していました。
汚物が流れ、悪臭に満ち、ねずみが生息し、陽の光のない地下水道。
いつ軍隊にみつかるかわからない恐怖。
それでもあきらめずに生き抜いた人たちがいたのです。
映画で戦争の歴史をまた新たに知り得たことも、私にはとても嬉しいことですが、もっと嬉しかったことは映画館の外にありました。
上映館の日比谷シャンテは、道路に面して大きな掲示コーナーを置いています。
新聞や雑誌に掲載された映画の紹介記事の切り抜きをびっしりと張っているのです。
いつも時間がなくてこういう掲示はほとんど観ないのですが、この日は何気なく見上げてみると…。
一番上に、監督へのインタビュー記事。新聞の名前は「しんぶん赤旗」!
その隣の記事は「新婦人しんぶん」!
日比谷のど真ん中で「赤旗」の文字を観るとは…。
見上げないと読めないので、実はベストポジションではありません。
けれど他紙と比べて、圧倒的に記事の分量が多くて目立つのです。
たまたま「赤旗」が掲示された、というのとは違うと、時間が経過してから考えています。
アグニェシュカ・ホランド監督は、これまで何度もホロコーストの歴史を映画にしてきた女性です。
地下水道から生還したユダヤ人のことを知ったときには、ホロコーストから生還した人の数だけ、ノンフィクションのドラマがある、と感じたと言います。
(私も「シンドラーのリスト」のラストシーンで、犠牲となった人には全て人生があったことをつきつけられました。)
侵略戦争も、武力による他民族への抑圧も、絶対に許されないという立場をとる日本共産党。
「平和と民主主義の実現」を掲げたがゆえに、すさまじい抑圧と迫害の歴史を自らに刻んでいる日本共産党。
日本は、今こそ侵略戦争の歴史と真摯に向き合い、アジアの国々との関係も再構築すべきであると、野党としての外交活動も行っている日本共産党。
監督へのインタビューが小さな記事になるはずはありません。
もちろん、こういう記事に気がついて、政党機関紙の記事も平等に扱っている日比谷シャンテには大きな拍手を送りたいです。
みなさんも、ぜひ足をお運びください。