日本共産党 田村智子
コラム

【12.09.12】官邸前行動は今日も続く

「困っちゃう人」の行動でライブ・トーク

 
通常国会が終わり、議員会館は人通りも少なくなったように感じます。
総裁選挙、党首選挙、新党結成など、水面下での議員の動きは活発なのでしょうね。

そんななか、官邸前行動はいまも粘り強く続いています。
火曜日はTPP交渉参加反対、水曜日は生活保護をはじめ社会保障の問題、金曜日は原発問題。
その他の曜日にも声が響くのは、今や官邸前が要求を示す名所となってきたことの証でしょう。

先週に続いて、水曜日、「困っちゃう人」の行動に参加しました。
生活保護への攻撃が国会発で強まった頃、この行動がよびかけられました。
消費税増税で困っちゃう人、仕事がなくて困っちゃう人、生活保護が削減されたら困っちゃう人、社会的支援があまりに弱くて困っちゃう人…、自分だけの問題にしないで、社会的な連帯で声をあげようという集まりです。

学生時代からの友人も熱心にとりくんでいます。
「今週も来たよ」と彼女に手をふって、顔見知りになった皆さんに会釈して列に加わると、ちょうど山下よしき参院議員がマイクからの訴えを終わったところ。

その隣に立って私もマイクを握りました。
何度か参加していると、同じ話をするのも気が引けます。
今日は、数時間前に聞いたばかりの厚生労働省の来年度予算要求について報告。

「職業訓練など雇用対策の予算が、減額要求になっています」と私。
「え〜、それはひどい」という声。
そうなんです。
「生活保護受給者は働くべきだ」と、国会でもマスコミでも、現役世代の生活保護がさんざん問題にされていたのに、求職者支援については予算は要求段階から減額なのです。

昨年法制化された求職者支援法にもとづく、民間の職業訓練の受給者が思うようにのびていないことが、予算減額要求の理由のようです。
使われていない制度は縮小する、予算編成の原則のようになっています。
けれど、なぜ使われていないのか、制度の運用や内容に問題はないのかが検証されているとは思えないのです。

介護など福祉職の受講ばかりを募っても、うまくいかないでしょう。
民間の職業訓練のメニューばかり増えても、安定した職業に結び付かない場合もあるでしょう。
時間をかけて本格的な職業訓練を受けたいという要求はないのか、日本の産業発展のためにどのような職業訓練が求められているのか、真剣に現場から実態から政策検討する時ではないでしょうか。

国会議員の発言を聞いて終わらないのが、水曜日の行動の特徴。
先週から、質問コーナーが始まったのです。計画的というより即興的でしたが。

自民党の総裁選に名乗りをあげている議員が、生活保護への露骨な攻撃をテレビで行ったことについて、障害者の雇用について、社会保障の財源をどこに求めるのか…
対話演説の様相です。

「こういうことになってるんか」と山下さんが隣で、笑顔を保ちつつ、驚きの声をあげていました。
私も先週は、まさか質問コーナーに発展するとは思ってもいませんでした。

まるで国会議員のライブ・トーク。
こういうの、嫌いではありません。

生活保護について発言をしてそれが動画で流れれば、批判的な意見が相当数よせられるのだろうと思います。
山下さんが、何カ月か前に「朝まで生テレビ」で橋下大阪市長と対決した時にも、驚くほどの批判的メールがよせられたとのこと。

それでも私達は沈黙しません。
対話をやめたら問題解決の道もとざされてしまうから。
金曜日の官邸前とは違った行動、水曜日行動ならではの発展がありそうな予感も。

「困っている人」「困っちゃいそうな人」、その「困っている」思いを、水曜日の官邸前行動にぶつけてみませんか。