日本共産党 田村智子
コラム

【12.08.08】不信任案を可決して増税法案を廃案に!

議員会館前をうめる路上集会

 
昨日夕方、衆議院には内閣不信任案決議案、参議院には野田首相への問責決議案が提出されました。
自民・公明をのぞく野党の「一点協同」です。

野田内閣を信任せず。野田首相の責任を問う。
理由は、公約に反して消費税増税法案を可決しようとしているため。

8日に消費税増税法案など8法案を、特別委員会で採決することがいったんは民主・自民・公明によって決められていましたが、この動きをうけて委員会はとりやめに。
自民党と民主党のトップ会談が模索されるなど、7会派の攻勢が大政党をうろたえさせています。

昼からの党議員団会議で、7会派の共同がどのようにしてつくられたか、現場で交渉にあたってきた衆参の国対委員長から報告がありました。
以下、概略を。

法案採決の動きが強まるもとで、「このまま採決日程を提案させていいのか」という声が、少数野党からあがりはじめました。
わが党の井上国対委員長が、7会派の国対担当に声をかけはじめます。
何ができるかを協議しようと。
7月31日、7会派が集まり、以来、ほぼ毎日、話し合いがもたれ、不信任案・問責決議案を提出して採決を止めようという一致点に。

不信任・問責の理由をどうするかも、時間をかけた話し合いがもたれたそうです。
原発問題でも、野田首相への反発は高まっていました。
しかし、今回は消費税増税法案を阻止するための共同です。
公約違反の消費税増税を行おうとしていることは、国民への裏切りである――この理由は実に考え抜かれたものになりました。

3党合意に至る前は、自民党、公明党自身が、最も厳しくこの点を繰り返し国会で追及してきたのです。
マニフェストにも、選挙中の演説でも、消費税増税を否定したのが民主党だ。

自民党は、まさか、政策の違う7会派が共同するなど思ってもいなかったでしょう。
道理ある1点での共同は、道理なき3党合意につきささったのです。

解散を約束すれば、消費税増税法案を可決してやる。
約束できないならば、法案は廃案にする。
これでは、自民党はいったい何を考えているのか、今、選挙をすれば勝つ見込みが高いという算段だけなのか。

風雲急をつげた国会の動きに、国民の運動もすばやくこたえました。
昼過ぎ、団会議から議員会館前の歩道に移動すると、ずらりとのぼりや横断幕が並び、歩くのも大変な列が続いています。
参議院の前での行動のはずが、列は衆議院へと延々とつながっているのです。

私達議員団がかけつけると、待ってましたとばかりに拍手が起きました。
「どういう動きになってるか、早く聞きたいんだ」と声をかけた男性。
「ここが、がんばりどころよね」と握手した女性。

自民党・公明党に、3党合意の破棄を求める。
不信任案を可決して、法案を廃案に追い込もう!
情勢はいまだ予断を許しません。財界やマスコミからは、3党合意を守れという異様なキャンペーン。そこには消費税増税への疑問は全く感じられません。

時はまさに夏祭り。
地元の夏祭り会場に、国会議員も連日参加するでしょう。
そこで地元の有権者がどんな意見をぶつけるか。
党執行部が何と言おうと、廃案にしなければと覚悟を決める議員が増えるかどうか。
不信任案の採決は、10日と見込まれています。刻一刻、世論が運動が国会を動かします。