コラム
【12.08.09】自民・公明は退席 不信任案の採決
消費税増税廃案へ、最後まで道理をつくす決意
衆議院本会議場、参議院議員の傍聴席に座って、しっかりと議員たちの席をみつめました。
自民・公明をのぞく7野党によって、野田内閣不信任案が提出。
お盆をはさんでの激動がある、消費税増税法案廃案の可能性はあると、気迫がみちた8日。
いったんは「3党合意の破棄」を自民党・谷垣総裁に言わせるところまで追い込みました。
ところが、「近いうち」衆議院を解散するという口約束ができたら、とたんに、公明党だけでなく自民党も不信任案の否決に協力するという、どんでん返し。
増税勢力の執念、消費税増税を切望する政財界の圧力のすさまじさ、目の当たりにする思いです。
8日の昼、議員会館前での採決反対の集会は1500人が集まりました。
議員の一言ずつあいさつでは、
「8日に採決と言う動きがあり、反対討論を準備していました。まぼろしの反対討論となるよう、廃案に全力をつくします」と発言していました。
本当に、つくりかけたまま封印された原稿になる、そうしなければと心底から思っていました。
衆議院で不信案が否決されれば、参議院に提出された問責決議案はたなざらしにされたまま、委員会審議が再スタートすることになるでしょう。
残念ながら、内閣不信任と問責には、法的な位置づけに大きな違いがあるのです。
怒りをこめて反対討論の原稿を書き上げ、衆議院の本会議を迎えました。
冒頭、「長崎原爆の日」ですから、黙祷が行われ、傍聴席も全員たちあがって頭を垂れました。
「黙祷終わり。ご着席ください」と議長の声。
すると、ざわざわと着席ではなく、議場の後ろの扉に向かう議員たちの列ができました。
議場の真ん中に席をしめる、自民党、公明党の議員がぞくぞくと退場していくのです。
議員傍聴席は、多少、声を出しても止められません。
「ひきょう者。野田内閣を信任するのか」、少し大きめの独り言。
退場を拒否した自民党議員は、真剣な表情でまっすぐ前を向いています。
大きな穴のあいた議場、そのなかで不信任案の提案、賛成、反対の討論が始まりました。
それぞれの演説を聞きながら、よくぞ7会派がまとまったものだと、感嘆しました。
不信任案提出の共同行動は、「公約にも世論にもそむいて、消費税増税法案を今国会で強行しようとしていること」の一点でのもの。
演説では、これに加えて各党の「信任せず」の理由が述べられます。
日本共産党は、志位和夫委員長が「5つの大罪」を厳しく批判。
消費税、原発再稼働、オスプレイ沖縄配備、TPP参加、政権交代にたくされた国民の期待をことごとく裏切ったこと。
一方、みんなの党などは、「官僚主導」「国家公務員人件費の2割削減をやっていない」「国有財産の売却をやっていない」等々。
私達には肯定しがたい政策が次々に述べられます。
こういう目指す方向が違う政党会派が、国民世論にこたえて、一点共同ができる。
それが3党合意をぐらつかせる、その道理のなさをあらためて暴き出す。
すごいことです。
3党やマスコミは「大したことない」ふりを装うっていますが、実は相当な痛打であったと確信します。
自民党の退席拒否議員、民主党の新たな離党議員、不信任案に賛成の白票を投じると、力強い拍手が提案会派からあがります。
消費税増税法案に反対した議員が、不信任案に反対の青票を投じると「え〜!」の声。
民主党は欠席議員もいて、また党の団結が崩されたことになります。
不信任案は否決。明日は参議院に闘いの舞台が移ります。
議員面会所での集会では、志位委員長が「国民のなかでは、私達が多数派」「選挙で増税連合に審判をくだそう」と力強く呼びかけると、力強い拍手が長く長く続きました。