日本共産党 田村智子
コラム

【12.08.05】「エイトレンジャー」観ました

夏休みの子どもとのお出かけは映画館

消費税と社会保障「改革」の議論が参議院で始まったのは7月後半。
子どもたちの夏休みの時期と見事に重なりました。
本会議から始まって、特別委員会と厚生労働委員会での質問が次々に入り、土日は学習会や「つどい」の弁士と、普段よりも忙しい毎日が続きました。

夏休みとはいえ、中学生も高校生も部活の練習で学校に行く日もあるのですが、親としては、どこかに出かけるという予定も全く立てられず、心苦しい日々。
「今日は休み?」「仕事」
「何時に帰ってくる?」「いつもと同じかな」
「その『いつも』がわからないでしょ!」――おっしゃる通り…。

そんななか、やっととれた休み。どこに行くか…。
あらかじめの計画をたてるゆとりもなく、思いつくのは映画ぐらい。
今、私が観たい映画は洋画ばかり(ぼくたちのムッシュ・ラザール、屋根裏部屋のマリヤたち、キリマンジャロの雪、それでも愛してる、あの日あの時愛の記憶などなど、あ〜観たいよ〜)。

中高校生でも観てわかるとは思うのですが、「え〜、字幕はやだ」と娘。
「気軽なのがいい。コメディみたいなの」と息子。
相談した結果は「エイトレンジャー」、ジャニーズの人気グループ、関ジャニ∞主演。

ヒロインもののコメディタイプ、と思って、まさに気軽に観たのですが、これがなかなか。
設定がシニカル、風刺が効いていて、胸のうちでは「う〜ん」と感嘆のうなり声。
2050年の日本。超少子高齢化で国家財政は困窮し、社会保障をはじめ公的分野は極限まで民営化。
子どもたちは全国学力テストでふるいわけられ、合格ラインを越えなければ見捨てられる。超エリートの美しい町と、工場地帯に隣接する貧民街の完全なる分断。

現実を反映し、誇張した設定。そんなばかなことが…とは言えない怖さがあります。
アイドルグループの主人公たちが、かっこよく描かれる場面が全くと言ってよいほどない。
コメディ一本やりでもない。
奥の深さはいまひとつですが、観終わっての感想は「なかなかやるじゃないか」。
エンディングは次回作を予感させるものですから、要チェックです。

私の好みで選べば、おそらく観なかった映画。
子どもと一緒だから出会えたと思うと、「こんなお出かけしかできなくて…」という気持ちもやわらぎます。
子どもたちも、帰りに食べたパフェも含めて満足の様子。

お盆前、国会は一つの山を迎えます。
暑い夏、へばらず、嘆かず、目の前の課題や試練にとにかく全力で挑みましょう。