日本共産党 田村智子
コラム

【12.07.30】「テレビで質問していた方ですね」

千葉でタクシー運転手から声をかけられて…

千葉県柏市内で、青年トーク集会に参加しました。
柏駅前は市民祭り。猛烈な蒸し暑さのなか、踊りの輪、吹奏楽の演奏ととてもにぎやか。
お祭り好きの血が騒ぎますが、会場に急がなければと、少し離れた場所にも設けられた臨時のタクシー乗り場へ。
時刻は午後2時前、気温は急上昇で少し歩いただけでも汗が噴き出します。

通りの向こうにタクシーが見えたとたん、車内の涼しさが思い浮びます。
汗をふきながら、いそいそと車内に乗り込むと…
「この前、テレビで質問していた方ですよね」
7月25日の参議院特別委員会、テレビ中継の入った審議で4時過ぎから20分、私が質問に立ったのです。
「すぐにわかりましたよ。食い入るように見てましたから」
「こう、ずばずばと質問されて、よっかた、わかりやすかった」
――やや興奮気味に、こんな感想を伝えてくれました。

議員バッチもなく、上着も暑くて手に持っていたので、見た目に議員らしさはなかったと思います。
それでも気付いてもらえた。驚くやら、嬉しいやら、気恥ずかしいやら。

消費税増税で社会保障はよくなるのか――この1点で、介護保険の利用料にしぼっての質問でした
難しくない質問だったことが、かえって、社会保障は「よくならない」「今より悪くなる」ことを、くっきりはっきり描き出す結果になったのだと思います。

質問直後から、メールや電話が私の事務所やホームページ、党中央の電話やメールに続々と寄せられました。
かつてない反響でした。

消費税増税への不信や不満が、多くの人のなかにあって、もやもやした思いにシンプルな質問が「はまった」、思いを代弁したと感じてもらえたのでは。
くわえて介護の問題の深刻さ、よせられた声から、あらためてかみしめました。

「保険料がまたあがった」「私は70歳です。父親の介護をしています」
「年々、介護サービスが利用できなくなっています」
保険料だけ天引きで払わされ、値上げをされても文句もいえない。
それなのにサービスは利用したくてもできない。このつらさ、悔しさはどれほどのものか。

消費税を13兆5000億円も増税しようというのに、保険料は介護も医療も今より急騰する。介護サービスの利用料も今より重くなる。一体、13兆5000億円はどこに消えるのか。
この質問は、政府にとって、大変いやな質問だったようです。
開き直るかのような答弁が、野田首相、岡田副総理、安住財務大臣、小宮山厚生労働大臣と続くのです。
「税金と保険料と利用料しかないのだから」と、負担増は当然といわんばかりの答弁が繰り返された。なんと冷たい答弁かと、質問席にいながら驚いたほどです。

消費税を社会保障の財源だといって増税し、消費税と保険料の範囲でしか社会保障制度を運営しない。(消費税増税の相当な部分は、赤字解消に消えるのですが…)
それでは所得税、法人税などの税収はどこにつかわれるのか。
巨大公共事業計画は目白押し、アメリカからはオスプレイがやってきて米軍基地整備費も指一本ふれない。
なんとわかりやすい構図になってきたことか!

私達の質問は18分とか、20分ということがほとんどで、時間が短いことをとても悔しく思っています。
けれど、多くの方にインターネットなどでみていただくには、大変都合のよい時間。
参議院のホームページからいつでも視聴可能です。消費税増税のたくらみを打ち破る一助にしていただければと願っています。