日本共産党 田村智子
コラム

【12.06.26】消費税増税法案が衆議院で可決

いよいよ論戦の舞台は参議院に

衆議院本会議、NHKがテレビ中継で議員1人ひとりの投票の様子を中継。
予想通り、賛成・反対の数字が画面の下で動いていく。
賛成363、反対96――この圧倒的多数の賛成票はなんなのか。
まさに消費税増税大連合、これが政権交代のなれの果てなのです。

民主党の公約違反はもちろん、あれだけ野田政権を攻撃していながら、あっさり修正協議に応じた自民党、公明党も、有権者に対していったいどんな言い訳をするのでしょう。
どんな言い訳をしようとも、この歴史的な裏切りは許されるものではありません。

午後3時半、衆議院の議員面会所。本会議の採決を見届けたみなさんが、抗議集会で怒りの声を次々に発言。
私達議員団も、衆参からかけつけてずらりと並びました。
前列に並んで、真剣に発言に聞き入るみなさんの姿に、消費税が誕生した時の国会を思い出していました。

1988年12月、売上税の提案から2年、3年がかりで、いよいよ消費税法案が制定されようとしていました。
私も何度も議員面会所にかけつけました。街頭で宣伝を繰り広げました。

国民の反対世論を押し切っての本会議の採決は、会期末ぎりぎりで行われました。
牛歩戦術で、議員席から登壇して投票するのに1時間以上かけて歩く議員たち。
時間をかせいで、会期末までに投票が終わらなければ廃案、という一抹の可能性もありました。

それ以上に、牛歩は、採決への抗議、消費税への国民の怒りを体現する、最後のたたかいだったのです。
真夜中、足踏みし、身体をわずかに動かし、投票の意思を示しながら(たとえば座ったままだと投票の意思がないとみなされるため)、国民の怒りを牛歩で体現する議員たち。
「そんなことをして何になる」と揶揄する声もありました。
しかし、私には、無言の抗議がひしひしと伝わりました。目頭を熱くしながらテレビ中継をみていた記憶があります。

誕生の時も、5%への引き上げも、今回の段階的10%への引き上げも、選挙では口をつぐみ、正々堂々と国民との話し合いをすることもなく、だまし打ちのように採決が行われた。
それが消費税です。

もろ手をあげて歓迎しているのは、日本経団連。原発再稼働も同じ構図です。
わが企業の利益だけ、目先の利益だけ守れれば、日本の経済・社会がどうなろうとも構わない――こんな人たちに政治を牛耳られるわけにはいきません。

さあ、闘いはいよいよ参議院。
消費税増税と合わせて、社会保障の歴史的大改悪が提案されているのですから、私も論戦の先頭に立つ覚悟です。