日本共産党 田村智子
コラム

【12.06.08】安全を保証する? 原発再稼働を許すな!

夕方、野田首相が決断の記者会見か

 
福井県知事の求めに応じて、今日夕方、野田首相が記者会見。
大飯原発再稼働について、朝のニュースが重々しく流れました。
野田首相が国民に直接、「安全を保証する」そうです。

「なにそれ?」 息子の弁当を準備しながら思わずつぶやいてしまいました。
どうやって安全を保証するのか。
地震も津波も決して起きないということか。どんな巨大地震にも津波にも、事故は絶対に起きないということか。

若狭湾は活断層の巣、大飯原発の敷地内にも断層は確認されている。
事故が起きた時、格納容器の圧力を下げるため蒸気を外に出す「フィルター付きベント」設備は未設置(2015年度までに設置予定)。
防潮堤のかさ上げもこれから(2013年度までの工事)。
ストレステストで「十分に安全」と結論を出すことに、検討に加わっていた専門家が異議を唱える。
野田さん、これで何を根拠に安全を保証するのですか?
「首相が安全だと宣言すれば、安全だ」とでもいうのでしょうか。

首相官邸前には、この数カ月、波状的に抗議のみなさんがかけつけています。
若者たち、子どもを連れたお母さん、福島から首都圏に避難している方…。
ツイッターで情報が交わされ、自分の意思で集まる1人ひとり。

私も先月、首相官邸前の行動にかけつけてマイクをにぎりました。
夏の電力不足が心配だというのならば、節電、代替発電など、その対策に「命がけ」で取り組むのが政治の責任ではないのか。
原発関連で働くみなさんの仕事も、原発に代わる仕事起こし、地域復興にこそ、「命がけ」で取り組むべきではないのか。

「原発は必要ではないか」「自然エネルギーで大丈夫なのか」という疑問や不安を持つ方もいるでしょう。
そういう疑問や意見も率直にだしあって、私達が生きるこの社会の在り方を、自分の問題として考えようとよびかけたい。
誰かが決めることではない、もはや誰もが第3者にはなれない時代です。

地震の巣窟で原発を動かすことがどれほど危険か、私達は直面してしまいました。
原発に代わるエネルギーを科学力、産業力、技術力、力をつくして開発する、
エネルギーの大量消費はしない生活や社会に、一歩一歩変えていく、
私は、自分の生き方としてそういう道を選択します。

3・11前まで便利だと思って毎日使っていた食器洗い機。今はほとんど使っていません。
昨年の地震の直後は、モップやほうきもこれまでより回数多く使いました。
(今も掃除機をこまめに使うことは皆無ですが、これは単に時間がないだけになっているかも…反省です。)
そういう小さな節電も、「原発なくしてやるんだ」という思いをこめて続けていけば、原発にしがみつく政治への反撃の意思を表すことになると思います。

デモや集会、宣伝、抗議行動、もちろん大切です。
抗議の手紙やメールやファックスも。
そして、何より自分の生活の中に、生き方の中に意思を貫くこと。

朝のニュースへの怒りを持ちながら、
日本電波ニュース社が作成したDVD「未来への決断 〜ノーモア原発〜」を見ました。
いいです、これ。(写真上)

東電の福島第一原発PR映像から始まり、事故の悲惨さも映像でその断片をくっきりと私達に示してくれる。
飼っていた犬も猫もケージに入れたまま、着の身着のままで突然避難生活になった家族に随行して、原発から直線距離4キロの自宅へ。
ケージの中で変わり果てた姿になった家族同然のペットたち。
その映像を東京の仮の住まいでじっと見つめる小学生の娘さんの大きな瞳。

福島市内の映像、私も訪ねてお話をお聞きした保育園。
医師として谷川智行さんが登場。甲状腺の触診をしている姿に「がんばってるな、谷川さん」と、ここだけ思わず笑みがこぼれました。
(名前は紹介されないのですが、ともに候補者として活動した同志です)

原発と核兵器の密接不可分の関係。原発開発の歴史も、アメリカにまで行って取材しています。
さらに原発をつくらせなかった新潟県旧巻町の住民運動を詳しく紹介。これは勇気と希望がわきます。
3部構成で各20分足らず。学習会で使えますよ、おすすめです。

と、最後はコマーシャルのようになってしまいましたが、どうやって世論を広げるかを考えると、視覚にも訴え内容の濃い資材が本当に必要だと思うのです。
6月12日には衆議院第1議員会館で、さよなら原発1000万人署名報告集会が開かれると、今、案内が私の事務所にも届きました。
この集会、私も賛同人として名前を連ねています。超党派62人の国会議員が賛同人(8日12時現在)。
やれることをどんどんやる。野田首相の「安全宣言」に負けるわけにはいきません。