日本共産党 田村智子
コラム

【12.05.30】自衛隊レンジャー訓練の市街地行進の中止を

防衛省への要請で怒りの発言

6月12日が迫るもとで、5月28日(月)は、板橋区西台駅前で、訓練の中止を求める緊急街頭宣伝を行い、
今日30日(水)は、防衛省へ要請に行きました。

28日に宣伝を行った場所は、まさに訓練部隊が行進することになっている通り。
駅前の歩道は、2列で歩けばすれ違いもできない幅です。
車道とはガードレールで厳密に分けられていますから、すれ違うために車道にちょっと出る、というわけにもいきません。
ここを銃をもち武装した隊員約30人が歩くとなったらどうなるのか。

しかも、駅前は飲食店がずらりとならぶ商店街。
朝、仕込みの時間だったり、すでに営業をしていたり、様々な食べ物の匂いが漂うことでしょう。
そんな店の目の前を、3ヶ月間、満足に食事も与えられずに訓練を続けている隊員が歩いて行くのです。
歩行者や自転車とすれ違うために、たびたび立ち止まりながら。

なんのために、この平穏な町の中を武装した集団が行進するのか。
あらためて疑問と怒りとがわいてきます。

防衛省に要請することをよびかけたのは、日本平和委員会と東京平和委員会。
板橋区、練馬区の党区議、地元住民も同席し、私を含めて約20人の要請団となりました。
対応した防衛省の役員と、30分間、丁々発止のやりとりが続きました。

5月21日に防衛省に説明を求めた際に、道が狭い、学校や保育園、公園に隣接しているなど、現地視察をしたみなさんから問題点が多々指摘されました。
防衛省は「現地の状況をもう一度確認して、懸念があれば検討する」という回答でした。
今日の要請の回答では、「市民との調和を大切にして実施する」と繰り返されました。
「調和」とは何か。武装した集団が銃をもって現れて、どうやって「調和」できるというのか。

地元商店街、自治会、板橋区・練馬区、区議会などが、訓練の中止を求めたらどうするのか、ここも大切なポイントです。
「検討し判断する」
「いったい誰が判断するのか。中止とか、変更は誰が決めるのか」
「防衛省が判断する」
「防衛省のだれが判断するのか」
「大臣だ」
「大臣!?」という声があちこちで起きました。

地元の了解を得られるよう説明の努力もする、ということも強調されました。
しかしその説明は、「災害派遣などで市街地を通ることがあるから、基地の周辺の市街地を歩く訓練が必要」という程度のものではないのか。
「災害対応の訓練ではない事を説明すべきだ」と迫ると、レンジャー訓練の目的の一つは災害対応だと、開き直る。
これには黙っておられず、「東日本大震災の時に、銃をもってこんな装備で東北に行ったのか」と、思わず声を高めてしまいました。

災害対応訓練ではないことを、明確にして説明すべきと、重ねて求めても言を左右にして逃げる防衛省。
このやりとりの最中に、「時間を超過していますので、ここまでとさせていただきます」
一方的に打ち切られました。

先日の説明の時よりも態度は硬化しているようにも思えました。
どんな懸念があろうと、何が何でも強行する。
要請のなかで、人口の多い市街地や商店街で、訓練が行われたことがあるかを確認すると、40年前には行ったことがあるとのこと。
長年の封印をなんとしても破りたい、ということか。

ならば私達も、平和運動の歴史をきざむような行動をしなければ。
次の行動は、どうやって中止に追い込むか。
意見を交わしながら、頭の中でも作戦を練りながら、防衛省をあとにしました。