日本共産党 田村智子
コラム

【12.05.13】スカイツリーの地元で演説会

開業直前の光と影が見えてきます

快晴の日曜日。東京スカイツリーの地元、墨田区での党演説会に向かいました。
私の自宅付近からも(少し広い道に出ると)、スカイツリーはよく見えます。
先週のライトアップ企画では、暗くなり始めた空に浮かんだツリーがとても幻想的でした。

荒川をわたり、墨田区内に入ると、一段と大きく迫って見えます。
ここが地元なのだと実感します。

演説会では、小選挙区予定候補者のあとう和之くんと私が、新しい日本の政治への展望を話しました。
あとう君は、彼が東大の1年生だった時に、党の学生対象の学習会で初めて会いました。
当時から新入生とは思えない堂々としたところがありました。
党の地区委員長や選挙戦を通じて、ますます頼もしい政治家になったなぁと、姉にでもなった気持ちで演説を聞きました。

国政の話の前に、西恭三郎区議が墨田区の課題について報告。
スカイツリー開業を目前に、様々な懸念・不安があることがわかりました。
今やマスコミで報道されない日はないスカイツリー。

観光客も増え続けている様子。
トイレ不足で、近隣の商店街にトイレだけ借りに来る人が増え続け、地元は悲鳴はあげました。
党区議団も東武鉄道や墨田区に要請し、公衆トイレが設置されたとはいえ、いまだ不十分。
時には町の中で用を足してしまう人もいて、地元には深刻な問題になっているようです。

夜遅くまで人が集まることも不安の種。
スカイツリーの向かい側は、私の家の周りと変わらぬ、ごく普通の下町です。
町工場や4・5階建ての事業所、木造住宅の古い町並み。
ところがスカイツリーの前にできた公園では、深夜まで人が集まり、スケボーの音も響く。
騒音、治安、みなさんの不安は、毎日の生活に直結するだけに深刻です。

スカイツリーができれば町が活性化し、経済も元気になる。
そうあってほしいと思います。
けれど、スカイツリータウンには地元商店は1軒も入りませんでした。
出店のためにはまず1億円超える必要が必要という説明に、手を挙げる地元業者は1人もいなかったと言います。

もちろん、地元商店は独自の努力、創意工夫をしているでしょう。
町を回遊することを想定したタウンになっているか、地元と協力する立場に立っているか、開業してからも注視しなければと思います。

墨田区と言えば、夏の花火大会。
20代半ばに一度だけ、そのど真ん中に出かけたことがあります。
車両を完全に締め出した道路には、足の踏み場もないほどゴザやレジャーシートが敷き詰められ、地元の人が自分の家の前で焼き鳥を焼き、招待した友人たちにふるまう。
通りかかれば、食べていけ、飲んでいけ、さあここに座れとばかり、みんなが仲間。
あ〜これが下町のイベントなんだと、別世界を歩くようでした。

こういう町にできたスカイツリー。
この下町のよさを生かした観光スポットにできるかどうか。
私も不安半分、期待半分。遠くで眺めるだけでなく、足元をたずねてしっかり見ていこうと思います。