コラム
【12.04.19】おまけのウガンダ記(最終回)
食べ物や市街地のあれこれ
「またウガンダのこと? もうウガンダに住めば?」とは娘の言葉。
そんなに話したつもりはなかったのですが、娘にしてみれば10日間も留守にしていたこと自体、気に入らなかったでしょう。
ということで、「7回もウガンダのことを書いたら、もう十分でしょ」といわれそうですが、これまでの「ウガンダ記」を読んだ方や、私がアフリカに行ったことを知った方から、一番多い質問、食べ物はどうだったのか等々、最後に写真とともに紹介して終わることにします。
食べ物の話の前に、写真はウガンダの国会を見学した時の一枚。
議長席をはさんで、参議院の国際会議課のS課長、同じくTさん(発言準備から通訳までお世話になりました)、議会事務局の方も一緒にパチリ。
暑い日だったので、私の服はTシャツ。
柏田雄一さんが経営する現地の工場、フェニックス社で購入したものをさっそく着てみました。
首には、ウガンダの女性たちのペーパークラフトのアクセサリーをつけているのですが、ちょっと見えませんね。
広告の紙などを再生して、石のように固めて色をぬり、ワックスをかけるという、とても手間のかかる仕事です。
女性の経済的自立を目的に、お土産品として普及させているようです。
イギリス統治のもとでつくられた議事堂、本会議場は日本よりもかなりこじんまりとしています。
議長席の目の前に、大きなテーブルがあって、左右に政府と野党がわかれてすわり、テーブルをはさんで議論をするとのこと。
このテーブルの幅は、手をのばしても届かない距離になるようにつくられているそうです。
「議論はエキサイティングですか?」
「とてもエキサイティングです。時には深夜まで議論になりますよ」
なるほど…。
次は、カンパラ市内で一番大きなショッピングモール。
24時間営業のスーパーは、日本の大型スーパーとほとんど同じ。品揃えも大変豊富。
スニッカーズやネッスルなど、日本でおなじみのお菓子が同じような梱包で並んでいました。
お酒、コーヒー、紅茶は大きなスペースをとって売られていました。
観光客のおみやげにもなっているようです。
私の目がきらりとしたのは、生鮮食料品売り場。
どんな野菜や果物が並んでいるか…珍しい品物は…と物色しましたが、これまた日本とほとんど同じ。
ピーマン、キャベツ、トマト、ねぎまで!
にんじん、りんごはかなり小さい。じゃがいもは大きくてごつごつと野性味があります。
大きなオクラは、以前、八丈島でみた「ねり」(オクラのこと)と同じですが、ちょっと硬そう。
充実していたのは加工肉、チーズのコーナー。
ハムやソーセージ、そして多種多様なチーズは、日本のデパ地下を思わせます。
ヨーロッパからの輸入品が大量に入ってくるとのこと。
「アフリカ=食事が大変」という既成概念が見事に砕かれました。
このスーパー視察(?)で、思わぬ出会いがありました。
コーヒー売り場のあたりを歩いていると、後ろから「たむらともこさんですか?」と日本語でよびかけられました。
驚いて振り返ると、女性が1人。「私、赤嶺政賢の娘です」!
(赤嶺さんは、日本共産党の沖縄県出身の衆院議員)
こんな偶然があるのだろうかと、本当に驚きました。
日本の旅行会社のツアー(野生のゴリラに会いに行く)でウガンダに来て、帰国前の買い物をしていたら、私が通りかかったとのこと。
これって、すごい確率です。広い地球で、広いウガンダで、こんな一瞬に遭遇するなんて!
このショッピングモールには、飲食店もあります。
会議がオフだった日、昼食は現地のカフェに入ってみようと、大西議員とランチをともにしました。
私の隣が、参議院の国際会議の「娘」Nさん。
食欲旺盛で、このお皿のポテトをたいらげてました(朝食を食べていなかったから、というのが本人の弁ですが)。
マクドナルドの看板を見かけたくらい、カフェのメニューはアメリカ風(?)。
そしてボリュームがすごい。
テーブルの上に並んでいるのはサンドイッチ。なかなか美味でした。
カフェ・モカは、ミルクの泡とチョコレートでかわいいペイントもしてありました。
ウガンダ料理は?と聞かれると、なかなか難しいのですが、これはアフリカ料理のレストランでの写真。
ビュッフェなので、いろいろな料理がお皿に並びました。
甘くないパンケーキ(チャパティ)は、一般にはあまり食べないようです。
もっと簡単に、とうもろこしの粉をこねて固まりにしたもの(「そばがき」に似ているそうですが、「そばがき」を知らない人が多いかな)、とうもろこしの粉をおかゆのようにしたポリジが主食だそうです。
豆の煮込み、鶏の骨付き肉、ラム肉、鶏肉・牛肉のソーセージ、そしてティラピアのソテーは、晩餐会でもレストランの朝食でも並んでいましたから、これもよく食べるのでしょう。
とはいっても、現地の料理だというこのレストラン、パール・レストランは、地元の人が気軽に入れる店ではないようです。
レストランの前の道は、ライフル銃をもった軍人、警官が大勢いますし、道もわざと障害物を置いてまっすぐには走れないようにしています。
海外からの観光客のためにつくった店なのでしょうか。
IPU会議があったからだとは思いますが、銃を持った軍人は、ホテル周辺に何人も固まって立っていて、ホテルのまわりに簡易テントをはって24時間の警備をしていました。
民族紛争があったのは30年近く前のことですが、南スーダンに拠点を移したという反政府勢力のテロ行為を相当に警戒していることがわかります。
パール・レストランでの笑い話が一つ。
食事を終えて、コーヒーでも飲もうかと相談して、追加で注文すると、しばらくしてテーブルに運ばれてきたのが、上の写真。
缶入りのインスタントコーヒー。
最初はまさかインスタントとは思わず、缶を手にとって観察。
すると「Pure Instant Cofee」の文字。
これには一同爆笑でした。
この缶と人数分のカップはテーブルに置かれたのですが、そのまま数分が経過。
まさか粉を食べるんじゃないよな…。待つことさらに数分。
ポットが二本運ばれてきました。お湯とホットミルク。
「ああ、自分で好みの濃さにするのね」と、また笑い。
私が最初にお湯を注いだのですが、ポットの栓をしめようとしてもしまらない。
あれ?と首をかしげていると、向かいのTさんが受け取って、「これ違いますね」
どうやらポットの本体と栓は、最初から別のものだったようです。
さて味は…
最初に味見をした私、「うん、すっきりしていますね。すっきりした…インスタントコーヒーです」
笑っても笑っても、次の笑いがやってくる。なんとも楽しいランチタイムでした。
そして最終日のエンテベ空港近くのレストランでいただいた一品がこれ。
ティラピアのから揚げです。
アフリカらしいメニューをと、参議院4人組で相談して注文しました。
ティラピアもナイルパーチも、ビクトリア湖の生態系を脅かす存在ですが、魚料理の主流がこの大型の外来魚。
アフリカのなかでも観光客の多いウガンダで、この魚は欠かせない存在になっているのだと思います。
なかなか複雑な心境です。
でも、味は、日本人にも食べやすい、くせのない味。
ヤマメやイワナ、ニジマスよりも、くさみがありません。
このから揚げは皮のところがぱりぱりで、香ばしくて、1週間の食生活のなかでも美味しい一品でした。
ウガンダがアフリカだと思ったら間違いですよと、大使館の方や、ウガンダで働く日本人の方々から言われました。
ビクトリア湖の豊かな水の恵み、赤道直下であるにも関わらず標高1200メートルの高原、雨季には朝晩雨も降る、肥沃な赤土、ここはアフリカのオアシスなのだと誰もが言います。
しかも私の旅は、海外経験の豊富なスッタフのみなさんに「おんぶに抱っこ」の毎日。
レストランもホテルも買い物も、困ることのないようにと、フォローしてもらってのことです。
いろんなことに、たくさんの方にあらためて感謝しています。
みなさん、お世話になりました。そして、ありがとうございます。
ウガンダの平和と豊かな発展を心から願っています。
(発言を終えた日、ほっとして、連泊したホテルのフロント、ゴリラの親子と記念撮影。プライベートで再訪の機会があれば、今度はゴリラの生息地に挑戦したいですね。)