日本共産党 田村智子
コラム

【12.04.08】ウガンダ記その1

3月29日成田発、30日夕方ウガンダ着

 
久しぶりの更新になってしまいました。
3月最終週、質問ラッシュが終わった直後の29日夕方、成田空港に向かい、アフリカ赤道直下の国、ウガンダへ旅立ったのです。

参議院から派遣されて参加した列国議会同盟(IPU)の会議。
初めての海外派遣、初めてのアフリカ。
機内2泊を含む、4月7日までの9泊10日、その記録を何回かにわけてアップします。
(ウガンダでも更新しようとPCも持っていったのですが、いくつかのトラブルで…。もっと機器を使いこなせるようにならないといけませんね。)


3月29日、夜10時過ぎ。ドバイに向けて離陸。
いよいよウガンダへの旅が始まりました。
「しばらくは日本料理も食べられないだろう」と思いきや、離陸して間もなく、機内食の注文をとるキャビンアテンダントの声が聞こえてきました。

diner? japaese or …? という単語が聞こえてくるのです。
中東のエミナンス航空ですが、JALとの共同運航なので、どうやら日本食があるようです。
お腹いっぱいだからなあ…。
少しどきどきしながら、私の順番を待って「No thank you」と返事。
すると今度は、何か飲み物がいるかと聞かれたので、「オレンジジュース・プリーズ」――こうして初めてのin English pleaseの旅が始まりました。

10時間を超えるドバイまでの空路。
「映画やゲームが出来るはずだから、楽しんでください」という、夫からの「行ってらっしゃいメール」の通り、目の前の画面にはメニューがたくさん。
映画は100本以上見られる様子。しかも、日本で今まさに上映中、それどころか封切り直前の映画まで!
ところが…字幕もない英語のようです(帰りの機内で、「Japanese films」コーナーがあったことに気付きました。相変わらずのそそっかしさです)。

映画のタイトルを次々にみてみると…ありました!救世主の映画が。
日本では公開直前の無声映画「The Artist」。
観たいと思っていた映画に、こんなところで出会って、しかも助けてもらえるとは。

実は隣の席の男性も同じ映画を、数秒遅れで観ていました。
エンドロールが終わったとき、ちょっと視線があって、お互いににっこり。
英語圏の方だったので会話とまではいきませんでしたが、サムアップで気持ちが通じました。

映画も観終わり、とっくに暗くなった機内にあわせて睡眠体制に。
ありがたいことにほぼ完全に横になれて、初めての機内泊も苦痛に感じることなく、深くとまではいきませんが、休めたと実感できる眠りにつくことができました。
私って結構サバイバルタイプ?

現地時間AM5時、約10時間のフライト終えて、夜明け前のドバイに到着。
日本領事館に勤務する派遣員の女性2人が出迎えてくれました。
乗り継ぎのラウンジで約3時間半の休憩です。
フリードリンク&フードをいただきながら、ドバイの生活について派遣員のOさんにたくさん質問できました。

「中東を希望したの?」「いいえ、東南アジアを希望したんですけど、ここになりました」
「どうして東南アジアを?」「食べ物がおいしいじゃないですか」
なるほど。一度派遣されると、一時帰国の交通費もでないまま3年間の派遣とのこと。食生活に関わることはとても重要です。

時間の約束などあってないがごとくのドバイの日常生活。
ラマダンの日は、隠れるようにして食事をとるとか、
ラマダン明けは官庁含めて数日の休日が当たり前とか、
最も熱い季節には気温50度湿度100%で、外を歩くと命の危険にさらされるとか、
車の名義変更に1ヶ月もかかったこととか…
過酷な経験を笑いながら話してくれました。
異なる文化の国での生活は、おおらかな気持ちで、何かあっても笑い飛ばすくらいのエネルギーが必要なのかもしれません。

現地時間8時25分、ウガンダへの飛行機に乗り込みました。
IPUに参加する各国代表がほとんどのようです。
隣の座席は、韓国の国会議員。私の片言すぎる英語と筆記の漢字で、なんとか交流ができました。

この方、機内の読書用に持参した本は、なんと日本人作家の人気シリーズの韓国版。
日本の小説が好きで、織田信長、豊臣秀吉、坂本竜馬など歴史小説をよく読まれるそうです。
日本では韓国ドラマが人気で、私も「ホ・ジュン」に感動したことを伝えました。

6時間近いフライトで、ビクトリア湖と緑豊かな大地が見えてきました。
ウガンダのエンテベ空港です。
アフリカというとサバンナ、赤道直下というと猛暑を思い描きますが、標高1200メートルの高地、日本よりもからりとしたさわやかな気候。そして赤土と緑の風景。
第1歩から、見事に、そしていい意味で「裏切られました」。

 

空港では、日本大使館から山崎参次官に出迎えていただきました。
首都カンパラまでの40分ほどの道のり、この国の気候や特徴をたくさん教えていただきました。
舗装された幹線道路は一本道、沿道には、英語の看板だらけ(コカ・コーラの看板はどこにでもありますね)。
小さくて雑然としていますが個性的な店が、途切れ途切れに続きます。
なかでも目を引くのは衣料の店。色鮮やかでファッショナブルなドレスの数々。
日本の「社交ダンスの衣装を売っている店」を思い浮かべてしまいます。

カンパラの中心地近くに、スラム街のようなところもありましたが、町は想像以上にきれいです。
植物も豊か、芝生や木の上には大きな鳥が、人間を恐れる様子もなく、絶妙な距離で静かに立っています。
こうのとりの一種、「はげこう」と呼ばれる鳥だそうです。

ビクトリア湖の恵みで、植生も豊か、鳥の種類も多く、バードウォッチングに来る旅行者もいるそうです。
「う〜ん、これは出発前の認識を変えないとなぁ」
沿道のルリマツリ、ランタナ、ねむの木、ハイビスカス、日本とよく似た植生に驚きながら、「アフリカの真珠」と呼ばれるウガンダでの生活に、期待がふくらみます。
(次回に続く)