日本共産党 田村智子
コラム

【12.02.29】これは国会の暴走ではないのか

国家公務員の給与7・8%カットの議員立法が成立

朝6時前、雪景色だろうかと心配しながらカーテンを開けると、ちょうど雪が降り始めたところ。
子どもたちが学校に出かけるころには、積もり始めました。
「これは電車が遅れるぞ」、私も身支度を急ぎました。

午前10時の本会議。国家公務員の給与削減法案の採決。
労働条件について団体交渉権が認められていない国家公務員の給与は、人事院で、民間給与とのバランスなどを検討したうえで、政府に対して勧告されます。

これを全く無視した7・8%削減案(2年間の時限的措置)。
民主・自民・公明の3党が突然議員立法で提出したものです。当事者の意見は一度も聞かずに、時の政治の思惑でこれほどの給与削減を行うとは…。
これが地方公務員の給与に、それに準じて給与を決めている様々な団体に、そして民間企業の給与にも影響を与えていくのは明らかです。

なんのための公務員人件費削減か。消費税増税をやるためのガス抜きではないのか。
国会議員はみんな、霞ヶ関の省庁に深夜まで光が煌々とともっていることを知っています。
震災の対応でも、人出不足で災害復旧費の算定さえ遅れに遅れていることも知っています。

国会議員の定数削減、国家公務員の人件費削減、どちらも消費税増税ための布石でしかありません。
議員の活動はどうあるべきか、国民の1票がちゃんと政治に反映しているか、公務員の仕事や待遇はどうあるべきか、そういう理念は全く議論されていないのですから。

怒りをこめて反対票を投じましたが、政党として反対の立場をとったのは日本共産党と社民党だけ。合わせても反対票は10票…かと思ったら、自民党から反対票を投じた議員がいました。
総務委員会の審議では、多くの議員が正論の主張には下を向いていたとか。

国会から「理」がなくなっていく。
時々の政党の思惑で、理を軽んじていいのかが。二重三重に許されない暴挙ではないのか。
働く人たちがやる気を起こし、よい仕事をする。働く人たちへの敬意が見える、そういう政治が今一番必要なのではと思えてなりません。