コラム
【12.01.31】9か月ぶりに宮城県石巻市へ
船や瓦礫に埋まっていた街は今…
昨年4月末に訪ねた宮城県石巻市。
雇用問題の調査で再訪することとなりました。
午前中から石巻市での調査に入るため、前日の本会議が終わってすぐに仙台まで移動。
朝8時、雪がちらつく中、ホテルを出発しました。
前回訪ねた時には、市議として私達を案内してくれた三浦一敏さん、今回は県議として同行していただきました。
船が乗り上げ、墓石も倒れ、信号もすべて点灯していなかった町。
商店街は更地になってしまったところもありますが、懸命に復旧・復興の努力がなされたことがわかります。
ハローワークで失業給付が切れる人への支援策、雇用状況など詳しく聞き、石巻商工会議所で高橋武徳専務理事から、水産関連の復興についてざっくばらんにお話をうかがいました。
水産加工、製氷、運送などの事業所は、グループ補助金をえて再建への計画を立てている、しかし地盤沈下した漁港のかさ上げはこれからで、すぐに工場を立ち上げるには、まだ時間も手続きも相当に必要とのこと。
水揚げされていた魚、加工していた魚、すべて廃棄。
何十億円という売り上げになるはずだった商品を、自分たちの手で、お金をかけて廃棄せざるをえなかった。そこからのスタートです。
グループ補助金を受けられても、あらたな借金も必要になる。これまでの借金がどうなるかも決着がついていない。
何年かけてもがんばろうと立ちあがった方々を、何年かけても支援していく政治でなければなりません。
同行していた大門実紀史参院議員は、何度も被災地を訪ね、グループ補助金も一緒になってかちとってきた立役者の一人です。
専務理事ともお互いに忌憚なく意見を言い合う仲。こういう活動を私もしていきたいとあらためて思います。
事業を再開した水産加工の事業所でお話を伺う前に、漁港をぐるりと回りました。
市街地と比べて、まだ津波の跡が生々しく残されています。
市場の白い建物は大破した姿のまま。仮設市場は、鮮魚のみを扱っています。
街灯が波に倒されたままになっているところもありました。
そのなかでの事業再開。希望であるとともに、復興への壁も様々に見えてくることでしょう。
漬け魚の向上を再開した会社。
「いったん解雇せざるをえなかった従業員に一人ひとり連絡をとったが、津波被害が怖くて海のそばでは働けないという人もいる」
「生産がストップしていた間に、取引先は他の地域での取引を開始している。私達が再開したからといって、震災前と同じ取引をしてもらえるかは全くわからない」
事業再開が遅れれば遅れるほど、こうした問題は続出するでしょう。
こういう支援策をつくったから、では、すまされない。次々と見えてくる課題にどう立ち向かうか、どう解決するか、現場とのホットラインでの支援策・対策はこれからが正念場です。
私達の滞在時間中に、雪は本格的に降り始め、寒さが厳しくなりました。
水産加工の仕事は、この寒さのなかでのきつい仕事。
新規の求人に応募してくる人がいるのか、被災地の外に求職者が流れていかないか、不安や焦燥感は想像以上のものでしょう。
それでも立ちあがる、漁港の復興、地域の復興をあきらめない。私もそのたたかいの中にしっかりと根をおろしたい