日本共産党 田村智子
コラム

【12.01.12】今年の書き初め「夢の実現」

娘の筆使いは成長したかな…

「あった、これだ」――朝、着替えを始めた娘が、兄のお下がりの長そでTシャツを手にしました。
(正確には、勝手に兄の服を着続け、とうとう「いらないよ」と兄に言わせたのですが…。)

袖の一部に洗濯してもとれない黒い染み。冬休みの最終日(9日)の書き初めの痕跡です。
今日は学校の体育館で一斉に行う「本番の書き初め」、汚れるかもしれないからと、この服を着ると9日に決めていました。

「家で書いたのと同じように書けるかな?」と不安げな娘。
「大丈夫、筆の使い方を思い出して、落ち着いて書けばできるよ」と私。
何度か子どもたちの書き初めにつきあって、私も教え方が少し上達したかな?と、実は9日の書き初めの後、自己満足にひたっていたのです。

小学2〜6年まで、週1回「お習字」に通っていたんだから、基本的な筆の使い方は教えられる自負していましたが、毎年、みんなで悪戦苦闘でした。
ついつい筆をとりあげて、「見てて」と私が「見本」を書いたところで、子どもたちに筆使いが伝授されるはずもありません。
そのうち、思ったよりも拙い自分の字に、意地になってしまったり。

今年は、息子は書き初めから解放され(選択科目は音楽)、娘と2人だったことも幸いしたのでしょうか。落ち着いて、筆使いを教えることができました。
斜めに筆を入れて、いったん力を抜いて筆先の向きを変える、止めは筆先を返す――これだけでも格段に字が変わりました。
「初めはゆっくりでもいいから、丁寧に筆を運んでごらん」――これで集中力も途切れません。
筆勢が醸し出されないのは、目をつぶり、とにかく丁寧に。

仕上がった「夢の実現」に、娘は大満足!
「こんなに上手に書けたことないよ」
ところがその後、不安がよぎりました。学校でも同じように書けるのか?
元に戻ってしまったら、宿題は誰か別の人が書いたと思われるのでは?

結果は…。なんとか、大丈夫だったようです。
失敗策だと提出しなかった一枚を見せてくれました。
筆の入り、止め、これまでとは明らかに違う上達ぶりです。
「あと3日練習すると、うんと上手になると思うよ」、半分おだてて声をかけると、
「別にそんなに習字にかけてないし」
欲がないというより、面倒くさがりなのでしょうか。
そこそこで良いと、刷り込まれるような小学校生活を許してしまったかと、なんだか悔しい。

少しの努力が継続されること、それが大きな変化、成果につながることを、子どもたちにどうしたら伝えることができるのでしょう。
書き初めが終わっても、母親としての悩みは続きます。