コラム
【12.01.09】46歳にして初めての成人式式典
葛飾区の「20歳のつどい」に参加
成人式、私は20歳になる年、何もしなかったんです。
ちょうど大学の試験期間に突入するときで、当時は連休ではなかったし、一日だけ帰省するのは「わずらわしい」と思っていました。
3歳年上の姉が、やはり帰省しなかったからかもしれません。
私立大学に入学して経済的に負担をかけているのに、振袖なんてとんでもない、とも思っていました。
今は、振袖はともかく、帰省して両親に感謝の一言も言うべきだったかと、苦い思いがこみあげます。
葛飾区から、成人式の式典の案内をいただいた時、「今年は参加しよう」と即断しました。
あいさつのあとはどうしますか?という問い合わせにも、「式典の終わりまで参加します」と即答。
自分の20歳のときの「不義理」が心のどこかにひっかかっていたのでしょうか。
46歳にして(今年で47歳ですね)、初めての成人式です。
11時からジャスト1時間の式典。
葛飾吹奏楽団(区内の中学の吹奏楽部OBなどで結成されたアマチュアの楽団)が、式の進行にあわせて演奏するという、晴れやかで親しみやすい式典です。
舞台袖に、区内在住の国会議員が私を含めて4人。
「今年は区長の登場にドライアイスはないんですか?」という会話に、「毎年恒例だったんですか?」と加わりました。
一昨年まで、舞台のせり上がりとドライアイスをつかって区長がステージに登場していたそうです。
それは、すごいというか、笑ってしまいそう…。
今年はシンプルに、と言いつつ、舞台正面の階段を下りての登場。
紅白歌合戦みたいですね。舞台監督のこだわりを感じます。
国会議員も4人が普通にあいさつしたら、面白くもなんともない、というわけで、新成人から質問を2つ受けて、各60秒以内でこたえるという企画になっていました。
質問1「ご自身が20歳のときの夢は?」
私の回答は、「核兵器をなくすこと」。ちょっと固いかな、と思いつつも、それしかなかったのです。20歳の頃の思いは。
「小学生のとき『はだしのゲン』という漫画本が発行され、高校の修学旅行で初めて広島に行き、心のどこかにずっと、どうして核兵器はなくならないのか、という思いがずっとありました。私が20歳の頃、20数年も前ですが、核戦争3分前と言われて、ヨーロッパなど世界で核兵器の軍縮、廃絶の運動が湧き起っていました。私も、核兵器をなくしたいとその運動に加わり、今も、その夢は続いています」
質問2「新成人に、どんな大人になってほしいと思いますか」
事前に質問項目を伝えられて、これは、いろいろと考えました。なにせ60秒ですから。
回答は「何かを『つくる』ことに関わり続けてほしい」
「経済でも社会でも、一番の土台は、新しい価値をつくりだすことだと思います。物だけでなく、音楽や芸術をつくる、家庭をつくる、町づくりや新しい政治をつくる、みなさんそれぞれの力を生かして、何かをつくることを追い求めてほしい。ものづくりの町、葛飾で成人式を迎えたみなさんに期待しています」
会場の振袖姿の女性たち、スーツや羽織はかまの男性たち、みんな静かに、しっかり前を見て聞いてくれました。
「荒れた成人式」なんて、どこの話? こんなに集中して話を聞いてくれるのかと、嬉しい気持ちでステージを下りました。
その後の、吹奏楽団の演奏、プロの歌手の演奏は、客席から鑑賞しました。
区内の小学校・中学校で部活に一生懸命とりくんだ子どもたちが、青年になり、社会人になっても練習と発表の場をもてるなんて、いいですよね。
振袖姿でホルンを吹く女性にも大きな拍手がわきました。
司会を務めた新成人二人の決意の言葉で、式典はお開きに。
被災地にボランティアに行った経験もまじえての言葉に、若者たちの力はもっと発揮できるはず、それが新しい社会をつくるはずと、すがすがしい空気で満たされるようでした。
会場の外は、会場に入りきれなった若者たちと、会場から外に出る若者たちで満員状態。
それ違う振袖姿の女性たちをついつい眺めてしまいます。
最近、つけまつげのアイメイク、巻き髪を垂らす、というスタイルの女性が多くて、私的には「みんな同じ顔にみえちゃう。もったいない」と思っていたのですが、
今年は、素顔を生かしたメイクの女性が多いような。なんだか嬉しい…。
息子の成人式は3年後(かな?)、娘はたぶん7年後。
「私はピンクの振袖がいい」という娘の言葉に、さてその頃世の中はどうなっているか、私は来賓で行くことができるか等々、ついつい考えてしまいます。