日本共産党 田村智子
コラム

【12.01.01】新年を迎えてのごあいさつ

政治を現実に動かす一年に

新しい年の始まりです。
政治変革の本気度が試される年として、これまでとは一味もふた味も違う活動に取り組みたいと思っています。

2011年、一番嬉しかったことは、被災地・岩手県で県立高田病院の再建が決まったことでした。
被災地の医療再建、昨年、私も国会で数度にわたってとりあげた課題です。

病院(学校なども同じ)の災害復旧は、現地で同じ機能での復旧が原則。
津波に襲われた地域の県立病院が、離れた場所に病院を再建する場合に対象にすることが政治の課題の一つでした。

加えて、公立病院はいまだに統廃合の流れが変わっていません。
岩手県庁を訪ねて医療再建の方針を聞いた時も、3つの県立病院の機能を再編する案が示されていたのです。
「高田病院は入院機能のない診療所として再建する」という案。

仮設診療所で診察を続ける高田病院を訪ねて、院長先生にその話をしたときのことは、今でも鮮明に思い出されます。
「県の誰が、そんな話をしたのか」――烈火のごとく私につめよった院長先生。
「私たちは、地域に必要とされる病院をつくってきた。この地域に病院はいらないというのなら、私の仕事が必要ないということ。今すぐにでも、ここを立ち去る」
その激しさは、これまで私が経験したことのない、強靭な意志、使命感、被災をのりこえてきたすさまじい経験に根差したものだと思います。

私にも火がつきました。
何がなんでも、県立病院として再建させなければ。仮設病院として、入院機能を一日も早く回復させなければ。

被災地での活動は、こうしたことの連続だと思います。
国会質問でとりあげました、ではすまされない。何がなんでも実現しなければならない要求がそこにある。
そのためには、知恵も使う、何度でも交渉する、質問する、現地に足を運ぶ、世論をつくる。
もっとやれることがあるのでは、と考え続ける。

それは、被災地支援だけではないのだと、2011年の国会の終わりに考えました。
社会保障をめぐって、働く現場をめぐって、何がなんでも動かさなければならない現実が目の前にある。

政治革新への本気度を示す、現実に政治を動かす、そのために何ができるのか、知恵もつかい、足も運び、粘りに粘る。
これまでにない活動ができる予感がしています。