日本共産党 田村智子
コラム

【11.10.18】原発ゼロ署名3万筆を受け取りました

党南関東ブロックの署名提出集会

 
会議室に駆け込むようにして入ると大変な熱気。
平日の昼前。神奈川、千葉、山梨の日本共産党が原発ゼロ署名を持参しての集会です。
「各地域ごとに署名を提出してください」と司会がよびかけると、みるみるうちにテーブルに山積みになっていきます。
集計された数字が報告されると「お〜」と声が起こります。その数3万3657筆。

署名に本格的に取り組み始めたのは夏頃からでしょうか。それぞれの地元にはまだ集約前の署名もあるでしょう。
手ごたえ、変化、何かが起こる予感、なんとやりがいのある時代でしょう。

活動の交流も短時間。以下、ある学生の発言、記憶をたどって紹介します。
ゼミで原発・エネルギーをテーマに教授が講義。納得がいかず発言して「論争」に。しかし、他の学生の反応が冷ややかに感じられて落ち込んでいた。
後日、学内での原発問題での宣伝で、「いつもゼミで自分の意見をしっかり発言していて、すごいなぁと思っていた」と声をかけられ、思わず目頭が熱くなった。

自分の学生時代がオーバーラップします。
自分だけがヒートアップしているのだろうか、理解されないのだろうか、無関心を装っているだけなのか政治に関わる意識はないのか…。
自己満足の運動ではなく、対話や共感を広げて政治を多数の力で変えようという立場だからこその苦悩。
がんばれ! あなたは1人じゃないよ! 発言を終えた彼に大きな拍手が起きました。

午後からは、千葉の東部地域(東葛地域)の党議員たちと「除染」等の問題について政府交渉。
ホットスポットと言われ、報道で放射線量が高いことがたびたびとりあげられてた地域です。市民も市当局も不安と葛藤のなかにあることが、次々に報告されました。
環境省、文部科学省、厚生労働省、経済産業省、ずらりと並んだ担当課。
除染の基準、方法、管理、測定器の配布(貸与)も、すべて「検討中」。
「遅すぎる」「市長からも要望を受けてこの場にきた」「その回答では報告できない」と市議のみなさんの発言は行政につきささる厳しさです。

「予算委員会で志位委員長が指摘したが、千葉県のこうした市になんの連絡も指示もないという状況は解決したのか。何か市に示したのか」――これもゼロ回答に近いもの。
「せめて測定機を配れるようにすべきではないのか」――3次補正に盛り込んでいる。

政府の話を聞きながら、環境省の体制ができていないだろうか、人員が圧倒的に不足しているのではないのかと思えてきました。
方針ができてそれを示すのが出発点ではないのです。どのような問題が起きていて、市はその対応のどこに苦慮しているのか、現場から直接つかんで必要な方針を立案する、なぜそれができないのか。
放射能問題は専門家の力が必要、行政に紹介して、市職員も市民もまず学べるようにすることもすぐにできることではないのか。

小さな不安はそのまま放置されれば、どんどん膨らんでいきます。
早くに適切にこたえて、何かひとつでも実行に移せれば、不安が爆発的に広がることも風評ももっと防げるのでは。
福島も首都圏も、県民の不安を決して軽視しない、誠実にこたえる、この立場を貫いて必ず行政を動かしましょう。