日本共産党 田村智子
コラム

【11.10.04】あっ晴れの秋空に業者婦人の声が響いて

所得税法56条廃止へ政治を動かす

 
朝10時半、議員要請行動を終えてぞくぞくと集まる女性たち。全国各地の民商婦人部のみなさんです。
「所得税法56条の廃止を」と、財務省と各党議員に要請したみなさん。同行した大門みきし議員の報告は、わくわくするような政治状況が伝わります。

自営業の事業所は、夫婦で店をやっていても、息子も一緒に働いていても、所得税法では、妻や子どもの給料分を経費にすることができません。
事業主の所得から、妻は年間86万円、子どもなどは年50万円控除が認められるだけ。
「私達を一人前扱いしていない」「男女平等を妨げている」と、業者婦人のみなさんは長年の運動にとりくんでいるのです。

この課題、大蔵省時代からどうにも政治が動かない。
転機になったのは、女性差別撤廃条約の批准、男女共同参画基本法の制定などで、女性の地位向上に日本政府も指標をもってとりくまなければならなくなったことがあるでしょうか。

運動と結んで、党国会議員団も繰り返し質問でとりあげていました。「他の先進国に、家族的経営の自営業者で家族の給料を認めない国があるか?」と追及し、「調査する」と政府にこたえさせ、他国にはこんな差別的な税制度はない、と明らかにしてきました。
ところが今度は、「他国は記帳の義務がある」という立場。
大門さんは力をこめて報告しました。「日本も1984年に、自営業者であろうと記帳が義務づけられた。現に働いている家族の給料を認めない理由はどこにあるのか」

将棋で言えば、もう「つまった」のです。
政府の側が「まいった」と言わなければならないはず。
とうとう「税制改革の中で検討したい」と言うまでになったのですが、消費税増税などの「改革」と抱き合わせなど許せません。
新しい税制が必要かどうかの議論ではなく、本来1984年に法整備をすべきだったはず。
「まいった」と言わせようではありませんか。

議員要請・財務省要請→懇談会→日比谷野音での集会→国会請願デモと、みなさんは終日の行動。
夕方、参議院の議員面会所でデモを迎えると、各県ごとにそろい上着や帽子、華やかに元気に隊列が続きました。
通りかかった外国人記者が撮影していました。小型のビデオカメラを持ち歩いているのですね。

長引く不況に震災、原発事故、そして円高…。
「つぶされてたまるか」を合言葉に、この数年、業者の方々の運動は切実さをましています。庶民増税など、もってのほかです。