日本共産党 田村智子
コラム

【11.10.01】小学校最後の運動会は秋晴れに

久しぶりに閉会式まで参加できました

「雨」の天気予報をぎりぎりでくつがえし、ちょうどよい曇り具合、暑からず寒からずの気温。本当によかった!
お弁当作りもなんだか楽しくなってきます。
小学校6年生の娘にとっても、我が家にとっても、最後の運動会。

昨晩から付け込んでおいた鶏肉を唐揚げにして、おにぎりも軽やかににぎって、「なんだか手際いいじゃない?」と自己満足に浸りながら準備を整えました。
高校生になった息子の最初の運動会は台風で延期、息子が6年のときの運動会は2度も延期。
予定通りにできたのは、足掛け10年の運動会歴で何度あったでしょうか。
仕事が重なって、途中で校庭を去らねばならなかったことも何度もありました。

娘はといえば、さかのぼること1カ月ほど前、日程の打ち合わせでふと思い出して「運動会いつだっけ?」と娘の携帯にメール。
「10月1日。来なくていいよ」と返信が来て、たくましくなったと喜んでいいのか、あてにされていないと嘆いていいのか、考え込みました。
娘いわく、「だって友達とお昼ご飯食べたいんだもの」。

学校行事に参加すること自体が久しぶり。
しばらく見ないと、他の6年生の子どもたちの成長ぶりに驚きます。
娘の白組を応援しつつ、ダンスなどに見入りつつ、久しぶりに会うお母さん・お父さんたちとの話にも花が咲きます。

お弁当タイム――娘は隣の小学校から友達を呼んでいて、一緒にお弁当を食べるのだと姿を消してしまいました。
息子は小学校に来るのは照れ臭いのか、「家で食べる」。
というわけで、夫婦仲良くおにぎりをほおばりました。こんな機会もめったにありませんから、娘からプレゼントしてもらったひと時と考えましょう。

運動会のクライマックスは6年生の組み体操。
練習中から、かなり体格の良い娘は「私は土台なんだ」と楽しそうに話していました。
花形の上にのる役割ではないことをどう思っているのかと、少し勘ぐりましたが、本当に土台を楽しんでいる様子。
「だって地面とお友達なんだよ」――この一言には思わず噴き出しました。

腰回りがしっかりしているからか、確かに、娘の「土台」はかなり安定していて、大したものです。
最後の大技はピラミッド。「7段の一番下だから大変なんだよ」と聞いていて、7段とはどんなピラミッドかと楽しみにしていました。

先生のホイッスルに、全員が中央近くに集まる。
一段目、4列に四つん這いの馬が並ぶ。二段目、手を馬の腰にかけて立つ。
三段目、四段目・・・こうしてまさに立体的なピラミッドがつくられていきました。
その頂点に1人の男子が立ちあがると、歓声と大きな拍手が校庭にわきたちました。

私も「すごい!」とつぶやき、目頭が熱くなりました。
娘は2列目にいるために顔も姿もみえません。けれど確かに「土台」でしっかりと友達を支えていることが伝わってきます。
6年生全員で一つのピラミッドをつくる。
練習で初めて成功した時、先生が泣いていたと子どもが言ってましたが、その意味がよくわかりました。
来てよかった、と心底、思いました。

原発事故で、運動会ができなかった、体育館でやらざるをえなかった、そういう話をいくつも聞いてきました。
かけがえのない体験を奪ったり、規模を小さくさせたり、子どもたちの大切な時間を原発事故が奪ったのだと、怒りも一層わいてきます。
今日の晩ご飯、家族でいっぱい話ができそうです。