コラム
【11.09.30】臨時国会が終わりました
共産党の質問に他党議員も注目
国会の最終日は、すべての委員会、特別委員会、調査会が短時間開かれて、閉会中にも必要な会議や委員派遣を行うことなどを議決します。(会期末処理、と呼ばれています)
朝から私も2つの委員会と1つの調査会をはしごしました。
こうして一斉に委員会が開かれると、他党の議員と廊下やエレベーターの中で言葉を交わす機会もあります。
今日は、自民党の女性議員から「昨日の市田さんの質問は面白かったですね」と笑顔で声をかけられました。
私も予算の質問に立ったからか、私の顔をみてすぐに共産党の議員だとわかったのでしょう。
市田忠義書記局長の昨日(9月29日)の予算委員会での質問。議場は大変な盛り上がりだったのです。
とりあげたのは東北の被災地の医療再建。私も予算委員会でとりあげてきたテーマです。
いよいよ3次補正予算に新しい政策を盛り込ませなければと、現行制度の突破をねらう全力の追撃です。
議場が盛り上がったのは、医療再建への政府の取り組みが遅い、あまりに不十分と言うわが党の追及に、他党議員も共感せざるをえなくなっていることが第一。
加えて、小宮山洋子大臣の答弁が制度を理解していないのではという思わせるものだったのです。
被災地の医療機関がぶつかっている問題は、災害復旧費の補助を受けることができる医療機関が極めて限定的だということ。
休日夜間診療など、国が推進する「政策医療」に参加していなければ、補助の申請さえできない。私も、繰り返し、厚生労働委員会、予算委員会で問題にしてきました。
また本来、補助対象の公立病院も「原状復帰」が原則のため、沿岸地域から移転した場合に補助対象となるのか、厚生労働省から明確な方向が示されていませんでした。
他の場所への移転となれば、本格復旧には時間がかかる。一定期間、仮設病院の建設・運営を認めるべき、という課題もあります。
市田さんが「なぜ全壊した多くの医療機関が復旧できないままになっているか」と質問。
上記のような答弁があるかと予想したら、
「街づくりのプランが固まっていないから」と小宮山大臣。
これで議場は「制度を理解しているのか」と、他党議員を含めて騒然となったのです。
さらに、国からの支援が何もないまま、2億円の借金をして現地での復旧を決意した、ある民間の診療所を紹介して、「民間の診療所があって、中核的な病院も機能を発揮できる。公立も民間も、公共的な医療機関ではないのか。すべて支援すべきではないのか」と迫る市田さん。
これに、「そうした医療機関も補助する」と小宮山大臣の答弁。
これには驚きました。「なんらかの支援ができないか検討する」というだけで、民間医療機関への新たな支援策は何も示していないのです。
切実な要求をつきつけられ、大臣もいよいよ無視できなくなったかと。
ところが驚いたのは私だけではなかったようで、野田首相は目を見開き、隣の安住財務大臣はあわてて挙手しようとし、厚生労働省の大臣秘書官はあわてて小宮山大臣に耳打ちをはじめ…。
なんと、答弁をやりなそうとするのです。
「官僚に言われて答弁を変えるのか」と、野党の予算委員会の理事が議事の中断を求め…。
「大臣が支援を約束した。新たな支援策の実行を求める」と市田書記局長が釘をさし、議場は演説会のような大きな拍手につつまれて質問は終了しました。
大臣の答弁がくるくる変わるようなことは許されません。
だいたい、これまでに何度も私を含め、何人もの議員がこの問題をとりあげてきたはずです。
過去の議事録を読んでいれば、何が問題になっているのかは明白です。
それらをふまえずに、うろ覚えの状態で答弁をしたのならば、大臣の資質が問われるでしょう。
支援が必要だと感じて答弁したならば、官僚に何を言われようが、道理を貫くべきです。
現場の要求の切実さを無視できない、という政府の微妙な立ち位置がこうした混乱をつくったと確信しました。
医療過疎が深刻で、医療機関の空白をうみかねない事態、これから寒い季節を迎えると肺炎の患者も増える、かかりつけの診療所、入院できる仮設病院が、今すぐ必要なのです。
テレビで質問をみていた医療関係の方から、私の国会事務所にも電話がありました。
「面白かったですね。もう現場の要求で大臣が約束したんだから実行せよと、動かすしかないですね」
その通り! 3次補正にむけてここから正念場です。