日本共産党 田村智子
コラム

【11.06.02】なんのための内閣不信任案なのか

国会審議をとめている場合じゃない!

昨日からの国会は、先の見えない暗雲に包まれたような状態です。
内閣不信任案がいつ出されるのか、苦々しい思いで状況を待つしかない。
不信任案が出されれば、国会の審議はそこでストップです。
「信任できない」内閣のもとで、法案審議をするわけにはいかない、というわけです。

2日午前10時、参議院厚生労働委員会は、介護保険法「改正」法案の主旨説明が予定されていて、あわせて、自由テーマでの審議の時間も決まっていました。
この2週間、厚生労働委員会は開かれていません。
私の一番強い思いは「質問させてくれ!」です。

一体なぜ、今、国会をとめるのか。
「菅首相がやめることが国益だ」と、自民党、公明党、みんな党は、予算委員会の場でも、衆議院の震災復興特別委員会でも、騒ぎまくりでした。

菅内閣がしてきたこと、やろうとしていること、とても同意はできません。
震災や原発事故での対応にも問題はありますが、
沖縄・普天間基地をめぐってのアメリカ政府とのやりとりは、あまりにもあまりにも沖縄県民・国民を愚弄するものです。

原子力発電所も、浜岡原発は一時的に止めただけ、安全対策をやれば大丈夫という立場。
一体、今回の震災から何を学んでいるのかと叫びたくなるほどです。

しかし! この間の自民党の政権追及には我慢がなりません。
1日、サミット報告の首相演説への質問でも、
「自然エネルギー政策は無責任だ」「原子力発電の割合を今後どうするつもりなのか」ということを、
「その場しのぎの発言しかしていない」と批判するためだけにとりあげる。

「自民党は原発をどうするんですか!」
思わず不規則発言を隣の議員に聞こえる大きさで発してしまいました。

党議員団は何度かの会議をもって、この内閣不信任案提出には賛同できない、棄権という態度でのぞむことを確認。

野党党首会談で、志位委員長が「不信任案を提出するからには可決をめざすことになるが、解散を求めるのか、新たな政権を構想するのか」と、谷垣総裁に迫ったそうです。
「解散総選挙ができる状況にはない。政権構想に展望をもっているわけではない」、谷垣さん、正直なのはいいけれど、あまりに無責任ではないですか?

私たちにもっと力があれば、と痛恨の思いです。
「原子力発電所から抜け出す政権をつくろう」とよびかけたい。
「被災者抜きで、青写真をえがくのではなく、被災者にとことんよりそった復興ができる政権を」とよびかけたい。