日本共産党 田村智子
コラム

【11.03.24】厚生労働委員会で被災者支援について質問

病院・介護施設のSOSに厚労省が直接こたえるべき

やっと厚労大臣に直接、被災地の要望をつたえる機会がもてました。
24日、参議院でいっせいに委員会が始まったのです。
この2週間、被災地で支援活動にあたっている医療関係者の方々から、いくつもの要望を聞いていました。

厚労省内を全日本民医連の方といっしょに歩きまわって、担当の課に緊急の要望を伝えたり、時には電話で、厚労省が出した通知の内容の改善を求めたり。
いずれも短時間にならざるをえないし、政府の災害対策の「じゃま」にならないようにするにはどうしたらと悩んだり。
やっと落ち着いて政府にものをいうことができる、まさに待ちに待った委員会でした。

私の問題意識は、避難所や医療施設、介護施設の現状を、厚労省がもっと直接的につかんで対策にも直接的にのりだすことが必要ではないのか、ということ。

質問の過程で、厚労省が派遣している医療チームや保健師チームから、厚労省が報告を受けるというしくみがないこともわかりました。
避難所の中にも入って活動している方々から、現状報告を受け、緊急に対策が必要と判断したら厚労省主導で行うことも必要ではないのか。

そんな思いを強くしていたときに、岩手県釜石市の病院で、停電、ボイラーの故障から寒さで9人もの入院患者が肺炎で死亡という報道。
避難所や介護施設でも同じ事態が相次いでいるという。

「病院でも懸命に受け入れ先を探していたでしょう。被災地がSOSを発しても被災地で解決するしかない、こんな苦しいことはない」
「被災地の外で、受け入れ先はここにある、搬送手段はこうする、SOSにこたえるから病院や介護施設はSOSを発してほしいというのが厚労省の役割ではないのか」
質問のなかでこう求めた時、はからずも声がつまってしまいました。

建て替え計画や医師不足から病棟閉鎖をしている公的病院はいくつもあります。
私自身も川崎社会保険病院で、一つの階が完全に閉鎖しているのを何カ月か前に目の当たりにしたばかりでした。
なぜ、受け入れが進まないのか。
「県が優先順位を判断して」という答弁に、「県も被災地なんです」と思わず声を強めてしまいました。

質問のなかでは、民医連はじめ医療関係団体の活動についても紹介しました。
宮城県塩竃・多賀城地域の坂総合病院、民医連の支援隊の拠点にもなっています。これまでに医師180人はじめ、のべ700人をこえる支援を受けて、病院での診察だけでなく、地域80か所の避難所への訪問医療、医薬品や物資の輸送も行なっています。

この坂総合病院がよびかけて、地域対策本部がつくられた。
3自治体、消防、警察、医師会、薬剤師会、市立病院、地域の他の民間病院、自衛隊などが一堂に会したいうのです。
医療空白の避難所をつくらない、薬のストックはどうなっているかなど、現状認識を共有して、集団的に即断即決で対策にあたる。
民医連の事務所で、このとりくみをお聞きした時は、希望の光をみる思いでした。
大臣や副大臣も「非常に大切なとりくみ」「参考にしたい」と答弁。
こうした経験が広がるよう、厚労省の努力も求めました。

質問時間25分、用意した質問をやりきれないと思っていたのに、気がつけば、医療費負担や、診療報酬、医薬品流通まで行きつきました。
「やってしまった。ものすごい早口だったんだ」、質問直後の心のつぶやきです。
はやる気持ちがそのまま言葉になってしまったんだろうな。

「切迫感は田村議員と同じです」という副大臣の答弁もありました。
一日も早く、一刻も早く、その活動を後押しできればと心から思っています。