コラム
【11.03.13】液状化、断水、幕張方面の被災地へ
ドロと苦闘する住民のみなさん
東京湾周辺で液状化の被害が起きている、千葉県の県議、市議から昨日連絡がありました。
小松県議と待ち合わせて、千葉市美浜区磯部地域に向かいました。
途上、街路樹のそばに噴出したドロの山が見えたり、縁石がずれているのが目についたり。地域全体に液状化現象が起きたことがわかります。
磯辺地域で車をとめて、思わず息を呑みました。
一戸建ての住宅街、すべての家の玄関前に大きなドロの山ができているのです。
住民のみなさんがスコップで懸命に玄関を埋めるドロをかきだしていました。
家から出されたドロが道路に噴出していたドロの上に重ねられ、元の道路の高さから1メートル近くも高くなっているようです。
スコップをにぎってガレージに入り込んだドロを道に出しているみなさん。
この地域の党支部の方々が、緊急事態を知ってボランティアで駆けつけたといいます。
佐々木ゆうき市議もスコップをにぎって懸命の作業。
「大変でしたね」、住民のみなさんに声をかけると次々に要望が出されました。
「ガレージがドロ浸しで車を停める場所がない。すぐそばの県営ひろばに停めさせてもらえないか」
「断水でトイレが流れない。どこかトイレを確保してほしい」
「明日雨が降ったら、せっかく集めたドロがまた家に流れ込んでしまう。それまでになんとか運び出してほしい」
小松県議が県の担当者へ、佐々木市議が市の担当者へ、それぞれ携帯電話を駆使して連絡をとります。
駐車場に要望の出されたひろばの管理事務所にもすぐに向かいました。
その場で、駐車場として使ってよいと門扉の開放。あわせて、その場に仮設トイレを置いても良いと確認。
さらに千葉土建にも連絡をとり「小型のユンボとトラックが必要。こっちにこられる人はいるか」とやりとり。
重いドロをかきだすのは大変な重労働。私も民青同盟の事務所に連絡をいれて、ボランティアで作業ができる若者がいないかと状況を伝えました。
現場に行くことの大切さを痛感しました。
東北地方が大災害の地ですから、当然、国も東北地方に力を集中するしかありません。
その他の地域には、市・県がどこまですばやく、適切に動けるかにかかっています。
ドロだらけの作業をしても断水で満足に手を洗うこともできない。
断水の原因をはやくつきとめて、水の復旧をと求められました。
「家が傾いてしまった」という女性。中に入れていただきました。
1階のリビング、歩くと微妙に床が波打っていることがわかります。
これだけのドロが地中からふきあげたのです。家の基盤が大変な事態になっていることは疑いようがありません。
このまま家に住み続けられるのか、みなさんの不安はますばかりです。
海浜幕張駅前にも向かいました。
大企業のオフィスビルと高層マンションの街。駅前いったいが液状化したドロで埋まっていたことがわかります。一日かけてドロが撤去されたようですが、表面にのこった乾いたドロが風でまきあがり砂埃をたてています。
歩道はがたがた、縁石は崩れ、点字ブロックは隆起しています。
続いて稲毛海岸。電柱が数本斜めに傾いていました。
液状化した地域はどこも、電柱がズンと下にもぐったようになっています。
2次的災害が心配です。
「地震で揺れ始めたら、ぼこっぼこっと、流し台で水が流れ行くときのような音が聞こえてきて、ふわ〜と床が浮いてきた」
その時の恐怖を語る住民の方々。
明日の雨までになんとか安全を確保しなければ。
家族を探して瓦礫のなかに立ちすくむ女性。
探していた娘さんと再会でき、泣いてだきしめる高齢の男性。
今日一日で1万人以上の方の命が救われたという報道。
一方で死者は1万人を超えるだろうという報道。
福島の原発、関東地域の計画的停電…ますます不安が募ってきます。
今、この瞬間に私にできることの小ささに、どうすればという思いが募ります。
できることから一歩でもふみだすしかない。
明日もまた知恵と力をみんなで出し合うしかない、小さくても一歩を積み重ねるしかありません。