コラム
【11.02.21】米軍事故続発 神奈川の地方議員と政府要請
「国民を危険にさらすのか」 怒りの声が続々
厚木基地に配備されている米軍ヘリコプターが、河川敷に緊急着陸。
２月のはじめに流れたニュース、これは黙っていられないと、神奈川の県議、市議のみなさんと政府への要請を具体化しました。
このニュースのわずか1週間前には、米軍のヘリコプターからの備品落下事件。作業中の男性との距離はわずか30ｍ。
そして、今年に入ってから、米軍兵士による事件も神奈川県内で相次いで起きていたのです。
外務省、防衛省には10人をこえる神奈川県の県議、市議、基地問題に関わってきた市民のみなさんが参加しました。
「いったいどうなっているのか」、我慢も限界点という市民の声が次々に出されました。
要請のなかでわかったことは、落下事故、不時着について、外務省は口頭で遺憾の意を示しただけだということです。
実は昨年も同じような時期に、神奈川県内で、米軍機から部品落下事故が２件起きています。その報告は半年以上たった10月に、「ボルトで固定すべき部品を固定しなかった」と示されただけ。
人為的ミス、個人的責任で終わっているのです。
今回も事故について説明があるかどうかは、アメリカ次第だといいます。
これが対等な日米関係といえるのでしょうか。
神奈川のみなさんは、事故、事件について、もっと真剣に検討していました。
横須賀港に原子力空母ジョージ・ワシントンが長期停泊し、メンテナンスを行っている時期に、連続して事故、事件が起きている。
このことについて、政府も問題意識をもってアメリカにただすべきだと迫りました。
ジョージの寄港で、「米軍兵士は数千人規模で増える」と外務省。
その兵士たちが、深夜の飲酒、そして交通事故や強盗を起こしている。「綱紀粛正」などどこ吹く風です。
さらに落下事故が起きた寒川町の町議は、補償問題についても問題点をつきつけました。
落下事故のすぐそばにいた男性の家には、外務省が手土産をもって謝罪にきたそうです。その後、米軍もチョコレート２枚！をもってきたとか。
男性は「なんでアメリカが起こした事故で、日本国民の税金つかって謝罪や補償をするのか」と怒ったそうです。日本政府からの手土産はうけとらなかったとか。
「アメリカにちゃんと責任をとらせない、そんなことでは、アメリカはもっとやりたい放題になるでしょう！」
外務大臣に伝えます、という外務省。
怒りとともに、情けないような、どこにこの怒りをぶつけたらいいのかという気持ちに襲われます。
なんのための政権交代だったのか、なぜ、これほどまでにアメリカに物が言えないのか。
要請の中では繰り返し、「国民の命を危険にさらしながら、日本を守るためだなんて誰が思いますか」と、米軍基地の本質に迫る問題をただしました。
自民党政治の時代も、民主党政権になってからも、「同盟国だから」「抑止力だから」とスローガンだけが繰り替えされる異常さ。
早くこのどうしようもない政治から抜け出したい。
沖縄や基地の周辺のだけでなく、新しい日本のありようを全国民的に話しあわなければなりません。
参考
以下は、外務省・防衛省に届けた要請書で指摘した、今年に入ってから神奈川県内で確認できている事件・事故です。
2011年1月1日から現在までの米軍・米兵による事故・犯罪
1月8日 大和市桜森で、米海軍厚木基地所属の米兵が、71歳の男性を乗用車ではね、脳挫傷の重傷を負わせる交通事故を起こした。
1月26日 藤沢市土棚の県道で、米海軍厚木基地所属の米兵が、オートバイに乗った41歳の男性と衝突事故を起こし、被害者は同月28日死亡。
1月31日 横須賀市若松町の飲食店内で、深夜2時頃、泥酔状態の横須賀基地所属の米兵が、サッカーアジアカップの決勝戦を観戦していた女性のショルダーバッグを盗み逮捕。
2月3日 米海軍厚木基地の原子力空母ジョージ・ワシントンの第5空母航空団に所属するＳＨ−６０Ｆ対潜ヘリコプターが、寒川町宮山の畑（仕事中の住民から３０�辰両貊蝓砲法⊃綯羃伺斑誼竜 淵愁福次貌眤，良睇検淵愁離屮ぁ砲鰺邁爾気擦觧�故を起こした。
2月9日 米海軍厚木基地所属のＳＨ−６０Ｂヘリコプターが、平塚市馬入の相模川河川敷に緊急不時着し、約8時間後に飛び立つ。（エンジントラブルが原因）
(日本共産党神奈川県委員会の調べでは、89年9月以降、34件の同様の事故が、神奈川県内で起きています。）