日本共産党 田村智子
コラム

【11.02.16】海上保安庁の巡視船せっつ(視察2日目その2)

駆け足の視察のなかで確信したことは・・・

 
2日間の委員会視察の最後は、海上保安庁第5管区へ。
尖閣諸島の問題で、漁船衝突の映像をインターネット上で流したのが、この第5管区の職員だというのが、視察の直接の経緯です。
この問題で第5管区の何を視察するのか…、視察について協議した理事懇でも率直に、他の理事の方々の意見を聞きました。
「予算、人事について行政機関を監視する」のが役割とのこと。

それまでの視察時間が予定よりものびたため、ビデオ問題で話を聞くことはありませんでした。
第5管区に配備されている船舶、ヘリコプターなどの説明、実際の海難被害者救出の映像などをみたあと(「せっつ」の船内での説明でした)、船内を案内していただきました。

操舵室、せっつが歴史の長い船舶であることが一目瞭然。
大きなレーダー映像が、ちょっと浮いて見えます。
次は船首へ。機関銃が高いデッキと、その先の一段下がったデッキにすえられています。
「実際に使用したことはあるのですか?」、すぐ隣に立っていた船長に質問すると「ありません」とのこと。
ほっとします。同時に、この機関銃をつかったとしても、領土問題などが解決することはなく、むしろ、緊張と対立を強めるだけだと実感しました。

船尾には、救助活動等で大活躍のヘリコプターの格納庫がありました。
今日は、関西国際空港に出かけているとのこと。
先ほどみた映像でも、ヘリコプターから海上保安員が海に降り、被災者を救出する映像がありました。
そういえば、この船には救急手当てのできる手術台のような備品もありました。

いよいよ視察時間はタイムオーバーになってきました。
歩きながらの最後の質問(1対1の会話なのですが)、「今日はどうして停泊しているのですか? 出動要請があった時に運行するのですか?」
運行計画があるのだそうです。そしてその計画は、乗務員の労働条件を保障するためのものでもあるとか。
停泊中に緊急事態があれば当然出動。乗務員の休みはあってないようなものでは…。

海上保安庁の仕事の過酷さ、大切さといえば、私も映画「海猿」を思い出します。
みなさんがモチベーションを高めて任務を果たすには、政治の役割が重要だということも。
領土問題でいえば、外交交渉がまともに行われることがなければ、現場での対応にはあまりに限界があります。
そして乗務員が休暇はしっかり休み、生活圏内での人生も充実させられるような体制を保障することも。
私にとっては、そのことを再確認する視察となりました。