日本共産党 田村智子
コラム

【11.02.05】5年生から「食」「自給率」を学習

学校公開(授業参観)に行ってきました

娘の小学校の「学校公開」。今年度は最初で最後の参加になりました。
1時間目は、校内見回り係。
廊下の各学年の展示物をながめながら、1階から3階をゆっくり回って歩きました。
6年生の廊下には、新聞記事をまとめた展示物がずらり。

ちょうど通常国会が始まる頃の課題だったのでしょう。
菅首相の所信表明など、国会関係の記事を選んだものが多いのですが…、これは大人でもまとめたりコメントしたりは難しいのでは?

「国の借金が800兆円になってしまうのは、こわいと思いました」
「政党がぶつかりあうのでなく、みんなで政治のことを考えてほしいです」
「消費税の増税で借金をへらすしかないと思います」
「消費税はあげられたらこまります。買い物のとき値段が高くなるからです」

う〜ん、小学生が政治のことを学ぶには、抽象的な「借金」とかでなくて、もっと具体的な事実と結ぶ必要があるんじゃないかな…。
でも、政治に関心をもつことは大切だし、政治についての意見表明も大切なこと。
問題は、意見表明からどう深めていくか、真理に接近するか。
「新聞を読む」で終わらず、学校教育としてどう深めるか、そこが先生方の手腕が発揮されるところ。
そういう授業にまでできるのかどうか、期待と不安がむくむくと頭をもたげます。

2時間目、娘たち5年生は「総合」の授業です。
体育館や隣の更衣室、準備室をつかって、2人〜6人くらいの小グループで発表が同時並行で行われました。
5分ほどの発表を、数人の「お客さん」を前にエンドレスで20分ほど続けるやり方。
テーマは、食料(食糧)についてのようです。

娘のグループは、女の子4人組。「飢えで苦しむ子どもたち」を調べての発表。
アメリカの貧困、アフリカの児童労働の現実をインターネットで調べたようです。
紙芝居にまとめて、文章をすべて暗記しての発表は、さすが5年生。
「こうした現実に私たちは何ができるか」が、発表のしめくくりだったのですが…。
「食べ物を大切にして、残さずたくさん食べる」という結論に、「あらら…」と思わず脱力。

帰宅してから(昼から仕事だったので、暗くなってからですが)、「あなたがおなかいっぱい食べても、飢えで苦しんでる子どもはそのままじゃないの?」と、つっこみをいれてしまいました。
「そうなんだけど…、だってどうしたらいいかなんて、わからないよ」と娘。
発表が目的になっているから、ほりさげてとことん考えたり、話し合ったりという機会がもてないのかな。
ここからが、本当の学習になると思うのですが…。

他のグループでは、食料自給率やフードマイレージ、健康によい食事は日本の伝統食、等々がテーマ。
「給食はパンとご飯、どっちが多いですか?」と質問した保護者に、「ご飯」という答えも。給食は「地産地消」でがんばっているようです。

自給率は、いくつものグループがテーマにしていました。インターネットで調べやすい、ということもあるかな?
日本の食料自給率の低さに、子どもたちも驚いた様子。
私も発表を聞いていて、あらためて学んだことがあります。
欧米諸国での輸入食糧は何が多いか。ワイン、加工品が主要な輸入食料のようです。
穀物や豆類など、主食、基本的な食料を主に輸入に頼ることが、どれだけ奇異なことかが浮き彫りになるようでした。

なぜ食料自給率が40年間で70%から40%にまで落ち込んだのか、なぜ農業人口が高齢化しているのか、なぜ食料自給率を高めることが大切なのか…。
子どもたちには発表が終わってからも、調べたり話し合ったりしてほしいものです。
「食」というテーマの深さ、面白さを再発見した学校公開でした。
(菅首相にも聞かせてあげたかったなぁ。)