日本共産党 田村智子
コラム

【11.01.31】JA神奈川がTPP反対の県民集会

党代表として発言しました

横浜市の官庁街にある関内ホール。TPP交渉参加に反対する県民集会に、日本共産党からは県議・市議、そして地方議会の予定候補者がずらりと参加しました。
JA神奈川県中央会、神奈川県農林水産団体協議会の主催する集会です。
2月2日には、厚木市でも同様の集会が予定されているとのこと。
首都圏での「食と農を守る」集会が大規模に開かれる、これは快挙です。

壇上には、私をふくめ国会議員がずらり。
党を代表してのあいさつで、どのような展開になるか、わくわくしながら進行を見守りました。

主催者の情勢報告は30分をかけた力の入れようです。
TPPで、農作物の関税ゼロとなれば、アメリカとオーストラリアからの安価な農産物が押し寄せてきて、日本の食糧自給率は13%まで急落する、それが農水省の試算です。
農林水産業に壊滅的な打撃を与えることになる、とくに米は、コシヒカリなど「ブランド米」の生産しか生き残れなくなる…

TPPは例外なき関税ゼロの貿易を行うもの。
関税以外の障壁もとりはらう、日本にある様々な規制が「自由貿易」の名のもとに撤廃されていく危険性がある…
自動車、電気製品の輸出を広げるというが、すでにアメリカへの自動車輸出の関税はわずか2.5%。薄型テレビも5%。
アメリカ、オーストラリアは、そもそも植民(移民)の地。初めから輸出を目的とした大規模農業のための国づくりがすすめられた。
日本がどんなに大規模化をすすめても、物理的条件が違いすぎる。
そのまま国会論戦ができるのでは、と思えるほど、現実的な問題点が次々に指摘されました。

そしていよいよ各政党からの3分間の意見表明。
トップバッターは、政権与党、民主党の田中慶秋衆院議員。
「民主党は、TPP交渉参加を決めたわけではない」
開口一番の表明に、場内はざわめきました。
「平成の開国」だと言い張って、TPP参加の必要性を強調しているのが菅直人首相ですから、どよめきが起きるのは当然です。
「私はTPPに参加すべきではないという立場でがんばる」
思わず、「裏切るなよ!」と小さな声での不規則発言をしてしまいました。

自民党は神奈川県議。国会議員の方が、「TPPでは日本農業はつぶれてしまう」との言明しているな、というのが、率直な感想。
公明党ははっきりTPP参加反対を表明。
そして私の出番です。3分間に怒りと決意をこめて発言しました。

「TPP参加は亡国の道、という立場で国会での論戦を行ってきました。
内閣府の世論調査でも、『外国産が安ければ輸入するのがよい』という人はわずか5.4%。『高くてもできる限り国内でつくる』『基本食料は国内でつくる』という人が90.7%。
やるべきは自給率の向上、輸入自由化とは両立しないことはこれまでの農業政策で明らか」

「政府とマスコミのゆがんだ宣伝は許せない。
TPP参加国はわずか3カ国、参加交渉を含めても9カ国。ここに加わらないと鎖国なのか。
自動車や電気機器の輸出が若干増えたとしても、政府の試算で、GDP成長はわずか0.48%〜0.68%」

「日本の農業は、収穫の効率、安全性、品質すべて世界トップクラス。
それだけの産業にふさわしく、予算をふりむけることこそ求められている。
国内では、農家がまともな価格で農作物を販売できるようしくみ、価格保障制度をつくること
国外では、他国の産業をつぶしてまで貿易自由化をすすめてはならない、食料主権のルールをよびかけるべき」

「TPPとはなんの略か。突拍子もないプラン、だ」
最後にこういうと、会場から笑い声と同意の声が起こりました。
これは紙智子参院議員から聞いた略称。遣わせていただきました。
各党の発言が終わって壇上から控え室に向かうと、「一番拍手が大きかったよ」と市議のみなさんから声をかけてもらいました。

政府の宣伝に、事実にもとづく反撃をするだけでなく、広く国民にTPPの「とんでもなさ」をわかりやすく伝えていかなければ。

JA神奈川中央会と日本共産党は、ついこの間まで、「やや距離がある」という位置関係にありました。
集会等への参加を正式に呼びかけられたのも、初めてのことではないか、と聞いています。

6月までに、TPPに参加するための交渉に参加するかどうかを決めるという菅内閣。
私たちのたたかいも、これからいくつも山をつくっていかなければなりません。