日本共産党 田村智子
コラム

【10.11.18】障害者自立支援法をめぐり緊迫の国会

「私たちのことは私たち抜きで決めないで!」

なんという国会でしょう!
9月30日に始まってから今日まで、参議院厚生労働委員会では法案を一つも審議していません。
あと2週間で会期末というときになって、突然、障害者自立支援法「改正」法案が衆議院厚生労働委員会で審議なし採決(昨日)。
そして今日、本会議でも採決され、参議院では本会議での主旨説明要求をどの会派も要求せず(日本共産党は議席が少なくて要求することができないのです…)、
参議院厚生労働委員会に即付託。いつ審議・採決されてもおかしくない状態になってしまいました。

昨日、突然の事態に障害者のみなさん400人が国会につめかけました。
「いったい何度同じことを繰り返すのか」
「自立支援法を廃止して、障害者総合福祉法をつくろうと、協議が進んでいるときに、なぜ自立支援法の改正なのか」
怒りに声をふるわせながらの訴えが続きました。

午後3時半、参厚生労働委員会の理事懇談会。
今後の委員会運営についての協議です。
ここで何が提案されるのか、緊張して出席しました。

結論は、すでに主旨説明が終わっている職業能力開発機構の廃止法案について質疑と採決を行うことを決めただけでした。
しかし、会期末をにらんで、その後の運営についての意見も出されました。
障害者自立支援法をどうするか、正面からの議論は民主・自民とも「避けた」という様子。

そこで「今後のことでお願いがあります」と、私が手をあげました。
「衆議院で反対会派があるのに、委員長提案で質疑なしで採決というやり方はいかがなものかと思っています。
参議院では、言葉は悪いですが、会期末でばたばたと処理をする、ということのないよう、良識の府としての存在意義を示してほしい、このことを理事の方々に強く要望します」

私は正式な理事ではなく、オブザーバー。
委員会運営を決定する権限がありません。悔しい…。
それでも、目の当たりにした障害者のみなさんの思いを、悔しさを、節度を持ちつつも決して譲らずに主張しなければ!

山場は参議院予算委員会で補正予算の審議が終わった瞬間です。
24日に終われば、すぐにまた理事懇談会が開かれ、翌日の委員会運営について協議します。
25日の厚生労働委員会で、職業能力開発機構の法案だけでなく、障害者自立支援法もまともな質疑もせずに採決する危険性があります。

国民の声で政治を、国会を動かさなければ。
「私たちのことは私たち抜きで決めないで」、これが障害者自立支援法をめぐって誰もが認めた障害者の方々の主張なのです。
国会の中で今回のやり方に異議を唱えるのが一握りの議員であったとしても、国会の外では、あまりに多くの障害者のみなさん、家族や支援者、障害者施設に関わるみなさんの抑えようのない声。
その声で国会を包囲しましょう!