コラム
【10.11.07】「赤旗まつり」は出会いがいっぱい
2日間よく歩き、よく話し、楽しみました
寒さが心配だった東京・夢の島。
2日間とも穏やかな陽気で、陽射しがまぶしいほどでした。汗かきながら歩き回りました。
初日の6日、朝10時にはもう新木場駅から会場までの道が大混雑!
予想を上回る出足の早さに、私もあせって人並みをぬうように国政事務所のテントに向かいました。
東京の労働組合や市民団体の方々が党後援会をつくっています。
まずはそのテントがならぶ海沿いの道へ。
「おはようございます!」声をかけると、「田村さん!」と握手、握手。
「やっとバッチがついたね〜」
記念撮影や乾杯、そしてまた握手と、嬉しい激励です。
次は、神奈川、千葉、山梨、南関東の各県のテントをまわります。
昼には3県それぞれの集会があり、一言ずつあいさつをして、東京のテントへ走ります。
どの集会も、春のいっせい地方選挙の候補者がたすきをかけて勢ぞろい。
大きな拍手がわきあがります。
午後1時、中央舞台の控え室へ。
2時から、作家・あさのあつこさん&市田忠義書記局長の対談。私の司会です。
あさのさんが先に到着しておられました。
朝8時前に岡山の自宅を出発されたとか。「陽射しが強いですよね。日焼け止めくリームを塗った方がいいですよ」
私にも差し出してくださいました。
お弁当を食べながら、ウォーミングアップのように、あさのさんとしばしお話しました。
私もあさの作品のファンの1人。最近読んだ大人向けの短編集『朝の子どものおもちゃ箱』が、とても気持ちのよい作品だったのです。
市田さんも到着し、阪神ファンの2人は野球の話もはずんで、すでに対談が始まったかのような雰囲気です。
いよいよ、「バッテリー・トーク」がスタート!
2人の対談を私も楽しく聞きながら、司会をすることができました。
笑いや拍手が随所でわいて(こちらから、拍手を促すようなことは何もしなかったのですが、自然に拍手がわくので感動しました)、ほのぼのとしながらも、政治の根っこを問うような内容になって、自画自賛のようですが「いい対談だったなぁ」。
『バッテリー』について「野球の描写が実に生き生きとしていることに、まず感動した」と市田さん。
野球少年だっただけに、感じる所が強かったようです。
あさのさんは「野球はやったことがない。スポーツは全くだめ」とのこと。
けれど「わからないことだから、そのまま終わらせたくない」「自分が知らない、わからないことだからこそ描きたい」、それが作品を生み出す力となっているのでしょう。
ああ、私たちの仕事と重なるなぁ、と思いました。
自分の人生、生活の体験をこえた、様々な生き様を実態を私たちは知ろうとしています。
それが議員活動の根幹ともいえるからです。
先日、こんなメールが私に届いたことを思い出しました。
「あなたは社会人として一般の会社で働いたことがない。だからダメなんだ」という内容でした。
どこがどうダメなのかは指摘してもらえなかったのですが…。
確かに私は、青年団体の専従から国会議員の秘書、候補者、そして国会議員という政治の道一筋で生きてきました。
もっと色々な体験をすれば、学ぶことはたくさんあったかもしれません。
けれど、体験したことしかわからない、というのは違うと思っているのです。
たとえば戦争を体験しなければ、本当の反戦の訴えはできないのか、
食べるものさえない時代を生きてこなければ、反貧困の運動はできないのか、そうではないと思うのです。
私たちは「知ろう」と努力します。自分の人生や経験をこえて、他の人の人生を、苦しみや悲しみや痛みに、少しでも近づけるようにと努力をします。
それらを伝えようと努力します(しんぶん赤旗が他の一般マスコミと違うのは、ここだと思います)。
「わからないことをわからないままで終わらせない」
あさのさんにシンパシーを感じてきたのは、この立場に共感するからかもしれません。
対談では、人間の「根っこ」が熱く語られました。
流れにあがらう生き方、あさのさんの作品には、「自分」の「根っこ」を失うまいとする少年の姿、流されそうになりながら「根っこ」を見出していく子どもの姿が、実に魅力的に描かれます。
「根っこ」を持つ人の「本気の言葉」が、作品の柱と感じることもあります。
これもまた私たちの活動につながるものです。
自分が発するこの言葉は、本当に自分の思いの核だろうか、本当に私の言葉だろうか、演説するとき自問自答を繰り返します。
「私が一番言いたいことは、絶対に譲れない、私にとっての真理は何か」と。
おしゃべりな私は、自分が「しゃべりすぎる」ことを度々反省します。
「しゃべりすぎ」は言葉を軽くする。本当に大切な言葉は、そんなにたくさんはないのでは…と。
1時間足らずの対談で、もっと聞きたいこともたくさんありました。
こんな対談の機会も私ももちたいなぁ、そんな気持ちにもなりました。
出番が終わって、あさのさんにあらためてお礼を言うと、実はとても緊張されていたことがわかりました。
屋外での対談なんて、赤旗まつりぐらいでしょうから、その緊張はよくわかります。
舞台の上からみると、本当に大勢の方々が豆粒サイズで目の前に広がっているのですから…。
お疲れ様でした…と、また、あいさつまわりに戻ると、中央舞台を見ていた方々が「田村さんですね」「司会されていましたよね」と、次々声をかけてくださいます。
楽しく聞いていただけたと実感!
暗くなる頃まで、歩き回り、帰宅する頃になって気がつきました。
あさのあつこさんと記念撮影していない!!
緊張していたのは私の方、だったのでしょうか。あ〜もったいない!
舞台の上では、私はあさのさんからは離れて座っていたのです…。覆水盆に帰らず、後悔先に立たず…。
こんなハプニングが、1日目も2日目も色々とありましたが、好天に恵まれ楽しく充実した赤旗まつりでした。
たくさんの激励、ありがとうございました!