日本共産党 田村智子
コラム

【10.11.04】TPPに正面からの批判 民主党の質問に拍手

参議院本会議の議論に新たな激動の予感

補正予算案がやっと提出されて、2時間30分近い本会議で論戦が始まりました。
衆議院では、佐々木憲昭議員が日本共産党から質問できましたが、参議院は自民、民主、公明、みんなの党まで。悔しい…。

自民党からは「補正予算の提出が遅い」「解散総選挙をやれ」の質問と野次。コメの価格暴落は「所得補償が原因」…う〜んそうなのか?
派遣法の規制強化や最低賃金の引き上げは「アンチビジネスでやるべきではない」…ワーキングプアはそのままでいいのか?

民主党の質問者は舟山康江議員。
この質問には、私も何度か拍手や「そうだ!」の声をあげました。
にわかに浮上した貿易自由化交渉、TPP問題についてです。

TPPに参加すれば、環太平洋のいくつもの国々と例外品目なしの関税ゼロの貿易を行うことになります。
労働者や下請け中小企業を犠牲にして、異常な競争力をつけている自動車など輸出製造大企業は、さらに利益をのばすことになるでしょう。
一方で、日本の農業は壊滅的になる、そんな道を選択するのか!

食糧自給は国の主権にかかわる問題です。
農業は、「利益があがるからやる。もうからないからやめる」という産業ではありません。
命に直結する、どこの国、民族でも、欠くことのできない、何かに置き換えることのできない特別な産業です。
土地の保水能力を高め、防災の役割を果たし、地球温暖化などの自然環境対策としても重要です。
日本にとって「いらない」産業のような扱いをするわけには絶対にいきません。

製造業も、輸出にこれ以上依存していいのか、低価格競争だけでいいのか等々、真剣に考えなければならない問題です。
それほど重要な問題なのに、TPP参加への交渉を開始するかどうか、閣議決定だけで決めてしまう、国会での議論しないというのは異常です。

舟山議員の質問は、私たちと重なるこうした立場を鮮明にうちだしていました。
国民の疑問や不安と民主党政権が大きな矛盾をかかえていることを如実に描き出したといえるでしょう。

自民党席からもやんやの拍手がわくのには、思わず苦笑してしまいます。
コメを含む貿易自由化をどれだけ推進してきたか、汚染米、BSE感染の疑いのある牛肉まで唯諾々と輸入してきたのはどの政権か。
その一方で、TPP参加反対で党派をこえた共闘の可能性も感じます。
やはり国民の目、声が政治を動かす力だと、胸のうちに熱いものがむくむくと起き上がります。

「そうだ!」と声をあげられる質問が他党の議員から飛び出してくる。
政治は引き続き激動に次ぐ激動の時代、その予感がします。
TPPは急を要する問題です。
10日には、「TPP交渉への参加に反対し日本の食を守る緊急全国集会」が日比谷野外音楽堂で行われます。実行委員会にはJA全中だけでなく、これまで直接には一緒に行動してこなかった団体とも力をあわせるとのこと。
この一大事に、私も声をあげたい! 
「日本の農業を食糧を、ひとにぎりの大企業の利益の人身御供にするな!」