コラム
【10.10.21】3回目の国会質問に立ちました
自分の妊娠・出産を思い出しながら
厚生労働委員会の一般的質疑。法案の審議ではないので、何をテーマにするか、そこから仕事が始まります。
今回は、「お産」についてとりあげたいと、この数日間、準備をすすめてきました。
行政の一方的な制度変更で、少なくない産科医や助産師さんが、分娩扱いをやめざるをえなくなっている、という訴えを聞いたのは、9月のことでした。
私も2人目の子どもは、家の近くの産科医院で出産しましたから、これは一大事だと、機会があれば質問しなければと考えていました。
「お金の心配なく出産を」という要求にこたえて、出産育児一時金の額が段階的に引き上げられてきました。
そして、退院の時に窓口での支払いを軽くするため、この一時金が医療機関に直接払われる制度も昨年から始まっています。出産育児一時金の直接支払い制度といいます。
ところが、この制度が、産科医に大きな負担になっていることは、私も話を伺うまでしりませんでした。
直接支払い制度では、産科医院などへの入金は、出産したお母さんが退院してから1ヶ月以上も遅れるというのです。
分娩を主な収入としている産科医院、助産院では、収入がいったん途切れるのと同じですから、大変な事態です。
国は「入金までのつなぎとして、低金利で融資する」という手をうちました。
調べてみたら、その融資額の平均はなんと2500万円!
しかも、入金はエンドレスに1ヶ月以上遅れ続ける、分娩の扱いをやめない限り借金返済はできないということです。
原稿準備の過程で、国会に産科医の方や助産師さんに来ていただいてお話を直接うかがいました。
怒り、そして、悔しさや悲しさが、切々と伝わりました。
「お産が好きで、休みなしというほど忙しくてもがんばってきた。国の制度変更でなぜ私たちが巨額の借金を担い、利息も払わなければならないのか」
「小さな産院や助産院はもういらない、病院で産めばいいということなのかと思うと、お産はそれでいいのかと、たまらない気持ちになる」
助産師として妊産婦さんによりそって、「お産の喜びが、育児の喜びにつながるように」と、長年仕事をされてきたYさん。
お産の仕事が本当に好きで、産科医の足りない地域に二つ目の診療所を借金かかえてもつくったI医師。
こういう方々が泣く泣くお産の現場からいなくなるなんて、絶対にあってはならないことです。
みなさんの気持ちをぶつけるつもりで、質問にたちました。
私の質問時間中は、当事者の方々はおそらく仕事中で、もしかしたら新しい命を目にしているかもしれません。
あとで議事録や、質問の映像をみたときに、「私の言いたかったことだ」と思っていただけるかどうか…。
もう一つとりあげたのは、不妊治療に関わることです。
これは、私が候補者時代に、「NPO法人Fine 現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会」の方々と懇談して以来、いつか国会でとりあげたいと思っていた課題でした。
Fineの方からお話を聞いて、私も認識を新たにしたことがいくつもありました。
生まれてくる子どもたちの50人に1人は体外受精による妊娠であること。
不妊治療が、経済的精神的にどれほどの負担があるかということ。
私も知らなかったことを深く反省しました。
だからこそ、当事者の方の気持ちによりそった制度に、小さなことでも改善したかったのです。
小さな改善は、体外受精や顕微授精への助成金の申請書を、治療を受ける病院の窓口におくということです。
都道府県や政令市の役所の窓口で「特定不妊治療助成の申請書をください」ということが苦痛。この気持ちはよくわかります。
せめて、その苦痛をとりのぞくことはできるはずだ。懇談のとき、そう決意していたのです。
前回よりも5分長い25分。それでもあっという間に終わってしまいました。
とりあげたいテーマはたくさんあります。
労働の問題も今回できるかを考えましたが、実は質問を組み立てるまでに、具体的な実態を調べたり、現行の制度の問題点を解明するのは時間もかかります。
今日の質問が終わった1時間後、次の質問に向けて、秘書のみなさんとの打ち合わせも始まりました。
次の質問は…。間もなくお知らせしますね。